TORITENトリテン

闘う言葉

MF 38 天笠泰輝「怖がらずにもっと自分たちでボールを回さないと」

 

——特に前半は相手との立ち位置の駆け引きで、チームとして難しい戦術を上手くこなせていた。

相手が2枚で来るのと3枚で来るのとにより、どこでボールを落ち着かせてスイッチを入れるかが大事。前半は自分たちがゲームをコントロールできたのではないかと思う。失点は仕方ないところもあるがもったいなく、そこを無失点に抑えなくては勝てない。そういうところをしっかりと突き詰めていけば、この4月も勝点を積めるのではないか。

——相手を見ながら柔軟に対応してということも出来たのか。

まだまだやるべきことはたくさんあるが、前半の1点目はそういう狙いの形から。しっかり可変して伊佐くんがサイドからああいうプレーやアーリークロスを送るのが上手く行った。

——これまで5枚のブロックでWBがピン留めされて上がれなかったが、今日の戦い方の手応えは。

プラスの部分もたくさんあったので、もっと高めていきつつ、そうやって自分たちのウィークポイントをなくしていかなくては勝点3は取れない。引き続きやっていきたい。

——前半、あの戦術の中で天笠選手らしさが今季いちばん出せたのでは。

そうですね。でも本当は僕は落ちるよりももっと真ん中でテンポを作ったほうが、これからはいいのではないかとも思う。それも相手の出方次第でやっていきたい。

——チームとして榊原選手の使い方がわかってきたのでは。

彗悟はダイナミックに行けるので、しっかり前に押し出せるよう僕がサポートできればと思う。

——相手が4枚に変更してきてからも、あの可変システムは続けていたようだが。

上手く行っているときには崩す必要がないと考えていた。上手く行っていないときには変えなくてはならないが、そういうところもゲームを見ながらの判断。もっと90分間通してゲームを見ていきたい。

——次第に流れが相手に傾いていった中で。

後半がはじまって15分は自分たちの時間帯だったが、それを過ぎるとボールを失うことも増え、失点を怖がるようになった。そこでもっとボールを大事にしないと相手のペースになってしまう。もっとコントロールできたかなと思う。

——藤枝戦と同様にアディショナルタイムに追いつかれて勝点1となったが、ピッチの中で何か出来ることはなかったか。

多分、誰が見てもあそこがいまのチームの課題だと思う。守るのではなく、自分たちがボールを保持してそれを大事にして時間を使っていくのがいちばんの改善ポイント。リードしているからこそ怖がらずにもっと自分たちでボールを回さないといけない。リードしているからといって前に蹴っていては相手の時間帯になってしまう。ゲームの中でみんなで統一していければ、改善していけると思う。

——交代で入った選手の中でいちばんボールを収めるのを得意とするのは池田選手だったが、池田選手にボールを預けようという意識がチームとして見えてこなかった。

跳ね返してダイレクトに蹴るのではなく、一個運んで周りを見て、出しどころがなかったら蹴ればいいし、あったらつければいい。ワンタッチだけでなくツータッチ、スリータッチして余裕を持ってプレーすることで、自分たちの時間帯が作れるようになる。

——ああいう展開になったときには特に、ピッチ内にリーダーが欲しいと監督も会見で話していたが、その候補の中で天笠選手の名も挙がっていた。

僕も昨季まで群馬にいた頃から、そこがいちばんの課題だと感じている。それが出来ていないからこういうことになってしまっている。僕がもっとゲームを読んで、キヨくん(清武弘嗣)やノムくんからも学びながら成長していきたい。

——この勝点1をどう捉えるか。

満足していない。むしろ勝点3を取らなくてはならなかった。次までに勝点3を取れるように向上したい。