【記者会見】下平隆宏監督「クラブとしても現場としてもしっかり受け止めなくてはならない現実」

 

まずは、遠く金沢まで来てくださったサポーターに勝点3を届けることが出来ず本当に残念。ゲームに関しては今季の課題が浮き彫りになったようなかたちになった。特に今季は引き分けで終わる試合が多かったが、今日のように、やっともぎ取った勝点1ではなく、途中で勝点3から勝点1に落としてしまっているようなゲームが多い中で、今日のゲームもこういったかたちになった。

90分通してわれわれがゲームを支配して、自分たちのコントロールの中でゲームが進んでいて、先制できて、そのあと軽い失点。追加点も挙げることが出来たが、不用意なカウンター、対応ミスからの失点というかたちで、非常に残念なかたちでの勝点1だった。

われわれがやっていることを信じて選手たちはプレーしているが、結果がついてこず選手たちが可哀想だと思うし、なんといってもファン、サポーターに非常に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

残り1試合になったが、ホームで最終戦をいいかたちで終われるよう、選手たちと1週間、準備していきたい。

——対金沢戦術のところでアンカーのあたりを上手くフリーにすることが出来たシーンもあったのでは。

4-4-2に対してこちらが4-3-3でアンカーを置いた場合、そこがまずキーになって相手が2トップでアンカーを消すのかボランチが出てくるのかというところで、相手のプレスの掛け方を見ながら上手くプレーできていたと思う。基本的には相手は2トップで消しに来ていたと思うが、消しきれずに保田が前向きになったときは好機を作れていた。

——今節、GKをテイシェイラ選手から西川選手に変更した理由は。

トレーニング中の怪我。テイシェイラに関しては安定したパフォーマンスが出せるようになってきてここからリーグ戦残り2試合もチームのゴールを守ってほしいという思いがあったのだが、残念ながら怪我をしたため、今節はそういうかたちになった。

——シーズンを通して主力の怪我が相次ぎ、マネジメントが難しかったのでは。

全体的に怪我はどこのチームも多く出ているとは思うが、うちの場合、特にGKのところは1シーズン安定して守れるGKが不在だったことはチームとしては非常に痛手だった。せっかく調子の上がってきたGKが離脱してしまう、もしくは移籍してしまうという状況が、なかなかチーム状態を上げられない理由のひとつだったと思う。

——昨日、甲府が勝利したことでプレーオフ圏内に入るためには大量得点しなくてはならない状況だった。プランとして影響は。

少なからず影響はあったと思う。大量得点しなくては勝点3を積んだとしても上には行けないので。ただ、いまのわれわれに5点、6点を取る力があるかと言ったら、実際に今日の金沢さんを相手にしたところを見ても、そこまでの力はないと思う。単純に勝ちたい、勝点3を取るだけと、選手にはそう言って、その上でどんどん攻撃的に前に行こうと話をした。

——これでJ1昇格プレーオフ進出の可能性がなくなったが、今季を振り返って。

まずはJ1昇格を目指していた中で、自動昇格が叶わずプレーオフにも入れずというところは、クラブとしても現場としてもしっかり受け止めなくてはならない現実だと思っている。なかなかシーズンを通して安定して戦えなかった部分もあるし、わたし自身のミスもあった。いろんな要因があったと思うが、クラブとしての目標を達成できなかったことには、わたし自身、責任を感じている。

——目標が潰えたかたちで最終戦に臨むことになるが、次節に向けては。

まず、プレーオフの可能性はなくなってしまったがリーグ戦はあと1試合あり、それがホーム最終戦なので、おそらくたくさんの人が来てくれるのではないかと願っている。J1昇格の目標は絶たれた一方で、レゾナックドーム大分来場者1万人という目標は、次も達成できる可能性があるので、順位のことは当然あるが、1万人を呼んで、最終戦をしっかり終わることがまた次のトリニータの未来につながっていくものと考えて、またしっかり準備したい。