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今節の見どころ

互いにメンバー変更が見込まれる対戦。激しい球際を制して今度こそ熊本に初勝利を

 

チームは26日13時から、えがお健康スタジアムで、熊本とのアウェイ戦に臨む。公式戦未勝利の相手との対戦に、士気が揚がらないわけがない。

 

メンバー変更余儀なしも、逆境を転じて追い風にしたい

 
3試合ぶりのアウェイ戦は、隣の好敵手との九州ダービー。前節・徳島戦で敗れているだけに、なんとしても連敗は食い止めたい。
 
そんな思いを表すように、今週のトレーニングは激しかった。緊張感に満ち、ゲーム形式や対人のメニューでは試合さながらに球際激しくぶつかり合う様子が多く見られた。
 
ただ、チーム状態は決して順風満帆ではない。重症ではないがコンディション不良の選手が数名出ており、メンバー変更も余儀なくされそう。片野坂知宏監督は週の立ち上げからゲーム形式を繰り返してさまざまなパターンの布陣を試したが、なかなかしっくり来なかった様子。24日の紅白戦は急遽非公開となったが、練習終了後には「まだ考えているが、だいぶ絞られた」と話した。
 
負傷者の出たポジションに別のメンバーを入れることで、他のポジションの人選にも影響してくるかもしれない。あるいはこれまで出場機会に恵まれなかったメンバーが起用される可能性もあることを、指揮官は否定しなかった。トレーニングマッチや練習で好調アピールを続ける戦力もいて、それがポジション争いの激化につながっている。この逆境を転じて、新たに計算できる戦力が登場することにも期待したい。
 
気になる紅白戦の手応えは、悪くなかった模様。いつも熱い戦いを繰り広げながら0勝6分4敗と「どうにも相性が悪い」としか言えない熊本との対戦に、今度こそという思いがつのる。

激しい熊本サッカーに肉弾戦も覚悟で臨め

 
一方の熊本も、DF陣に負傷者が相次ぎ、さらに今節は、右SBのレギュラー黒木晃平が出場停止。恭平との兄弟対決の可能性がなくなったのも残念だが、おかげで出場メンバーがますます読みづらい状況になっている。プレシーズンから離脱していた植田龍仁朗が復帰しているという話もあり、この緊急事態ならばいきなりの出場も絶対にないとは言えない。
 
前線もメンバーが予想しづらくなっている。前節、福岡の岩下敬輔と接触して顔面を負傷した巻誠一郎が、今節は試合に絡んでくるかどうか。負傷の影響を考慮すればアン・ビョンジュンと八久保颯の2トップでスタートする可能性も高い。強さとスピードを兼ね備えたアン・ビョンジュン、やはりスピードがあり好調の八久保といずれも怖いが、ほかにも一人で仕事の出来る齋藤恵太や勢いのある田中達也らが控えている。
 
前線の顔ぶれ次第で攻撃の形も変化してくるが、戦術の核となるのがボランチの上里一将であることは変わらない。まずはここをしっかり抑えることと、嶋田慎太郎と岡本賢明の両SH、片山奨典の左足クロスには要注意だ。
 
出場メンバーや戦い方によって警戒ポイントはいくつか考えられるが、それ以前に大前提として立ち向かわなくてはならないのが、熊本ならではの激しさ。球際しかり、プレッシャーしかり。ゲームの各所で相手を跳ね飛ばし、潰し続けて主導権をもぎ取るハードワークぶりには、激しい肉弾戦も覚悟しなくてはならないだろう。
 

セカンドボールを拾ってからの攻撃精度が課題

 
前線にボールを当て、そこから2次攻撃を仕掛けるのを得意とする熊本との戦いでは、セカンドボールの奪取がカギを握る。まずは相手トップとの競り合いのこぼれ球を上手く拾うこと。そのためにはコンパクトな距離感が必要となる。
 
最大の課題は、奪ったボールをロストしないことだ。ここまでの試合では、単純なパスミスやトラップミスで折角の攻撃チャンスに自滅する場面が数多く見られた。今節もセカンドボールを拾うためにボランチが深い位置取りを強いられるであろうことを考えると、確実にボールを収めながら前に出ていく時間を作らなくては厳しい展開になるだろう。球際激しく寄せてくる相手をいなしつつ、目指す攻撃を繰り出せるか。ひとつひとつの判断とプレーのクオリティーが問われる。
 
前節は膝を痛めてベンチで大事を取った林容平が、今節は「出るなら100%でプレーしたい」と意気込んでおり、前節スタメンの伊佐耕平とどちらが先発するかが気になるところだ。それぞれの特長により前線に入れるボールの質も変わってくる。林は「通らなくても後ろ向きに追ってラインを上げることも必要」とラインの牽引にも細やかに気を配り、伊佐は「ボランチがCBの間に落ちているときに前に蹴られても、孤立している状態ではなかなか収められない」と、フィードを入れるタイミングについて言及している。
 
今節、片野坂監督がどのような戦力起用でどのような戦い方を採用するかはフタを開けてのお楽しみ。指揮官自身、「誰が出ても同じサッカーが出来るように準備してきた」と話すとおり、全体の底上げを進めながら、日々、細やかにオプションを試している。出場メンバーの活躍で、今度こそ必ず、熊本からの記念すべき1勝を挙げたい。

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