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今節の見どころ

中盤を制す者がゲームを制す。2位・湘南を迎えて後半戦初戦を勝利で飾れ

 

8日に開催される明治安田J2第22節で、シーズンは後半戦に突入する。3週間ぶりのホームで迎え撃つのは、現在2位につける湘南だ。九州各地が豪雨災害に見舞われる中、力強い勝利で人々に元気を届けたい。

 

3週間ぶりにホームに帰ってきた

 
第19節・讃岐戦で6試合ぶりの白星を挙げたあと、メンバーを入れ替えて臨んだ天皇杯2回戦・町田戦に4-2で勝ち、それに刺激を受けたように第20節・群馬戦も4-0で勝利。良い流れは次第に水量を増すかと思われたが、前節の千葉戦では4失点の大敗。スコア以上に、いつもは出来ていることが出来なかったことがショックな試合となった。
 
相手次第で自分たちのサッカーをやれたりやれなかったりしている。どんな相手に対しても戦術を表現できるようにならなくてはならないと、選手たちは異口同音に言った。前節からはきっぱりと切り替えて、これまで積み上げ続けてきたものを、これからも変わらずに積み上げていくだけだ。
 
何より今節は3週間ぶりのホームゲーム。町田〜群馬〜千葉と2週間でのアウェイ3連戦はハードだったが、それぞれに得た課題と収穫を、大銀ドームでの戦いに反映したい。
 
週の立ち上げの4日は台風の影響で午前練習を中止。翌日からは夏季スケジュールとなり9時半スタートでトレーニングに取り組んだ。雨が降ったり薄曇りで陽が射したりと不安定な天候で、ひたすら蒸し暑かったが、選手たちはバリエーションを持たせたポゼッション練習に意欲的に取り組んだ。
 

ジネイは出場停止だが野田も要警戒

 
湘南との前回対戦は第9節。川西翔太がボランチとして初先発した試合で、前半はハイプレスをかけてくる相手の勢いを上手くいなしながら、狙いどおりにボールを動かして好機を多く作った。得点はCKのトリックプレーから挙げた1点のみだったが、後半に修正して攻勢を強めた相手を全員守備でしのぎ、充実感満点の勝利をものにした。
 
「ただ、今回は前回のようにはやらせてくれないと思う」と川西。前回対戦は連動性を欠いた相手の守備も、シーズン半分を戦う中でこなれているはずだ。
 
今季の湘南は、昨季まで戦術の核となっていた戦力が流出し、圧倒的な勢いが鳴りを潜めているイメージだ。だが、内容がかんばしくなくとも、しぶとく勝ち点を積んで現在2位につけている。その勝負強さや試合運びの上手さは警戒しなくてはならないところ。
 
さらに、第14節から5試合にわたり、4-3-2-1という新システムも採用。第19節以降はまた3-4-2-1スタートに戻しているが、長らく培ってきた湘南スタイルに、新たなオプションを加えている。
 
今節はチーム得点王のジネイが累積警告で出場停止。前回対戦でもジネイが出場した後半からは湘南にペースを握られた。湘南の攻撃の主軸を担う選手だけに、この欠場は大分にとっては好材料と言える。
 
ただ、代わりに入る可能性が高い野田隆之介も、ボールの収まりが良くゴール前で強さを発揮できる選手だ。野田が鳥栖に在籍していた当時、福岡にいてプライベートで交流があったという鈴木惇も「J2にいるような選手ではない」と警戒を強める。
 
出場停止明けで岡本拓也が戻ってくる可能性もある。誰が出てきても組織としての型を持っているチームで、侮れない強豪だ。
 

自分たちのサッカーを徹底して貫くのみ

 
大分としては前節の敗戦も反省材料に、自分たちのサッカーを徹底して貫くのみ。今節も前節の千葉同様、アグレッシブにハイプレスをかけてくる相手だが、それをいなしながら、状況判断してボールを動かしていく。
 
後藤優介は「前線がいかにボールを引き出せるかがカギ」と読む。後方、特にボランチから良い形でボールを引き出せれば、前線3枚のコンビネーションを駆使して崩せる可能性が増す。前回対戦でも突きどころとなっていたアンドレ・バイアの背後は積極的に狙っていきたい。
 
強気に出たいホームゲーム。予測や判断で先手を取ってセカンドボールを拾い、主導権を握って戦いたい。