FW 93 長沢駿「寛斗のような修正をみんなが出来ればと思う」

 

——お互いにミスの多いゲームになったが、疲労や芝の感触は。

芝の感じは、アップから滑っている人が多かったので、試合前にもいつもより集中して入ろうと声をかけあった。でも滑る選手も多く、ボールも滑るけどサイドでは止まるし、というところでちょっと難しかった。でもそれは相手も同じ条件なので。今日の試合に関しては、最初のうちに、僕と（渡邉）新太が点を取っていれば違った結果になっていたかなと思う。

——今日はトップ下で相手と駆け引きしながらのゲームだったようだが。

相手がマンツーマンでついてくるチームということもわかっていたし、特に前半は簡単にボールを受けられる場面がなかった。ミーティングでもフリーで受けられるタイミングはほぼないと思うと言われていたので、そういうところは警戒していた。ただ、逆に（弓場）将輝とかコサ（小酒井新大）とかが上がってきてくれてプレーしていたのはよかった。でもやっぱり新太の最初のチャンスと僕のクロスからのチャンスを決め切っていればと思う。

——前半途中でだんだん相手が対応してきたあたり、どう考えていたか。

前半に関してはある程度ボールも持てていたし、新太が裏に抜けることが多かったぶん相手も警戒してCBが来ないようにしていたのだが、裏を狙うとかサイドでこね過ぎて狙うとかが多くなったので、もうちょっと思い切ったプレーをしたほうがよかったのかなと思う。取られ方がよくない部分もあった。

——ビハインドになったあと、自分が前に張ってシンプルにクロスから狙うという選択肢もあったと思うが、どういう意図だったのか。

決められたことしかやれなかったのかなと。僕がハーフタイムに新太やコーチ陣に提案したのは、最初は2トップでそのどちらかが引いてもいいんじゃないかなという話をしていた。カタさんもそれは全然いいよと言ってくれたのでそうしようかなと思ったのだが、全体の意識がなかった。（中川）寛斗なんかは前半と戦い方を変えて自由に動いてくれていたので、僕の負担も減ったし楽になった。ああいう修正をみんなが出来ればと思う。途中から右のほうが崩せるのかなという感触があったので、もっと右重心に振って人数をかけて右で作ってもいいのかなと話をしたのだが、なかなか上手くいかなかった。結局、寛斗が右に入ってくれていたけど、他の選手が右に入ってもよかったと思うし、そういう臨機応変さがもうちょっと、試合をやっていく中で欲しかった。

——相手の強力なFW陣の一発は怖かったか。

後ろの選手たちがどう感じていたかはわからないが、前の選手としては押し込んでクリアボールを拾ってまた押し込んでというのを続けていけば、もっと楽な試合が出来たと思うのだが、そこで潰しきれなかったりして、まだまだ反省すべきだと思った。

——PKのシーン。こういう試合の流れだったので勇気が必要だったと思う。

PKになった瞬間に自分が蹴ろうと思ったし、新太もベンチに下がるときにキャプテンマークを渡してくれたので、その責任も背負いながら、チームのためにやることがいちばん大事だと思った。あの場面で蹴るのは俺しかいないかなと思った。

——丹野選手のデータはあったのか。

いや、気分で。どっちに蹴ろうかと思ったが、決まってよかった。そんなに緊張はしなかったが、僕がいちばんほっとしている。追いかける状況だった中でチャンスもあったし、そこで決めきれていればと悔やまれる。