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闘う言葉

【記者会見】下平隆宏監督「昇格を目指すチームとしては絶対に連敗は出来なかった」

 

前節、大宮で本当に悔しい敗戦をして、そこから1週間、選手たちは悔しさを糧に取り組んできた。また、大宮戦の日のサポーターの声援による後押しには、今日のゲームに向けてもパワーをもらえたと思っている。われわれには本当に心強いサポーターがついていると再認識して、なんとか勝利することが出来たと思う。

磐田さんは中2日で多少しんどいところがあったと思うが、われわれが取り組んできたハイプレスのところ、切り替えのところ、しっかり攻撃に持っていくところが、今日は出来ていた部分も多かったと思う。ただ、最後に失点したり、まだまだ課題を突き詰める部分はたくさんある。そういうところはしっかり修正しながら今後もやっていきたい。

あとは、FWの伊佐について。ここまでチームをしっかり引っ張ってきて、献身的な守備でチームを助けてきた彼に、やっとゴールが生まれたのも、個人的に本当にうれしく思っている。

——今週は攻撃面を整理して臨んだと思うが、そのトレーニングの手応えは。

ビルドアップもそうだが、成功回数はちょっと少なかったものの、やろうとしていた形は作りかけていたので、少しずつだが進歩があったと思っている。ポジショニングや立ち位置もあるのだが、そもそもの問題としてパスがずれていたり、前を向きたいのに前を向けるほうの足につけていなかったり、受ける側もコントロールが浮いたりといった、戦術や立ち位置ではないミスがあるので、そのへんはまだまだ日々、意識させてやっていかなくてはならない。

——後半の入り、少し相手にボールを動かされるようになった時間帯をどう見ていたか。

ひとつは、後半から相手がプレスをちょっと強めてきた中で、自分たちがボールを持つ時間が少なかった。ベンチからは「もっとしっかりつなげ。つなげるから」と指示は出していた。2トップやSHが寄せてきたりしても意外と中盤のボランチ周りにはスペースがあった中で、そういうスペースを見つけられずに安易に長いボールに頼ってしまい、相手にボールを渡して握られてしまったというところがあると思う。

そもそもボールをしっかり持つというところで、途中からは少しボランチのところにボールが入るようになった。あそこを早く自分たちでジャッジしてやれたかなと。守備がハマらなかったというよりは、自分たちがボールをしっかり持てなかったというのが、あの時間帯だと思う。

——今節の得点について。

1点目はセットプレーからの流れから。2点目は流れからいい形の得点。その前にも伊佐の決定的なチャンスがあり、本当はああいうのも決まっていればよかったのだが、そのあとに伊佐が取ってくれたのがめちゃくちゃうれしかった。

——終了間際の失点と、そこから流れを持っていかれたことについては。

あの時間帯、交代のところをどうしようかなと。ちょっと疲労してきた選手を代えて、より盤石に2-0で終わりたいなという思いがあったのだが、交代直後に失点してしまったので、あそこは僕の采配もそうだし、代わりに入った選手ももっとアラートになったり、ゲームにすんなり入れなくてはならなかった。ただ、今日は相手のセットプレーがかなり多く、相手には遠藤選手といういいキッカーがいて脅威だったのだが、それを防ぎ続けてセットプレーから失点せずに終われたところは、今日は評価できると思っている。

——連敗が許されない状況だった中で、今節の勝利は。

おっしゃるとおり、昇格を目指すチームとしてはここで絶対に連敗は出来なかった。また、相手が磐田さんという強いチームでもあったところで、磐田さんの前節の栃木戦を見たときに「相当やるな」と、かなり難しいゲームになるだろうと予想していた。日程的なところでも多少助かったところもあったかもしれないが、そういった強い相手に対して連敗せずにしっかり勝ちきれた。

あとは今日も入場者数1万人を超えてくれたことがうれしい。そういったたくさんの人が来てくれた中で、最後に一緒に勝利の雰囲気を味わえたことは、次につながると本当にうれしく思う。

——伊佐選手について。FWの選手が点を取ることがチームにもたらす影響は。

本当にめちゃくちゃうれしいし、チームとしても、伊佐がいつも、まずあれだけチームを盛り上げる、引っ張る、守備で献身的な仕事をしてくれるという中で、得点まで求めるのは少し酷かなというところがあるくらい、本当にハードワークしてくれる。そういった中で2回チャンスが来て、1回はしっかり決めることが出来たことがすごくうれしい。チームとしても伊佐が得点してくれるとさらに盛り上がる。伊佐本人もやっと得点できてほっとしているのではないかと思う。

——西川選手の評価を。大宮戦の3失点からの切り替えについては。

非常に落ち着いてプレーしている。弱冠20歳だが、こうしてゲームを重ねていくことでどんどん自信をつけている。攻撃のところでも、まだ少し判断ミスなどはあるが、果敢にビルドアップに関わったりとチャレンジしている姿は、まだまだ成長していく選手かと思っている。

大宮戦でのオフサイドかどうかというところでの1失点目、自分の弾く場所がよくなかったということは彼も十分に反省していたし、そういったところを今日はしっかり切り替えてゲームに入っていると思う。そういうメンタルの強さも兼ね備えた選手。

——今日は少し先発メンバーを変更していた。チームの底上げや、まだ試合に絡んでいない選手については。

試合後に選手たちにも話したのだが、今日の勝利は、もちろん今日出たメンバーとベンチに入っているメンバーの18人が勝ち取ったものだが、ここまで1週間トレーニングしてきて、今日たまたまメンバーに入らなかった選手たちもいて、彼らの力も絶対にあると。

当然、そういう選手たちが試合に絡んでくることにもなるし、メンバーを外れて悔しい思いをしている選手はたくさんいるので、彼らが、明日もトレーニングマッチがあるが、そういうところでしっかりプレーして、次は連戦もあるし、誰が出てもいいような底上げをしていきながら進めていきたいと考えている。

——前回のホームゲームは入場者数1万人を超えられなかった。今節の目標達成については。

今日は県民デーで招待のぶんも多少あったのだが、それでも選手を含めわれわれ現場の人間としては、今日のようにたくさんの方に来ていただいて、こういう雰囲気でゲームが出来るのは本当に最高。メイン側の上段席まで人が入っていたり、ゴール裏もかなり埋まって声援が伝わってくるスタジアムの雰囲気は、1万人を超えると本当に変わる。ピッチレベルにいると、1万人を下回っているときと超えているときの雰囲気の違いが本当に感じられる。なので今日来ていただいた方々に本当に感謝しているし、なんとか今日勝つことが出来たので、また次も是非来てくださいとお願いしたい。

——試合前にもスタンドを見上げていたが。

事前に1万人を超えそうだということは少し聞いていたので、ああかなり入っているなといろいろ見ていた。本当にいい雰囲気で、選手たちもモチベーションが数%は上がるので、相乗効果というか、われわれが力をもらって力を出して結果を出すといういいサイクルが出来ているのかなと思う。

——そういったサポーターの応援がここまでホーム全勝につながっているのか。

間違いなくホームの力がある。対戦相手としてもこういう雰囲気の中に乗り込んでくるのはやりづらいと思う。

——今後も入場者数1万人超を達成し続けていくためには。

もちろんわれわれが結果を出すことがいちばんだと思っているが、それとともに、来ていただいた方に「来てよかったな」と思えるような空間をもっともっと作っていきたい。サッカー以外の部分でもそうだし、コアなサポーターやいつも来てくださっている方はもちろん、「今日行こうかなどうしようかな」と迷っていたりちょっとサッカーに興味があるから行ってみようかなと思うような一般の方々に、いかに来ていただけるか。

今日こうしてサポーターが一所懸命に応援してくれている姿は、すごくきれいに見える。そういうものを見て、来てみたいなと思うこともあると思うので、われわれはピッチで、ファンやサポーターの方々にはゴール裏で表現していただいて、相乗効果を生みながら、それを見てまたファンが増えていけば最高だなと思う。

——コーチングスタッフもSNSを上手く使っている印象だが。

情報が閉ざされた状態よりもなるべくトリニータを知ってもらったり興味を持ってもらったりして「ちょっと行ってみようかな」という気になってもらえるためには、SNSなどは活用するべきかと思う。選手たちもしっかり発信してくれている。勝っているときは発信しやすく、負けたときは発信しづらいのだが、頑張って続けていきたい。