【記者会見】下平隆宏監督「あれをフィニッシュまで持っていけるようなクオリティーとパワーがあれば」

 

上位対決3連戦の初戦、アウェイに乗り込んで、われわれは勝点3を積み重ねていくしかないという状況の中で、まずは勝点1に終わってしまったことを非常に悔しく思っている。ただ、今日のゲーム内容や展開を考えれば、上手く先制は出来たが、やはり力のある磐田さんの攻撃力はかなり脅威的だったし、どうしてもわれわれが守勢に回る時間が今日はどうしても増えていた。

それでも、1失点はしたものの、GKの西川を含め守備陣が最後のところで体を張って最後のところで集中を切らさずにやってくれたのは、チームとして成長したと思う。最後は磐田サポーターの醸し出すスタジアムの雰囲気に呑まれそうなところもあったが、本当にそこを耐え切ったところは、チームとして成長してきているとポジティブに捉えることの出来る要素だと思っている。

あとは個人のところで、松尾がJ初ゴールを決めたので、彼自身が自信を持ってくれるといいなと期待して見ていた。

——前半と後半の戦い方について。

僕の印象では前半、むしろ磐田さんの守備が、最初はちょっと来るけどすぐにミドルブロックを構えるというところで、ビルドアップに苦労している感じはなかった。ただ、そこから後半に向けて、ビハインドの相手がプレスの強度を高めてきたり、特にボランチを前に出してきた。われわれは0トップでやっているぶん、前にターゲットがおらず逃げ場がないというところで、相手のプレスが少しずつ効いて、剥がしても剥がしても次々と手を焼くようなシーンが増えたと思う。

——前半に相手の左サイド、特に松原選手が高い位置を取ってくる中で粘り強く守りながら背後を突いて先制点を挙げた。起点となった中川選手の判断とシュートした松尾選手の判断について評価を。

立ち上がりからわれわれの右サイドで相手の左サイド、特に松原選手のところは、これは厄介だなと思いながら見ていた。そのサイドがベンチ側だったので、少し守備のやり方などを修正しながらなんとかしのいでいた。当然、松原選手は攻撃力が高いが、チャンスもあるかなというところで、中川と松尾のところで上手くやってくれた。僕らがあそこにポジションを取るとかなり相手のプレスが強まるのでその逆を取るというのはみんなが狙っていたところでもある。上手くあのシーンで逆を取れ、背後を取れて、しかも本人にさきほど確認したのだが、GKが出てきているのが見えたのでちゃんと狙ったと言っていたので、大したもんだなと。本当に素晴らしいゴールだったと思う。

——磐田が後半、強力な選手を次々に投入してくることは予想できていた中で、こちらの後半の戦い方のプランについては。

欲を言えばもうちょっとプレスを剥がしたかった。何度か剥がして一気にチャンスになりそうなシーンが2、3回くらいあったが、ちょっと引っかかってしまったりしていた。あれをフィニッシュまで持っていけるようなクオリティーとパワーがあれば、前がかりになった相手をわれわれがひっくり返して、しっかりと2点目、3点目を取れたと思うのだが、あそこのクオリティーの部分はもう少し頑張らなくてはならない。

——まだ負傷から復帰して日が浅い選手もいる中で、彼らのコンディションについて。

（渡邉）新太は今日は流れをいいほうに変えてくれたとは思うが、もっとコンディションは上がると思う。伊佐に関しても、今日はゲーム的にも難しかったと思うが、守備のタスクと、攻撃のところでも何度かチャンスを作りかけて、伊佐らしいプレーもしてくれていた。伊佐ももうちょっとコンディションは上がると思うが、2人とも今日は復帰した中でよくやってくれていると思いながら見ていた。

——磐田は前回対戦は過密日程の中でもメンバーを変えず、今回はGK以外をターンオーバーしてきた。磐田の印象は。

磐田さんはここ数試合、負けていないというのもあって、われわれはキャンプのときもトレーニングマッチをやらせてもらったのだが、そこからわれわれのホームで対戦したときと、今日の対戦したときとで、やはり今日がいちばん強かったという印象。横内さんのやりたいこともすごく見えてきているので、本当に厄介なチームだなと思って見ていた。われわれは今季はもう対戦はないのだが、おそらく上位に上がってくるだろうと思っているので、プレーオフで当たったりしないように、出来れば自動昇格で逃げたいと考えている（苦笑）。

——首位の町田が勝利して勝点を50に伸ばしたが、どう捉えるか。

離れただけですね（苦笑）。悔しいというか、あまり町田のことというよりもわれわれが…。ハーフタイムに町田の情報は入っていて、あ、負けているな、と。これで僕らが勝てば縮まるなとは、もちろん思っていたが。ただ、そもそも自分たちが勝点3を積めなかったし、町田さんのことをどうこう言っても仕方ないので、自分たちに目を向けてやっていきたい。