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今節の見どころ

寒冷地での17時キックオフ。今季最も遠いアウェイで激しいミラーゲームに臨む

 

9日に行われる明治安田J2第7節・アウェイ山形戦に向けて、チームは8日朝、クラブハウスを出発した。今季最も遠い敵地で、寒冷地への移動。キックオフは17時、天気予報は曇りと、環境的にも過酷な一戦となりそうだ。

 

好調だった松本怜の穴をどう埋めるか

 
前節・愛媛戦で、松本怜が全治約6週間の怪我により離脱。開幕から好調で攻守に存在感を発揮していただけに、頭の痛い状況となった。最終ラインにもコンディション不良の戦力と別メニューから復帰した戦力が入り混じる具合で、指揮官は今週も初日からゲーム形式のメニューでさまざまな組み合わせを確認した。
 
相手の特徴や出方に加え、起用メンバーの特長によっても戦術の細かい部分が変わってくるとなると、まだ戦術浸透途中の段階では難しさもあるだろう。
 
松本が務めていたのは、特にこのシステムのニュアンスを最も左右するWBというポジション。それだけに、どういうタイプの選手を置くかは念入りに判断したいところだ。縦の関係も含めて最終的にどの戦力をピッチとベンチに配置するかということになるが、悩めるだけの選択肢があることは幸いとも言える。出場メンバーには離脱中の選手の分も頑張ってもらいたい。
 

手堅く勝ち点を積み上げながらチーム構築中の山形

 
山形も、佐藤優平と南秀仁が長期離脱中。技術の高い攻撃陣2人に加え、DF陣にも怪我人が出ている模様で、こちらも戦力のやりくりは順調とは言えないようだ。
 
とは言っても、試合内容的には決して悪くはない。今季から指揮をとる木山隆之監督を慕って、昨季まで率いた愛媛から移籍した選手も多く、当時からの3-4-2-1システムを継承できている部分もありそうだ。ただ、山形では愛媛よりもポゼッションを重視しているようにも見て取れる。
 
寒冷地のため開幕から3戦はアウェイで、その後、ホームで2戦。開幕戦で京都に勝利した後は千葉、熊本、讃岐、福岡と難敵相手にいずれも引き分けている。前節はアウェイ長崎で今季初黒星を喫したが、今季から率いるチームでスタイルを構築しながら堅実に勝ち点を積み上げている様子は、いかにも木山監督らしいとも言える。
 
長崎の堅守を崩せず敗れたとはいえ前節は、今季初めて2桁シュートを記録。中と外との使い分けが大きなカギになる3-4-2-1システムについて、プレーヤーの理解を深めている様子が、データにも表れているようだ。66分には前線での収まり具合を高めようと、瀬沼優司に代えて中山仁斗を投入。これまでは阪野豊史を頂点に、南の負傷後は瀬沼と汰木康也か荒堀謙次の2シャドーでスタートしているが、今節は大分に対して前線3枚のバリエーションをどう選んでくるかも興味深い。
 
いずれにしても、もっと攻撃の時間帯を増やしたいという思いはあるだろう。前節敗れてのホーム戦で、今季2勝目を挙げたいはずだ。
 

相手の守備を見極めつつギャップを突いて攻めよ

 
熊本のように前線から激しくプレッシャーをかけてミスを誘うか、愛媛のように高い位置でスペースを消して阻むか。GKからビルドアップしていく大分に対しては、どういう守備で対応するかが、対戦相手の大きな選択肢のひとつとなる。
 
良い守備からリズムを作る山形がどういう戦い方で臨むか、また、そのプレッシャーのかけ方によってこちらも臨機応変に対応していかなくてはならない。ミラーゲームならではの息詰まる駆け引きが展開されそうだ。
 
前節の愛媛戦ではクロスから失点したが、今節の山形もシンプルにクロスを供給してくることが多い。前節の課題を修正した上で、サイドの攻防で上回りたい。
 
今節もミラーゲームだが、ここまで3バックの相手との対戦で白星がない。後藤優介は「マッチアップすると相手もこちらを的確に抑えてくるのだが、そこでウラを取れていない。上手く判断してウラを取ったり、相手の逆を突くようなプレーが出来れば」と分析する。互いに中でギャップを突き合う展開になるならば、オフザボールの動きがカギになりそうだ。
 
天気予報では、9日の天童市は曇りで、夕方から晴れ。15時の時点で11℃の気温は18時には8℃にまで下がる。強くはないが北風も吹く予報で、そういった環境によりコンディションに影響が出ないよう気をつけたいところ。
 
現地観戦の方々は防寒対策を施してお越しください。