指揮官の心を打った、フレディ・マーキュリーの孤独。読書はコミュ力・発信力を磨くために
自宅にいることを余儀なくされる中断期間。単身赴任中の片野坂知宏監督も、ひとり部屋で過ごしながら、普段は出来ない自炊をしたり、映画鑑賞や読書にいそしんだりしているという。15日に行われた合同囲み取材の終わりに、指揮官の心を動かしたのはどんな作品かを聞いてみた。
映画について
「最近観た映画はクイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』です。
これ言っていいのかな(ネタバレ配慮)、最後のコンサートのシーンなんかはやっぱりすごいなと思いましたね。それまでの流れもありますし、物語の中でも。
われわれはサッカーでエンターテインメントをやるようにしていますけど、クイーンなんかは歌で観客を魅了して惹きつけ、励みにさせるというところでは共通する部分もあるし。
孤独なんだなあとか、そういうところは見て影響を受けたところもあります。あっ、決して僕が孤独だとは思ってないんですけど(笑)。孤独かもしれないけど、周りに助けられている部分も多いと思うので。
ほかにもまだ観たい映画はあるんですけどね。まずは『ボヘミアン・ラプソディ』が面白かったです」
本について
「いろんな本があるので、何を読もうかなとも考えたんですけど。
自分に足りないものって何かな、とか、今後に生かされるものって何かなと考えたときに、やっぱりコミュニケーションの取り方だとか伝え方だとか。選手との関係、クラブとの関係、スポンサーとの関係。あとはメディアの方々、ファン・サポーターの方々。いろんな方々と話す機会があり、僕が発信することも多いと思うので、それにつながるような本を読むようにして、いま、読んでます」
【取材後記】
自炊での得意料理を問われると少し考えて、これまでは出来合いの焼くだけの餃子しか食べていなかったので、今度はご自身で餃子を手作りしてみたいとのこと。また、いまはいろんな便利なものがあって簡単に多彩な料理が出来ますねと、スーパーマーケットでの視野の広さも披露してくれた。
テレビ会議システム経由での共同取材の最中、指揮官宅の玄関チャイムが鳴るハプニングも。どうやら宅配便か郵便物の配達だったようだが、律儀な指揮官は即座に囲み取材を中座することが出来ず、われわれメディアが「監督どうぞお荷物を受け取ってください!」と声をかけるわずかな間に、もう配達の人は帰ってしまわれた(配達の人ごめんなさい)。
予定時間を大幅に上回ってしまったが最後まで答える姿勢を崩さず、一度は落ちたのに「え、なに?」とまた戻ってきてくださる“アディショナルタイム”も生じさせつつ、1時間以上に及ぶ囲み取材は終了。
仕事が激減しているサッカーライターや、逆にコロナウイルス関連の取材に駆けずり回っている新聞記者やテレビマンたち、さまざまなメディア関係者がひさしぶりに片野坂監督を囲んだ。スポーツ界にとっては切迫した状況で難しい質問も多く出たが、取材現場(?)には終始、誠実で穏やかな空気が流れていた。