TORITENトリテン

闘う言葉

FW 13 伊佐耕平「小さいところでじわじわと自分たちで流れを失ってしまった」

 

——試合を振り返って。

もったいなかった。前半の終盤から少し押し込まれはじめた中で、そのときに僕は後ろに声をかけていた。まったく声も出ていなかったし、なんだかパワーが足りないなというイメージでいたので。それでもなんとか無失点で折り返した。相手が激しく来るのはわかっていたので、こちらも準備していたのだが、ひとつのミスであったりというところで、相手がそれほどプレスに来ていないところでも、自分たちで落ち着きを失ってしまった。落ち着いて一個ビルドアップできれば全然行けたと思うのだが。

——その落ち着きの損ない方は…。

経験値だと、僕はずっと思っている。若くて強い選手たちだが、試合の運び方だったり落ち着きだったりというところは、もっと経験していかなくてはならない。今日、彼らがそれを経験できたことはよかったと僕は思っている。これでまた後ろの選手たちがひとつ成長して、ああいうプレッシャーの中でも狙いどおりプレーできるようになればと思う。

——押し込まれた中でも前半は前線の選手たちがプレスをかけてラインを押し上げていた。次第に出来なくなったのは、やはり頭上を越えられると難しいのか。

それでもちょっとしたボールが落ちるところだったり、そのあとのパス1本が引っかかってしまったり、サイドチェンジがずれてミスになってしまったりといった小さいところでじわじわと自分たちで流れを失ってしまった。そして1点返される前から、もう手がつけられない状態になった。それは11人全員の責任なのだが、後ろの選手はもっと声を出さないといけないし、自信を持たないといけないと、僕は思う。

——2点目のシーン。相手のミスを突いた素晴らしいゴールだった。

あそこはチャンスになるというスカウティングが事前にあったので、(渡邉)新太がクリアしようとした瞬間に「前に蹴れ」と呼んで、こちらに蹴ってもらった。僕たちがボールを握っている中でも、ああいうルーズなボールは、入れればチャンスになる。だから拮抗した試合ではもっとああやって敢えてそういうボールを入れることでゴールも生まれるんじゃないかと思う。