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勝利へのカギ

【インタビュー】クラブ初のクラウドファンディングを終えて、プロジェクトチームに聞く

 

新型コロナウイルス禍によりJリーグが苦境に追い込まれ、クラブにとっても厳しい日々が続いている。その中で、企業や地域とともにこの危機を乗り越えたいと、クラブは初のクラウドファンディングに踏み切った。企画を形にするまでにはさまざまな迷いや不安もあった中での決断について、部署の壁を超えて組まれた精鋭プロジェクトチームの4人に話を聞いた。
(参加者:水島伸吾、緑川一徳、吉門恵美、渡邊航平)

なお、彼らからのメッセージやリーグ再開に向けての告知は、公式YouTubeチャンネルで公開中。そちらも是非御覧ください。

——たくさんの支援を得て、トリボードが鳥栖戦のスタンドを飾ることになりましたね。
 
渡邊:おかげさまで、目標額1000万円に対し、支援金額845万1500円が集まりました。1854件、2810体のトリボードがチームを後押ししてくださいます。ありがとうございます。

 

——これまで、苦しい時期に支援金を募ったことはありましたが、クラウドファンディングは初めての試みでした。そこに至った経緯は。
 
水島:新型コロナウイルス禍の影響でJリーグが開催できず、クラブの収入が止まってしまいました。そこで何もしないわけには行かなかったので、クラブとしてまず何が出来るかを模索したときに、やはりクラブ単体でこの自体を乗り越えていくのは難しいと思ったんです。サポーターさま、企業さま、みなさまの力をお借りしながらこの苦境を乗り越えていこうと。そう考えたときに、クラウドファンディングはいちばんシンプルで、本当に困っていることを伝えていくことが出来て、そこに賛同してくださる方々も現れるのではないかという話になりました。
ダンボールサポーターについては、先にアルビレックス新潟さんの企画のほうが発表されてしまいましたが、僕らもかなり早い段階でアイデアを出していたんですよ。営業部の(渡邊)航平が発案して、じゃあそれを形にするためにはどうすればいいかと、部署なんか関係なくみんなで考えた。そこからスタートして、ようやくこうやって世に送り出すことが出来ました。クラブとしてもよかったと思います。
 
——実施するにあたり乗り越えなくてはならないハードルはありましたか。
 
水島:初めての試みだったので、クラブ単体で進めていくのは大変だったと思います。そこでスポチュニティさんに出会い、短期間で献身的にサポートしていただいたことが大きかったですね。あのクラウドファンディングのページを精査して作り込んでスピーディーに打ち出すことが出来たのは、いいパートナーに巡り会えたからだと思っています。

 

——トリボードをスタンドに並べることで、スポンサー名も掲出することが出来ますね。
 
水島:はい。スポンサーさまのためには試合でそのお名前を多くの方々に見ていただくことがいちばんなのですが、試合が開催されず、それが出来ない。その中で、みなさまに賛同していただいてスタンドに並べるボードに企業さまのお名前を掲出することにより、みんなでこの苦境を乗り越えるとともにチームを後押ししたいと考えたんです。
ただ、ボードに印刷するロゴがカラーではなく一色のみなので、まずは企業さまにそれを了承いただかなくてはなりませんでした。でも、このボードに掲出されている企業さまたちは、一色のロゴがない企業さまもあった中で、あの短期間で、みなさんが同じ方向を向いて、OKしてくださったんです。
 
——そして、いざ蓋を開けてみると、たくさんのファンやサポーターの方々とともに、著名人や、いまは違うチームでプレーしている生え抜きの選手たちまでが支援の輪に加わってくださっていました。
 
緑川:本当に驚きましたし、感謝の一言に尽きますね。

 

——クラウドファンディング第2弾企画も進行中とのことですが。
 
吉門:いままでのクラブの歴史の中で、企業さまもそうですし、県民の方々、行政の方々、本当にみなさまに助けていただいてきたチームなので、少しでも恩返ししたいと思っていて、それがいまなのかなと。それで、こうしてみなさまのお力を借りながら、トリニータだけでなく、大分県全体を盛り上げていきたいなという思いで、企画しました。
日頃から協賛いただいているスポンサーさまの商品や大分県の特産品などを返礼品として、コロナ禍で苦しんでいる企業さまにも少しでも恩返しできる形で進めていきます。