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闘う言葉

【記者会見】下平隆宏監督「角からしつこく押し込んでいくということが今日の狙い」

 

まず、チーム事情として怪我人がかなり多く出て、また水曜日の天皇杯ではJFLのチームに負けるというやってはならないような敗戦もあったが、そういう苦しい中で、選手たちが切り替えて今日のゲームに臨んでくれたことに感謝したい。雨にもかかわらずサポーターにたくさん来ていただいて、応援していただき、ともに喜びあえたことを本当にうれしく思う。

ゲームのほうは怪我人の事情もあり、0トップのような形で入ったが、特にサイドからの攻撃をしつこくしつこくトライして、なるべくゲームをコントロールして進めていくということ。あとはしつこくサイドから攻撃することでセットプレーからも得点を狙っていった。残念ながらセットプレーからは得点ならなかったが、かなりの数のCKは得られたので、チームとしてしっかりそれを決め切れるようにしていきたい。ここ最近、チームとしてやろうとしていることを選手たちが90分通してやってくれたことを、すごくうれしく思っている。

——急な怪我人が出て短期間で落とし込んだ0トップだったと思う。狙いは。

今日はダブルボランチが早めにCBからのピックアップに入って、相手ボランチがもしついてくるようであれば、その背中で中川と野村がダブルトップ下のような感じでボールを引き出していく。もしビルドアップが難しければどんどん下りても構わないから、とにかく中盤でボールに触ってほしいと。そしてワイドのところにはよりフリーで、時間とスペースを生み出すようなかたちで運んでいきたいというところだった。サイドにボールが入ってからは徹底的にペナの脇を取りに行く。点を取るCFがいないので角からしつこく押し込んでいくということが今日の狙いであった中で、選手たちが本当によくやってくれた。見ている人は「もっとクロスを入れれば」となかなかじれったかったとは思うが、最後は勝負どころでサムエルを使えればと思っていた。そこも選手がよく表現してくれた。

——0トップからの1トップでターゲットを明確にしたプランについて、もう少し。

最初からサムエルという選択肢もあったのだが、群馬さんはボールを持つのが上手いので、プレスのところで群馬さんに持たれるとなかなか自分たちのボールに出来ない。今日は出来るだけ自分たちがボールを持って進めたかったので、そういった意味で守備が出来るメンバーを選び、サムエルは勝負どころで投入するかたちを採った。ターゲットになっていたし収めてくれていたのでよかったと思う。

——0トップにしたことでサイドの強みがクローズアップされたが、あれだけ多くのCKを獲得しつつなかなか得点できなかったときには。

前半から(セットプレー攻撃担当の)オカ(岡山一成コーチ)を「何本目なんだよ」とつついていた(笑)。チャンスもあったし掻き出されたシーンもあったし、まあ本当は1本でもセットプレーで点を取りたかった。

——上夷選手に求めた役割は。得点シーンのクロスも監督の狙っていたところか。

SBだが攻撃になったら高い位置を取りながら、サイドからの攻撃に厚みを増すというところ。得点シーンは単純に、得点しなくてはならない時間帯になり、サムエルが入ったことでより中のターゲットが出来た。そこに少しシンプルに速いクロスを入れていくというところで、サムエルを越えたところに上手く藤本が入ってきた。いいかたちで1点取れたと思う。それまでの展開も(池田)廉が絡んでボランチからテンポよく前に運べた。廉が入ったことで攻撃のクオリティーがちょっと上がった。最後は藤本が決めたが、途中から入った選手がいい仕事をしてくれた。

——ここまで勝率の悪かったアウェイで結果が出たが、この0トップは今後のオプションになるか。

いや…どうですかね、ちょっとまだわからない。でも、ここまで雨のアウェイでの勝率が本当に悪かったので、今日は本当に勝ててよかった。サポーターのみなさんにも、いつもずぶ濡れで勝点もプレゼントできず帰らせてしまっていたので、今日は勝点3を持って帰ってもらえることがすごくうれしい。

——茂選手のTシャツを着ての選手入場だった。

選手のほうからなにか出来ないかというところで、急遽、クラブが茂のTシャツを作成して着ようということになった。本当にここまで頑張ってきてくれた選手なので、彼が今季抜けてしまうショックが僕にも選手にもあるしサポーターのみなさんにも当然あると思うのだが、茂には早く怪我を治してほしいということと、茂がいなくなったところに代わりに入る選手が頑張って、またチームを引っ張っていけるような存在になってほしいと期待している。