TORITENトリテン

闘う言葉

FW 93 長沢駿「ちゃんと帰ってきたぞというのを示せたと思うけど…」

 

——再契約というかたちでチームに遅れて合流。準備期間が短い中で。

焦りはなかった。カタさん(片野坂知宏監督)がつねに「開幕に合わせてくれればいいから」と言ってくれていたし、開幕まであと1ヶ月くらいしかない中で焦っても良くないなと思っていたのだが、どうしても試合に出たいという気持ちも強かった。多少無理する部分もあったが、コーチたちが寄り添ってくれて、いいコンディションを整えてくれた。感謝している。

——得点シーンを振り返って。

最初に抜け出したときには間に合うかわからなかったのだが、状況的にファーにいればボールは来ると思っていた。あそこからフワッとクロスを上げてくるかグラウンダーのボールが来るか、(薩川)淳貴も選択肢があったと思うが、マイナスのボールで来たほうが合わせやすいだろうなと思い、両方を想定していた。グラウンダーで来たのでちょっと体を倒しながらになったが、上手く合わせることが出来てよかった。淳貴はクロスを上げるのが上手いし、中もちゃんと見えている。(野嶽)惇也もそうだが、僕がいたらクロスを上げてくれる。そこは長くやっていたので、いい部分が出たのかなと思う。

——薩川選手もマイナスとグラウンダーとクロスの3種類を想定していたと話していた。

どちらでも対応できればと思っていた。最初、(渡邉)新太も前にいたので、新太がさわれればいいだろうし、ファーにフワッと上げてくるのかなと思いながら。でも、感覚的に下がった状況でのマイナスはDFが対応できないと思ったのでちょっとそこを緩めて「このへんかな」と。淳貴が僕に合わせてくれたのだと思う。やっぱり彼は中をちゃんと見れていると今日も確信できた。

——SHで入ったがSBらしいクロスだった。

そうですね。空間的にあの部分。やはり彼は長くサイドをやっているしクロスが特長なので、見えているなと思った。

——FWとしてこの1点は大きかったのでは。

ちゃんと帰ってきたぞというのを示せたと思うけど、まだ1試合しか終わってないし、1シーズン通して活躍しないとこの中ではやっていけない。そこを自分に言い聞かせるというか、気を引き締めて、まだまだだぞと思いながらやっていきたい。

——うれしさを押し殺しているように見えるが。

うれしいですけどね。難しいです。むちゃくちゃうれしいけど、勝ちたかったなと。もう1点僕が取ってヒーローになれたら最高だったというのがある。