MF 19 小酒井新大「相手のカウンターのことはつねに頭の中にあった」

 

——タレントのいるショートカウンターが得意なチームに対してアンカーシステム。対峙してみての感触は。

僕はリスク管理のために後ろに残っていてあまり前に出ることはなかったが、ペレとデルランが気にせず攻め上がったりしていたのでちょっと怖い部分もあったが、（藤原）優大と話し合いながらペレとデルランに指示を出して立ち位置を落としたりとコミュニケーションを取っていた。

——ひさしぶりにしっかりボールを握る時間を持った戦い方だった。

ノムくん（野村直輝）と（中川）寛斗くんとの三角形で出来るというのはこれまでの試合でいいイメージを持っていた。ノムくんもポジションを取ってくれるし寛斗くんもいいポジショニングでサポートしてくれるので、本当にやりやすい。これからも、誰と組んでもいい距離感を保てるチームになれればと思う。

——立ち上がりは前に運べたが、途中から相手に流れを持っていかれた。要因は。

ビビらずに相手FWの後ろにポジションを取り、そこに配球してもらえば、相手のボランチが迷う状況も作れるので、そこで上手く使ってもらったり出来る。前半の終盤にも僕が最終ラインに落ちてゲームメイクしたのだが、相手の左シャドーの選手が内側に絞ったときにペレイラが高い位置を取って剥がせるシーンがあったので、相手の立ち位置を見ながら自分が落ちるよう判断していた。

——そうやって相手を見ながら変化するやり方は小酒井選手の中でもう消化できているか。

これまでの試合ではなかなか変化できずに蹴って逃げてしまうことも多かったので、なんとか変化を加えたいと自分の中で思っていた。それには上手く対応してくれるノムくんと寛斗くんありきだと思う。助けてもらっている。ムン（キョンゴン）くんも足元のプレーを得意とするGKなので、ボランチに預けて展開したり解放したりすることが増えた。そういうプレーは相手も嫌がると思うし、そういうところを出さないと相手に運ばれてしまったりもする。これからも続けていきたい。

——後半になると相手が構える時間が増えた。ボールを持ったとき出しどころがない意識と、被カウンターを警戒してじっくり握る意識、どちらの空気が強かったか。

相手のカウンターのことはつねに頭の中にあった。相手の位置を見ながら配球しようと思っていた中で出しどころに迷うところもあったのだが、寛斗くんが上手くボランチの背後を取ってくれていた。それにハーフタイムには無理に挿さなくてもいいとも話していて、自分たちが粘り強くボールを持っていれば相手が出てきてスペースが空いたりもする。そういうところを狙っていた。

——攻撃を得点に繋げるためには。

質を高めることもそうだが、もっと回数を多くすることも大切。1点取れれば複数得点できる流れにも持っていけると思う。最後の質は高めなくてはならない。

——終盤はCBでプレーしたが。

プレシーズンのキャンプのときに、あのときは4バックだったが、少しやったことがあったので、焦らずに対応しようと努めた。焦ってしまうと目の前に強力な相手がいるので負けてしまうと思った。3バックの真ん中は練習でもやったことがなかったのでちょっと怖さもあったが、僕の両脇にもペレイラとデルランという強力な選手がいたので彼らに助けてもらいながら、ビルドアップのときには自分の特長を生かせるように、ビビらずに受けて前に配球しようと考えていた。