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闘う言葉

【記者会見】下平隆宏監督「こういうゲームを落としてしまうのは甘さがあるということ」

 

非常に厳しい結果になった。前半から自分たちがやりたい形でゲームを進めていた中でしっかり得点して先制できて、そのまま前半を終われればよかったのだが、本当にちょっとした気の緩みのような、前半の失点シーン。まずあれが、このゲームのいちばんのハイライトになってしまったと思う。

相手は当然、この暑い中、同点で後半を迎えられるというメンタルになる。そういうふうに持っていかせてしまったわれわれに、隙があったし甘さがあった。後半もわれわれが追加点を取って突き放していく展開で入れたと思うのだが、ちょっと緩く気の抜けたような失点が2つ続いて、なんとか長沢駿が1点返してくれたが、逆に言えば同点に追いつくチャンスもたくさんあったし、前半からチャンスも多くありながら、なかなか決まらないというところが、本当にいまのチームの現状。

冒頭にも話したように非常に厳しい敗戦だが、いま選手たちとも共有したのは、残り10試合になってここからどう戦っていくか、どういうサッカーをファン、サポーターに見せるのか、あきらめているやつはいないかというところ。わたし自身も全然あきらめるつもりはないし、残り10試合、歯を食いしばってでも選手たちと戦っていきたいと、いまは思っている。

——前半はいい内容で戦えていたが、前半終了間際の失点の要因は。

時計もほぼアディショナルタイム2分が過ぎそうな時間帯で、もっと安全に切っておくべきだった。あれは少しの気の緩みだと思っている。

前半をあの内容で1-0でリードしたままハーフタイムに入るのと、あの失点の仕方をしてハーフタイムを迎えるのとでは当然、相手もわれわれもメンタリティーが違ってくる。「気を取り直して後半になんとか持っていこう」という話をロッカールームでするにはするのだが、やはり相手のほうがああいう形で追いついてというところで、向こうのほうがメンタリティーが上向いたかなと思う。

——後半も相手にボールを持たれたり攻め込まれたりする時間や回数は少なかった中で、立て続けの失点については。

3失点ともだが、ちょっと軽すぎる。今日はペレイラが出場停止でデルランもベンチに置いた。彼らを起用すれば守備が堅くなるところはあるのだが、そうすると今度は攻撃のところがスムーズさに欠けてくるところがある。なので、今日はボールを握り倒して主導権を握り、相手を圧倒して勝つプランで入ろうと、この選手たちのチョイスにした。攻撃のところではだいぶよさを出していたが、守備のところで軽い失点があったので、ここは本当に難しいなと思っている。

——後半途中から立ち位置を変えていたようだが、追撃のプランは。

基本的にはプランは変えておらず、相手が変化したらこちらも選手たちが変化するようにしてある。藤本を入れたタイミングから、相手を見ながら藤本が高い位置を取ったが、相手もそれに合わせて5バックで守ってきた。それでも野嶽惇也と一緒になんとかこじ開けようと工夫が見えた。

——今週は攻撃のフィニッシュ精度を重点的にトレーニングしていたが、手応えは。

まだまだだと思う。チャンスはいっぱいあったのに、枠に飛ばせていないシーンもあった。

——後半戦はかなり苦しんでいるが、前半戦にあって後半戦にないものは。

システムや戦い方というよりは、特に前半戦はチームの一体感や、ロッカールームから出ていくときの熱量にしても本当に凄まじいものがあった。それがいまは、なくなってきているとは思わないが、結果が伴えばそういうものがもっと勢いを増してくるところを、勝ち切れない試合が続いたことの影響なのかと感じている。

——梅崎選手が復帰したが、ベンチに入れた意図と彼への評価は。

まず、すごく悩んだ。プレーでのパフォーマンスはもちろんだが、やはりこういうチーム状況なので、ベンチに入ってチームを鼓舞してもらうというところにも期待してベンチに入れた。まず、試合前の円陣を組んだときにも、すごく彼らしく、前半戦の勝てていた頃のような雰囲気の話をしたり、士気を高めてくれたりした。実際にピッチに入ってからも、短い時間ではあったが彼らしく躍動してプレーしていたと思う。

——ここから残り10試合で、必要になるものは。

こういうゲームを落としてしまうというのは、やはり甘さがあるということだと思う。さきほど野村も選手たちの前で話していたが、ちょっとしたチームのルールを守っていない選手がいたりする、そういう甘さがこうしてゲームで出ているんじゃないかと。わたし自身も含めてスタッフ、選手、トリニータに関わる人たちがもう一度、そういうところを含めて残り10試合を戦っていかなくては、簡単に勝利は転がってこない。残り10試合になってくると、戦い方とか戦術とかいったものとは関係ない部分で勝敗が決まるのがリーグ戦。そういった意味で、どれだけ勝ちにこだわってすべてにおいてやっていくことが大事かと思う。