【記者会見】下平隆宏監督「あたたかいサポーターにただ守られているだけではいけない」

 

まず、昨日J2の試合があり、他会場の試合がわれわれに有利な結果になった中での今日のゲームだった。選手たちも相当意識していたと思うし、ファン、サポーター、トリニータを支えてくれる人たちも、今日勝てば首位ということはすごく意識して臨んだと思う。

ただ、結果的に0-1ということで非常に悔しい敗戦だったし、ここで勝っていれば首位が見えてくる状況の中で、もったいなかったし悔しいゲームだった。多くのサポーターも来られて、今日も素晴らしい後押しをしてくれた中での敗戦だったので、サポーターも悔しい思いをしていると思うし、内容も含めてまだまだ課題のあるゲームになったと思う。

——ホーム初黒星で今季初の連敗。チームへの影響は。

正直、チームとしては痛い。観客動員数も8500人は堅いと聞いていたのにフタを開けてみたら8200人で、試合内容と結果とともにそこも残念な結果になってしまった。まだまだ人を呼ばなくてはならないし、その中で結果を出していきたいと思った。

——相手の背後を狙う攻撃が多かったが、チームとしての狙いか。

おそらく水戸さんはわれわれの前節の町田戦を参考にしてくるだろうなというところで、実際に前からプレスをかけてきて、引っ掛けてカウンターを狙っていくことを狙ってきた。それにつきあうのか、相手もハイラインで裏にスペースがあった中でそういうところを狙っていくのか。そこで展開として今日は長いボールを多めに選択することになった。

おそらく町田さんや水戸さんのようなチームに対して、ビルドアップに際してとことん1枚1枚剥がしていくのか、長いボールも織り交ぜながらやっていくのかという戦術的な選択は必要になってくる。当然相手もわれわれを研究してくる中で、われわれが後ろからしっかりビルドアップしていくことをどこのチームもスカウティングしてくると思うので、やはりそこは読まれないように、チームとしてさらにもうひとつ上を行くというところで、そういう選択も必要。そのへんの精度はまだまだ上げていかなくてはならない。

——前半から要所をケアされてインテンシティーも上がらず、得点できる雰囲気がまったくなかったが。

特にコンパクトにされてなかなか中を使った攻撃が難しく、ラインを押し下げたりワイドから攻撃したりというところもなかなか精度が上がらず、なんとなく自分たちのペースにならない、なにか変な雰囲気の前半だったし、後半も自分たちのリズムにならない難しいゲームだった。

——失点シーンについて。

われわれの判断ミス。後ろからプレスがかかっているところで前を向いてしまった。ただ、あのシーン以外にもカウンターを受けたり危ないシーンはあり、最後ギリギリで体を張って守っていたりしていたので、そういう意味では決定機も水戸さんのほうが多かった。

——後半途中から安藤選手を前線に置いた。

まず水戸さんが今日のスタメンでCB2枚を変えてきた中で1枚の足がつり、またサブの選手が出てきた。不慣れなCBが出ている印象があったので、そこに高さとパワーを当てていこうと。1点ビハインドだったし、あれは準備したものではなかったが、長沢と安藤を前に出し、時間はだいぶ早かったがパワープレー気味に押し込んでいこうという狙いがあった。

——相手が守備意識を高めてくることは予想していたと思うが、相手が先発を6人変更してきたことは影響したか。

われわれに影響したというよりは、水戸さんのほうがなかなかチーム状況がよくない中で代わりに出た選手がチャンスをものにしようという感じで頑張っていたのではないかと思う。

——次節からはアウェイ連戦だが、どのように立て直していくか。

まずは明日がオフなので、選手をしっかり休ませて切り替えてやっていくしかないと思うが、連敗ということで多少、メンバーを見直す必要もあるのかなと。またオフ明けにどう考えているかはわからないが、現時点ではそう思っている。チームとしていい準備をしてくれている選手もたくさんいて、連敗を受けて「今度は俺らでしょ」と思っている、出番を待っている選手も当然いると思うので、また見極めていきたい。

——次節に向けて修正していきたい点は。

試合後にロッカールームで選手と話してきたのだが、自分からは「選手たちは一体感を持ってやってくれているし、ベンチ外の選手も、今日ベンチで出番のなかったウメ（梅崎司）と高木駿もそうだが、本当にチームのためにやってくれている。この一体感は保っていこう」と話した。その後に高木駿がみんなに「負けたあとあそこまで本気で応援してくれるファン、サポーターは普通はいないよ」という話をして、本当にそうだと。彼らのためにも連敗のまま終われないので次は勝たなくてはならないと再確認し、あたたかいサポーターにただ守られているだけではいけないと思うので、自分たちはしっかり結果で応えられるよう、次節に向けて準備したい。