【記者会見】下平隆宏監督「同数で抑えられてしまったことがいちばんの敗因」

 

上位に踏みとどまっていくためにも絶対に落とせないゲームで、しかもホームでなかなか勝てていない中での敗戦。非常に痛い、大きな敗戦だった。

いわきさんが今季やっていない形でわれわれのところを潰しにくるシステムを採ってきて、フィジカル勝負のようなゲームになってしまった。そこで上回れるストロングな場所はあったのだが、なかなかそこを上手く生かせなかった。前節の熊本戦に近い形でもあったのだが、そこで単純に上回れなかったところ。さらにゲームの流れでは、失点してはいけない時間帯に失点し、相手に流れを渡してしまうようなゲームだった。最後に松尾で一矢報いたが、90分を通してわれわれのゲームにならなかった。難しいゲームだった。

——奇襲を受けたような形だったが、立ち上がりの修正は。

すぐにマンツーマンで前から来ているのはわかった。選手たちも、じゃあどうするかということはたくさん経験してわかっている。今日で言えば後ろは3対3のマッチアップ。あの広大なスペースを3対3の同数で抑えられてしまったことが、いちばんの敗因だった。

いわきさんは本当にリスキーな戦術を取ってきたと思う。前節の熊本戦を見ていれば、あれでわれわれはかなり優位にゲームを進めることが出来ていたので、そういう意味でそういう戦術を取ってきたことには少し驚いた。逆にそのフィジカルで勝てるという勝算があったからだとは思うが、とはいえわれわれもそこで上回ることが出来なくてはならない。当然こうやって戦ってくる相手は他にもいると思うので、そういう相手にも上回れるようにしたい。あとはやはり得点のところ。チャンスがあっただけに。逆にまたセットプレーで失点しているわけで、そういったところでもまだまだ修正しなくてはならないところはたくさんある。

——いわきは局面によって4バックに可変していたようだが。

基本的には3バックで、最後に守るときに4枚になっていた。あとはWBの位置を調整していたので、逆にわれわえれはWBが高い位置を取らないことで相手WBを引き込んで3対3の状況を作れる広大なスペースを作り出そうと考えた。

——後半もなかなか戦況が回復できなかったが。

ボランチの野村にわざと下がった位置を取らせて相手をより来させ、さらに3対3のスペースを広げようという狙いで入った。

——その中でサムエル選手の評価は。

得点は取れていないし、だいぶタイトにマークされる中で上回れたシーンもあれば上回れなかったシーンもあった。サムエルでなければ出来なかったプレーもあったと思っているが、もっとやってほしかったという思いも正直、ある。

——渡邉新太選手の評価を。

評価は難しい。結果、負けているので。ただ、新太自身、怪我が明けてからしっかりここまでコンディションを上げ、スタメンで出て長い時間プレーできたことはポジティブ。マンツーマンの相手に対して新太のところで少しチャンスが生まれかけたシーンもあったと思う。一方で、フィニッシュのシーンで滑ってしまったりと惜しいシーンもたくさんあったので、そういうところももっと上げていかなくてはならない。

——この敗戦をどう捉えて次にどう立て直していくか。

今日のゲームが次のゲームにつながるかと言ったらまたちょっと特殊なゲームだったと思うので、今日のゲームに関してはまた切り替えるしかないが、失った勝点3はいま非常に重くのしかかっているところがある。まずはメンタルをしっかりと回復させること。またそこから切り替えてやっていくしかない。