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今節の見どころ

難敵・讃岐から6試合ぶりの勝利を挙げられるか。初の凱旋となる西弘則も要警戒

 

17日に行われる明治安田J2第19節H讃岐戦に、チームは6試合ぶりの勝利を目指して挑む。勝利に対する貪欲さをあらわに球際激しく戦う難敵を迎え、厳しい展開になることは必至だ。

 

成長の途上は苦しいが、貫くものは変わらず

 
戦術浸透を感じさせながら、5戦白星なしと苦しんでいるチーム。相手から研究されはじめたことで、その守備をかいくぐるためのスキル向上が求められており、今週のトレーニングでは、これまで以上に細かい部分にこだわった戦術確認が行われた。
 
ボールの動かし方やポジショニングとタイミングなど、より具体的な指示や選手間のすり合わせを図ったが、タッチ数やエリアなどさまざまな制限が課せられたゲーム形式のトレーニングは難易度も高く、なかなかイメージどおりには進まなかった。
 
鈴木義宜は「ハードだった。でも、レベルアップしていかなくてはならないし、周囲から見てもそう思われるくらいのサッカーをしなくてはならない。全42試合が終わったときに開幕の頃より良いチームになったねと言われるようにしたい」と、日々の積み上げを説く。三平和司も「連敗はしていないので、ポジティブに捉えてもいい。いまは我慢の時期。結果に対して一喜一憂しないことも大事」と、根気強くブラッシュアップに取り組む姿勢を見せた。
 
選手たちの意識も高まっているようで、紅白戦ではサブ組が迫力を見せたという。片野坂知宏監督は「チームとしては良い傾向」と言いながら、「ただ、そのサブ組の守備を上手く攻略できていなかった」と、主力組の出来栄えには渋い表情。
 
新たな負傷者が出たことに加え、コンディションが万全でないメンバーもいて、最悪の場合、急造布陣で臨まなくてはならない可能性もある。万が一そういうことになれば、チームの底力が問われることになる。
 

勝利への執着心あらわに激しく戦ってくる讃岐

 
現在、2勝7分9敗で20位に沈んでいる讃岐だが、前節・金沢戦で今季2勝目を挙げており、ここで波に乗ろうと今季初の連勝を狙って乗り込んでくることは間違いない。
 
讃岐を率いて7シーズン目となった北野誠監督の勝利にこだわる采配には、これまでの対戦でも何度も苦しめられてきた。片野坂監督も「北野さんは闘うチームを作る人。しぶとくアグレッシブにやらせて、勝つためなら手段を選ばないくらい何でもやってくる」と、そのイメージを語る。球際の激しさや攻守の切り替えにおける徹底は、讃岐というチームの最たる特長のひとつだ。
 
今季は4-4-2のボックスとダイヤモンド、4-1-4-1、4-3-3、4-2-3-1、3-5-2、3-4-2-1と、多彩なシステムを使い分けて戦っている。戦力の配置も試合ごとにさまざまに変えており、出方を予想するのは難しい。
 
守護神・清水健太をはじめ我那覇和樹や市村篤司ら負傷者も出ているが、戦力に複数ポジションを務めさせることによっても層の薄さは感じさせない。攻撃陣には原一樹に馬場賢治という、他チーム在籍時の対戦においても苦しめられた勢いの良いメンツが並び、そこに仲間隼斗や木島徹也らが変化やアクセントをつけてくる。
 
2011年から5シーズンにわたり大分でプレーし、今節が初の凱旋試合となる西弘則は、SB、SH、WB、トップと多彩なポジションで起用されながら活躍中だ。前節は右SBで出場し、スペースを突いた攻め上がりから西らしい気持ちの強さを見せて、GKのファンブルした球を押し込み、チームに今季2勝目を呼び込んだ。その勢いでポストに激突したのも相変わらずだ。あの元気なドリブルをまた大銀ドームで見れるのはうれしいが、勝利は譲れない。
 
その西や、今季は左SBで多く出場している高木和正らの機動力も、警戒しなくてはならないポイントだ。
 

コンビネーションを駆使して攻略せよ

 
今節も相手の出方が読みづらいが、それならばなおさら、相手がどう来ても主導権を握り自分たちのスタイルで戦う、というのが指揮官の考え方。ミーティングで相手の特徴を伝えはしたが、実際に試合でものを言うのは、ピッチ上でのプレーヤーの臨機応変な判断となる。
 
相手がシステム変更などで変化をつけてくる場合もあるし、こちらが相手を食いつかせて動かす仕掛けもしていく中で、生まれたスペースをどれだけ的確に見つけ、判断してボールを運べるか。激しく球際に寄せられながらも顔を上げ、広く深く状況を見渡していく力が求められる。
 
攻撃時、ゴール前でのコンビネーションは特に効果的に発揮したい。強さのある相手守備陣を、どう攻略していくか。ちなみに短期間ではあるがG大阪でコーチ時代にエブソンを指導したことのある片野坂監督によれば、当時に比べてエブソンは日本のサッカーに馴染み、後手を踏むことが少なくなったという。
 
「来日当初は対応も遅かったし、1対1ではすぐに足を出して引っ掛けてしまうしだったが、スピードはある。調子乗りで抜けているところもある愛すべき人柄で、ブラジル人らしい主張の強さはなく、チームに馴染むために真面目に努力するタイプだった」
 
北朝鮮代表から戻ってきたリ・ヨンジが出場するかどうかも気になるところだ。
 
また、讃岐の得点の実に7割が、PKを含むセットプレーから生まれている。粘り強く対応しながら自分たちのペースへと持ち込むことが、勝利へのカギになる。
 

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