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今節の見どころ

出方が読めない徳島に臨機応変に対応できるか。賢くハードに戦って連勝を狙え

 

チームは18日、大銀ドームでJ2第4節を迎える。ホーム連戦となる今節の相手は、同じ2勝1敗で得失点でも並ぶ徳島。5位同士の直接対決となる。14時キックオフ。

 

前節からまた若干名の入れ替えもあるか

 
土日開催が混在する今季初の土曜日開催だ。試合の中日が1日少ないことで、通常は試合翌日に行うクールダウンの日程を設けずオフとして、火曜日から通常のルーティンをスタートした。片野坂知宏監督は「週1ペースで規則正しかった昨季とは全然違うので、いろんなことを考慮してスケジュールや持っていき方を調整しないと、選手が怪我したりコンディションを落としたりゲームの内容が悪くなったりする。神経を使いながらやりたい」と話す。
 
14日には清本拓己の負傷離脱か公式発表された。8日に行われたトレーニングマッチ・長崎戦での競り合いから、右膝前十字靭帯損傷で全治は約8ヶ月。来月初旬に手術を行う予定だという。今季完全移籍加入し、プレシーズンから好調だったドリブラーの受難に、指揮官も「痛い離脱」と頭を抱える。第1節・第2節で途中出場し、こちらも相手も疲れてきた時間帯に得意の足技でかき回していた存在だけに残念だ。しっかり回復してもらうのを待ちながら、清本の離脱により出場機会のめぐってくるメンバーの奮起に期待したい。
 
今週の紅白戦はメンバーを変えて2本行われ、前節から若干名の入れ替えもあった。徳島の特長に合わせることもあるが、オプションとして様々なパターンを準備しておきたい意図とのこと。特に前線3枚の組み合わせは興味深く、それによってはこれまでとはまた異なるコンビネーションも見ることが出来そうだ。紅白戦でボランチを務めた鈴木惇は、前線を使う立場から「出た選手の特長を生かす」と準備。クレバーで几帳面なゲームメーカーが攻撃をどう組み立てていくかも楽しみだ。

出方が読めない徳島の変幻自在ぶり

 
今季からスペイン人のリカルド・ロドリゲス監督が指揮をとる徳島は、メンバーやシステム、出方が読みづらいチームだ。開幕の東京V戦は3-4-2-1で臨み、1-0で勝利。第2節の京都戦は決定力を欠いて0-1で敗れたものの、裏をかくように3-5-2で臨んで相手マークを混乱させ、ほとんどの時間を優位に運んだ。第3節・長崎戦は苦しい時間帯を耐え、後半に4-4-2へとシステムを変更して3-1で逆転勝利。
 
今季就任したばかりの指揮官が、シーズン序盤からこれだけメンバーやシステムを変えながら結果を出していることには、素直に驚きを禁じ得ない。
 
全員がアグレッシブなハードワークを誇るチームで、開幕戦から勢い良く好調ぶりを見せつけた左WBの馬渡和彰や2列目で嫌なところに顔を出し続ける杉本太郎、中盤の底で攻守に重要な役割を果たす岩尾憲、スピードと得点力に長けた渡大生、前節途中出場して1アシスト1ゴールの結果を残した島屋八徳ら、警戒すべき選手は多い。
 
なかでも最もフリーにさせてはならないのが、中盤で出場するカルリーニョスだ。攻撃のバリエーション多く、バランス良くボールを散らしてリズムを作る。後藤優介も「大宮時代から見ていたけど、つねに動き続けている」と警戒するゲームメーカーだ。大分のゲームメーカー鈴木惇は「ボールを持たせて自由を与えると本当に厄介なので、出来るだけ自由にさせないこと。対峙したとき怖がって距離をあけることなく詰めないといけない。そこはゲームを左右するポイントになる」と主導権争いに臨む。
 
ただ、そのカルリーニョスは前節はベンチスタート。1点リードされた後半頭から4-4-2のダブルボランチの一角で出場し、島屋とともに逆転勝利に貢献したが、89分にふたたび不調を訴え井澤惇と交代している。今節、出場するかどうかが気になるところだ。

ピッチに立つ11人の臨機応変な対応力が問われる

 
このように相手の出方が読みづらく、想定外の事態が起きる可能性も高いため、ピッチに立つ11人が臨機応変に判断して対応していく力が問われる。
 
まずは出来るだけ早い段階で相手の形や状態を把握し、それに対してこちらが先手を取れるよう、すぐに対策することが必要だ。「ベースとなるチームコンセプトを守りながら、局面で個の判断を出して守りたい」と、DFリーダー竹内彬。ピッチでのトレーニングで確認した以外の対応を求められることもあるかもしれないが、各ポジションにいる経験豊富なメンバーがリードして、布陣全体が連動するかたちで戦いたい。
 
徳島が3-5-2なら、WBのマッチアップでは特に個で上回ることが必要。松本怜は「個の対応では負ける気がしない」と強気を貫く。好調の馬渡を抑えるのは前節に右WBを務めた松本か、前節はベンチを温めた岩田智輝か。
 
また、相手がアンカーシステムで来るなら、その脇でこちらのシャドーがボールを受けられれば背後に抜けるチャンスも増える。ボールを受けたり動き出したりするタイミングを上手く合わせ、細やかに相手を剥がしていきたい。
 
徳島の出方が読めないのでプレビューも書きづらいが、とにかく見どころは“臨機応変力”。お互いの出方を見ながら、ピッチで、また指揮官の采配で、両チームがどのように変化していくか。そこで上回ったほうが有利な展開を引き寄せる。
 
ホーム連戦を連勝で飾り、次節のアウェイ熊本戦へと勢いをつけたい一戦だ。

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