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闘う言葉

【記者会見】下平隆宏監督「いままで試行錯誤しながらやってきたことが表現できている」

 

まずは平日のナイトゲームに5700人以上。たくさんの人に来ていただいて、目標の1万人には届かなかったが、データを見ていないのでわからないけれども、おそらく他の会場と比べてもいちばんうちが入っていたのではないかと思う(註※アイスタの清水対仙台に次ぐ2位だった)。そのファン、サポーターの応援のおかげで勝利することが出来た。本当にうれしく思う。

得点はどれもいい形だった。1点目はセットプレーだったが、相手の裏をかくような形で得点できたし、次は前半終了間際に相手が前がかりになったところを裏返すような得点。その後、失点した中で、さらに野村がチームを救うような3点目を取って、どの得点も素晴らしかったと思う。

ここからまた連戦で、中3日で次節なので、また選手たちとコンディションを整えて、次の大一番の町田戦に向かっていきたい。

——前節から中3日でスタメン入れ替えなし。あの運動量と強度で主導権を握れた要因は。

まずは平日ながらたくさんのサポーターが来てくれたことが選手たちの体を動かしたのだと思う。あとは、連戦とは言っても中3日あればコンディションは回復して、これくらいのパフォーマンスは出せるのではないかと思っていた。選手たちはよく走ってくれたし、特に前半のプレスからの攻撃はよかった。

——後半はパス回しが流動的になっていたのでは。

おそらく2点を追う相手がさらに前からプレスをかけてくるだろうということは予想して話していた。その中でも勇気を持ってボールを動かしていくというところで、後半は特に相手がマンツーマン気味に人を捕まえに来て、なかなかフリーマンが出来ない状況になったのだが、選手たちはその中でローテーションしたりポジションをずらしたりしながら工夫して前進しようと努力したと思う。

——相手は可変システムで来たが、事前に選手たちに落とし込んでいたのか。

まず前節の栃木戦で、吉岡くんが下がって後ろが5枚になるあの形をやっているのを見ていたので、もしかしたら今節もやってくるかもしれないし、でもSHの吉岡くんをうちの藤本とマッチアップさせるかなと思ったところもあったのだが、実際にフタを開けてみるとそういう形で来たので、スカウティングどおりだった。

山口さんがそう来るのであれば再三、藤本に勝負をさせて、アタッカーの選手が最終ラインで守備をしなくてはならないというミスマッチのところを突いていければという狙いはあった。

——守備の枚数を合わせられたことでフィニッシュ精度に影響は。

最終ラインを5枚並べてきたのはやはり守備を意識してのことだと思うのでそんなに簡単には崩せない。そういった中でも選手たちがいろいろとトライして工夫しているのが見て取れたので、すごく頼もしいなと思いながら見ていた。

——では後半の相手の修正に対しても、選手たちが自発的に対応したのか。その柔軟性の手応えは。

あんなローテーションは指示は出来ない。全部選手たちが工夫してくれた。「あのCBがこれだけ出てくるんだったら俺が落ちるからお前が中に入れ」といったふうに、いろんなことをピッチの中でやっていた。素晴らしいと思う。いままで試行錯誤しながらやってきたことがしっかり表現できていると思う。とにかく中でしっかり喋っていこうということを、つねにベンチでもロッカールームでも話していて、自分たちでしっかり工夫していこうということにトライしてくれている。すごく頼もしい。それが2試合連続3得点にもつながっていると思う。

——なかなか点が取れなかった中でセットプレーで先制した。セットプレーはカギだったか。

おっしゃるとおり、今日はなかなか流れの中から点が取れないなと思っていたので、こういうゲームになったら最初はセットプレーかなと思っていて、本当にそれがいい形で来た。チームを助けるセットプレーの得点だった。

——失点については。

隙を突かれたような失点。ただ、前からハイテンションでハイプレスをかけていくぶん後ろも疲弊してくるし、ちょっとした隙を与えるとやはりああいうところで失点してしまう。野村の3点目がなければ危ないゲームになりかねない失点だったと思うので、チームとして十分そこは課題として反省し、修正しなくてはならない。選手も疲労していると思うので、コンディションもしっかり整えていこうと思っている。

——90分間、選手がずっとエンジンがかかりっぱなしだったようだが。

特に1トップ2シャドーの伊佐、野村、中川のところはスタートからずっとプレスをかけてくれて、それに後ろがしっかりついていくような形でプレスをかけ、本当にハイテンションでプレーしてくれた。やはりこういう流れでやってくれると、しんどそうだなとは思うが、観てくれている人たちの心を動かすようなゲームが出来たのではないかと思う。

——ロストしてからの奪い返しの速さはどのように強調して落とし込んだのか。

チーム立ち上げのときに、伊佐が「世界一切り替えの早いチームを作りたい」と言ったことが最初のきっかけで、トランジションを早くしていこうというのはつねに言ってきたことなのだが、よりそれを選手たちが自発的にやってくれた。いわき戦もすごくよかったのだが、今日のゲームはそのいわき戦を上回るトランジションで行こうと話した中で、それを選手たちが実行してくれた。トランジションがかなり早くなって、相手にとっては嫌なのではないかと思っている。

——ホーム5連勝。強さの秘密は。

そもそもレゾナックドームに1万人呼ぼうというところからはじまって、今日もたくさんの方が来てくれたが、当初のチケット販売数は4000枚ほどだったところ、当日券でかなり入っていただいた。中から自分たちが発信して集客を呼びかけたことで、僕もそうだが、「呼んだからには結果を出さなくては」と強く思うし、自分で言うのもなんなのだが、こういう効果があるんだなと、あらためて感じている。スタジアムに来て自分たちのゲームを見てもらっただけではなくて、呼んで、さらにいいゲームをして勝って、また次のゲームに来てもらうというサイクルを、選手たちもすごく意識してくれて、それがこのホームでの強さにつながっているのかなと思う。

——町田が引き分けたので単独首位に立ったが。

首位になったというよりはJ1昇格が最終的な目標。次は町田も、ここ2試合で負け、引き分けと来ているので気合を入れてくると思う。前半戦の大きなゲームになる。首位攻防になるが、町田に勝つことだけを考えて、中3日で選手たちといい準備をして、次の大一番を勝ちたい。アウェイでの試合だが、トリニータのサポーターは関東にもかなりいるので、是非、町田に集まっていただいて応援していただければ心強い。よろしくお願いします。

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