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闘う言葉

【記者会見】下平隆宏監督「選手たちが工夫しながら90分間取り組んだ」

 

ピッチコンディションを含め非常に難しい90分だった。特にこの状況ではわれわれよりも秋田さんのストロングのほうがどうしても出てしまうようなコンディションだったし、前半からかなり劣勢に立たされているシーンが多く、本当に難しいゲームだった。

ただ、選手交代だったり、ハーフタイムを挟んで選手たちが微調整してくれたりしながら、徐々に自分たちにもチャンスが回ってくるようになり、決定機も作れて、本当に惜しいところまで持っていけたのは、選手たちが工夫しながら90分間取り組んだ成果だと思う。

こういう難しいゲームで勝点1を拾えたことはポジティブに捉えたいし、西川のファインセーブもあって5試合ぶりにクリーンシートで終えたこと。そういった意味ではセットプレーが多くあった中でも失点せず勝点1を取れたことを前進できていると捉えて、次のゲームにつなげていきたい。

——前半の途中から藤本選手をトップに上げてシステムを変えた。茂選手を左SHに持って行った点も含めて意図を。

こういうピッチ状況でなければサムエルを頂点に、左に藤本、右に茂と3トップ気味にするつもりだった。秋田さんは同サイドをコンパクトに守備も攻撃もしてくるので、奪ってトランジションする瞬間に3トップがワイドに開いたところにボールを持っていきたいという狙いで準備していた。だが、縦に進むしか出来ないようなピッチ状況だったので、3トップが開いている意味が全くない。それでサムエルを起点に藤本が裏に走るという形の2トップにした。茂を左に持っていったのは、特に相手の攻撃のストロングは右サイド、つまりわれわれの左サイドなので、守備のところも含めたバランスを整えようという意図で配置転換した。

——後半少しずつチャンスが作れるようになった、そのポイントを、選手交代も含めて教えてください。

まず選手交代のところでサムエルに代わって伊佐が入り、クリーンに競り勝ったりは出来ないのだが、ともに潰れて相手にもクリーンにヘディングさせないという仕事をやってくれた。あとはデルランのところでちょっと不安定な守備もあったりしたので、背後の対応も含めて安藤に代え、しっかり跳ね返してもらえるようにした。特にヘディングの部分はかなり安定して跳ね返すことが出来るようになった。それで前と後ろがちょっと安定したことで、少しずつチャンスが回ってくるようになった。あとは宇津元と野嶽が入って、チャンスもあったのだが、宇津元はさきほど、だいぶ悔しそうな顔をしていた。

——野嶽選手を右サイドで使ったのは今日の試合展開からか。

そうです。本来はボランチで考えていたのだが、今日の展開であればセカンドボールを拾ってチャンスがあれば前につないでいくというところで、右サイドに配置した。

——今日はベンチに初メンバー入りの選手も並んだ。対秋田戦術でのチョイスだったのか。

対秋田もあるし、怪我人がいまかなり出ていて、紅白戦をやっと組めるくらいのメンバーしかいないという台所事情もある。ほとんどのメンバーがいま、逆に言えばメンバーに入っているというようなところもある。