【アカデミー通信】大津高校戦に3-0で勝利し暫定7位。巻き返しへ
靏、津守、戸高で3発。守備も粘りを見せる
U-18は13日、大分スポーツ公園だいぎんサッカー・ラグビー場Aコートで、4月の震災の影響で延期となっていた高円宮杯U-18サッカーリーグ2016プレミアリーグWEST 第4節・大津高校戦に臨み、3-0で勝利した。
立ち上がりは互角だったが、大分は黒木樹生の繰り返す勢いある突破で流れを引き寄せると、19分に靏尚基が先制点。続いて34分には津守翔太が追加点を挙げる。野上拓哉の精度の高いキックを起点に、靏と津守の2トップが力強く躍動した前半となった。2-0で折り返した後半は追撃を狙う大津高校に攻め込まれる時間帯が増えたが、粘り強くしのぎつつ61分、戸高航汰が目の覚めるようなミドルシュートをネットに突き刺してダメ押しする。守備では安定したパフォーマンスを見せた守護神・真木晃平とキャプテン・中畑雄太を中心に相手CKをしのぎ、クリーンシートで試合を終えた。
3得点無失点での今季リーグ2勝目は、チームがようやく軌道に乗りはじめたことの表れに思えた。開幕前に負傷者が続出してメンバーが固定できず戦術浸透が遅れたシーズン序盤から、徐々に組織としての骨格が見えてきたようだ。U-17日本代表チェコ遠征で酒井将輝を欠きながらの複数得点にも、1年生DF・三木慎博のボランチでのフル出場にも、チームとしての底上げが感じられる。
“大分魂”を本当の意味で胸に刻めているか
ただ、ここからが大事だ。クラブユースサッカー選手権でも、初戦で強豪・神戸U-18を相手に好ゲームを繰り広げたあとで、2戦目のFC東京U-18戦では気持ちの緩みがプレーに表出したように0-4という不甲斐ない戦いをしてしまった。
試合に関しては冷静に「我慢すべきところでしっかり我慢できた」と分析した中村有監督だが、チームに対しては「ここ数日でサッカー以前の問題が集中的に出てきていた。そういうわけで今日の試合前ミーティングは説教です。モチベーションを上げることは一切言わなかった。試合後も説教です」と厳しい表情。「彼らにいちばん足りないのは献身性。自己犠牲の精神。それが疲れたら走らないとかカバーしないといったプレーに表れている。まだまだ甘い」と、“大分のサッカー”の核となる部分の脆弱さを強く指摘した。
サッカーは組織のスポーツ。いかに高い技術を擁し的確な戦術を準備していても、それを体現するメンタリティーが欠けていては勝利を引き寄せることは出来ない。いま、中村監督以下コーチ陣が選手たちに最も伝えたいのはそのことだ。
8、9月の直接対決は絶対に落とせない
現在、2位・広島ユースと8位の京都U-18、9位・神戸弘陵、7位・大分U-18が1試合未消化。最下位の大津は2試合未消化。6位・名古屋U-18以下の勝ち点差は詰まっており、一試合の勝敗如何で順位が入れ替わる状況だ。
まずは20日に行われる、これも延期となっていた第3節・京都U-18戦の直接対決に勝利しなくてはならない。勝ち点差はわずか1。さらに27日には第10節で首位・C大阪U-18との対戦も控える。大津戦を起点にホーム3連戦で勢いを増し、9月の京都U-18、大津、名古屋U-18とのアウェイでの直接対決につなげたい。
チームがいまプレミアリーグで戦えているのは、先輩たちが昇格を勝ち取ってくれたおかげだ。そのことをあらためて胸に刻み、今度は自分たちの力で、後輩たちのためにも必ず残留を果たしてほしい。