【記者会見】下平隆宏監督「町田さんがやりたいことをやられてしまった印象」
まず、町田GIONスタジアムまで大変たくさんの大分のサポーターやサッカーファンに来ていただき感謝いたします。大分サポーターとわれわれにとっては痛い敗戦。首位攻防戦ということで何があっても勝ちたかったゲームだったのだが、勝点を取れずにゲームが終わってしまったことは非常に残念。
前半からセットプレーには特に警戒していた中で、われわれの上を行くようなトリッキーなセットプレーから失点し、少しそのショックがあったのかなという立ち上がりの前半になってしまった。町田さんにとってはすごく勇気の出る得点だったと思うし、われわれにとってはちょっと自信を失うような失点になってしまって、そこが町田さんのプレッシャーをより強めたり、われわれのビルドアップが少し臆病になってしまったりという原因になったのかと思う。そういった中でビルドアップのミスから2失点目。3失点目もカウンターからやられてしまって、町田さんがやりたいことをやられてしまったなという印象になってしまった。
ハーフタイムにシステムとメンバーを変えて、なんとか1点でも返す。あわよくば同点、逆転までというプランで後半に入った。システムを変えたことで少し相手のプレスが弱まったり、ちょっと混乱しているところもあり、少しわれわれが前進して攻撃するシーンも増えた。その中から得点も出来て、さらに追加点も取れればよかったのだが、なかなかそこにまでは至らなかった。
町田さんは非常に強かったし、エリキ選手を含めて個々も特長のある素晴らしい選手もいた。最後まで集中を切らさずに戦っていた。われわれはまた切り替えて、次はホームで出来るので、また次節の水戸戦に向けて、ファン、サポーターとともに頑張っていきたい。
——アクシデントも含めあった中で、準備していなかったことをやったと思うが、修正や柔軟性での収穫は。
あまり自分たちのやり方を変えたくはなかったのだが、さすがに前半は相手のプレスがハマりすぎていて、本当はイジりたくなかったところをイジらざるを得なくなったというか、システムで相手をすかす方法に出てしまったというか、そうしなくてはならない状況だった。これをオプションと捉えるのかどうするかはまた考えたい。
アクシデントの中での選手の対応力は十分にあったと思う。ハーフタイムで5、6分のボード上での落とし込みで、システムを変え立ち位置も含めて、選手たちはすごく柔軟にやってくれたと思う。
——特に2失点までのビルドアップ偏重から、いろいろトライもしたと思うが、この町田戦で現在地が把握できた中で、これをどう次の試合に向けていくか。
まず前々節のいわき戦と前節の山口戦は、前から来る相手をしっかり外しながら前進して攻撃の形を作って3得点できたということが、チームとして自信になって今日に臨んだ。まったく同じメンバーだったし、おそらく町田さんのプレスの中でも行けるのではないかと、僕自身も選手も手応えがあった中でのゲームの入りだったと思う。それが、失点したことで相手に勇気を与えてよりプレッシングが強まり、われわれは少し腰が引けたというか、ちょっと押し込まれるような展開になってしまった。あそこは本当にやりあいだと思うので、相手のプレスを剥がして外してわれわれがビッグチャンスを作っていれば相手も引かざるを得なくなると思うし、相手はそこで引っ掛けて攻撃につなげられれば勇気を持ってそれを続ける。そういったところが相手の2点目につながってしまった。
とはいえ町田さんがやりたいことに乗っかってしまったなという印象も少なからずある。やはり町田さんはプレスが強く、前から引っ掛けてカウンターというチーム。であれば、もっと相手の嫌なところにボールを入れて自分たちがプレスをかけるということもあってよかったかなと思う。ただ、これは選手たちの判断に委ねる部分で僕もそこまで指示をしていなかったので、そういう戦術を選んでもよかったかなといまはちょっと思っているが、ただ、直近2試合で手応えがあったぶん、やり切りたかったということも正直あって、難しいところだった。
——後半のようなことが出来たのは、いろんなオプションを用意しているのか。
完全に即興で全く準備していなかった。中3日でもあるし。システムを変えるためにどうしてもメンバーを代えなくてはならなかったので、ハーフタイムで外した上夷と中川には申し訳なかったのだが、なんとかそれでずらすことが出来て、町田さんにとっては少し嫌な立ち位置になったのかなと思う。選手たちが本当に柔軟に、ボード上の説明だけでやってくれたという印象。
——連戦中にメンバーを代えなかったことで、疲労の影響は。
ゲームの入りは勇気を持ってプレーしていたし相手も嫌がっていて、すごくよかった中での失点が大きかった。おそらくデザインしているであろうトリッキーなセットプレーをやられた。われわれはセットプレーに関してはかなり警戒していて、警戒していた中でやられたので、少し精神的にキツいものが出てしまったのかなと。コンディション面はそれほど大きく影響してはいないと思う。