TORITENトリテン

闘う言葉

DF 25 安藤智哉「狙われていたのにそこを空けるような守備をしてしまった」

 

——前半、相手の攻撃で想定外だったところもあったのか。

想定外というよりは、縦に速い相手のストロングを出させてしまった。相手はつなぐのも上手い。いつもよりもWGが張っていたのと、1.5列目もいて、なかなかそこを捕まえきれなかった。こちらは後ろでのビルドアップも前進している感じがなく、あれだけ後ろで回していても相手は怖くない。相手は熊本戦と似たような感じで、前線が特に人につく守備をしていた。

——相手を疲労させるためにわざと攻めないのかと思うくらい後ろでポゼッションしていたが、そういう意図は。

それもあった。相手がGKまで来ればフィールドの誰かが空くということを今週もトレーニングで確認した。熊本戦ではそれが出来なかったので重点的にやったのだが…真ん中につけて奪われるシーン、セカンドボールを拾われるシーンが前半は特に多かった。

——ペレイラ選手がチアゴ・アウベス選手に競り負け、保田選手は真ん中のスペースを空けて國分選手に自由にやらせていた。安藤選手からコーチングは。

そうですね。いちばん後ろの自分がコントロールしなくてはならない。攻めているときに、いくら取られ方が悪いと言ってもプラス1で大分のほうが数的優位を作っているはずなので。同数でも守りきれなくてはならないのだが、リスク管理の部分でなかなか相手を捕まえきれず、そこから起点を作られ、チアゴに当てられてペレが1対1になってしまうというシーンが、前半は特にあった。堅心も迷ってしまっていたので、自分がもっとはっきりコーチングしなくては、あれだけカウンターを食らっていてはいけない。後半は自分のマークのところでクリアしきれなかった。

危ないところを逆に空けている感じだった。奪いにいかなくてはならない状況だったが、危ないスペースを相手は狙っていたのに、みすみすそこを空けるような守備をしてしまった。

——奪いきれればよかったのだが。

奪ったらおそらく大分のペースでストロングを出せていたと思う。

——トランジションの間もなくバランスの悪いところを使われて悪循環になっていた。

今日はそこで反応できなかった。攻守の切り替えも大事。

——暑さや疲労によるコンディションへの影響は。

想像以上に暑かったし飲水タイムもなくキツかったが、条件は相手も同じなので、そこは言い訳には出来ない。それを言い訳にしていたらこのさき上でやっていけない。とはいえ今日は不甲斐ないスコアだった。

——4バックに変えてから、変化は。

2CBで相手の1トップの脇に入るというのを後半立ち上がりからやっていたが、出し手と受け手の関係もよくなく、イージーなミスが多かった。

——最後に2トップにしたが、2トップのよさを出せなかった。アバウトに前に放り込む選択肢は。

相手が引いてきていたので。相手のほうがコンパクトにしてセカンドボールをよく拾えていた。たらればになるが1点でも取れたらよかったのだが…。

——連戦ですぐに次節が来るのでメンタル的にも立て直さなくてはならないが。

金沢戦に続いて複数失点した。いちばんはリスク管理。自分も後半、ちょっと軽いプレーが多かった。1対1のところ、球際だったりが課題。

サポーターにもこんな不甲斐ない試合を見せてしまったので…。次節はホームだし切り替えるしかない。これまで先頭に立ってやってきた前線の3枚が、戦術を変えるために前半で交代せざるを得なかったのに。前半から出ていた自分たちが変えたかった。チームを引っ張ってきた選手がピッチを去ったときに、またチームを引っ張る選手が出てこないとチームは活性化しない。

——試合後、ロッカールームの雰囲気は。

最後にキャプテンマークを巻いていたペレが「下を向いている時間はない」と声かけをしてくれた。実際、下を向いている時間はないし、今日は落ち込んでも明日からまた長崎戦に向けてやっていくしかない。