FW 13 伊佐耕平「メンバー外で悔しい思いをしていた選手のためにも結果が出てよかった」
——みんなが待っていたゴールだったのでは。
そうですね。僕じゃなくて周りが待っていてくれた。個人的にももちろんうれしいが、チームとして1トップで出ている僕が得点に絡めたということが、大きいのかなと思っている。
——最近、シュートを打つ機会が増えていたが。
より真ん中でプレーするようにしたのと、今日は(中川)寛斗が前を向いて僕をよく見てくれていたので、そういうチャンスが多かったのかなと思う。
——得点の前の1対1は決め損なったが、その後すぐの得点だった。
あまり覚えていないのだが、コースを見るというよりも思い切り打った。その思い切りよく打った感覚が多少残っていたので、得点場面で足を思い切り振れた。あの1対1がなければ、思い切り足を振れていなかったと思う。
——伊佐選手の体幹の強さが出た得点だった。
あまりゴールは見えていなかった。体を入れた時点で相手が届かないところにボールがあったので、相手もそんなに見えていなかった。
——ガッツポーズのときの思いは。
メンバー外になった選手が悔しい思いをしていたのを知っていたので、そういう選手のためにも結果が出てよかったと思う。
——1点目の折り返しの場面。野村選手から入ってきた浮き球はどのように見えていたか。
最初に頭の上をボールが越えたときに、ノムのほうにボールが行って、ノムからだったらイメージどおりのボールが来るような予感がいつもするので、切らさずにいい準備が出来ていた。思ったとおりにボールが飛んできた。ノムがどこを狙うかというのは、感覚的にある。
——茂選手に向かって折り返したのか。また、そのシュートを見て。
はい。ああいう場面では僕はあまり自分でシュートを打たない。折り返したほうが相手も多分嫌なので。僕としては茂には一発目で決めてほしかったのだが、ちょっと危ないなと思った。
——初得点後、チームへの貢献は。
これまでと変わらず自分の役割があるので、誰が点を取っても試合に勝てばいいというスタンスでプレーしつつ、チームにとっては僕のポジションで点を取ることがいい形だと思うので、そういう形も試合を重ねながら増やしていきたい。
——これまでなかなか得点しなかったのは、やはり守備や組み立ての負担などが影響していたのか。
もちろん、守備にパワーを使っているので攻撃に100%の体力が残っているかと言われたらそういうわけではない。でもボールを奪えたときはチャンスになるので。
——得点したことで今後自分の中で変わる部分は。監督は「ほっとしたのではないか」と言っていたが。
全然ほっとしていない。僕が無得点でもJ1昇格できるならそれでいい。僕はチームの結果主義なので、誰が取っても構わない。監督は何試合か前から、僕に点を取ってほしそうにしていたが。監督は昨季から、僕にはあまりプレッシャーをかけない。呉屋とかには結構プレッシャーをかけていたのに。でも「取らせてあげたいなー」とボソッと言われたので、「でも僕はそれほど取りたいと思ってないですけどねー」と返事をした。まあ、僕のポジションの選手が点を取ることが、監督としては大事なのではないかと思う。でも、みんなが喜んでくれるので今後も取りたい。
——守備では最終ラインくらいまで戻ることがある。
感覚的には「守備のいちばん最初と攻撃のいちばん最後」という感じ。
——伊佐選手がベンチに下がったあとの守備が課題になっているのでは。
うーん…今日は僕が代わる前から流れがちょっと悪かったので、あの場面で仮に僕が途中から出たとしてもあの流れを変えるのは結構難しいかなというイメージだった。(町田)也真人さんと(長沢)駿さんにも「結構難しいです」という言葉をかけて交代した。
——終盤に押し込まれたり失点したりするところについては。
でも防げたと思うので、しっかりゴール前を固めていればそう簡単にはやられない。今日のような展開でも守れれば大丈夫。
——今週は攻撃のトレーニングをしていたが、試合の中で手応えは。
何回か深い位置を取ってサイドからクロスを上げる場面もあったので、そういうところはよかったと思う。
——今週は4日間すべてミーティングを行ったそうだが、チームとして変化は。
そんなには…ミーティング多いなと思いました(笑)。僕はもともとふわっとしているタイプではないので、僕はやってるけどなーと思いながら聞いていた(笑)。ミーティングというよりは、前節まずい負け方をしたので、全員が危機感を持ってやっていたのは間違いないと思う。
——ミーティングの内容も戦術面とメンタル面の両方があったと思うが。
大宮戦の失点は自分たちの隙から生まれたので、ああいうのは戦術どうこうではなく、集中力の問題。攻撃に関しては戦術的なミーティングをしたが、守備に関してはそれまでいい守備が出来ていたので、あとは隙を作らないということを少し厳しめに言われたくらいだった。