TORITENトリテン

闘う言葉

FW 29 宇津元伸弥「ストライカー気質は忘れていなかった。昨季の悔しさをぶつけたい」

 

——キャンプのときに少しコンディション不良で出遅れたが、いまは好調そうに見える。

そうですね。急いでコンディションを上げたと言ったら変だが、あそこから順調に上がっていった。それがよかった。シーズンオフのあいだにかなり走り方などでトレーニングを積んで、その成果が今季は出ているのかなと思う。

——交代でピッチに入るときにはどういう指示が出ていたか。

とりあえず起点になれとは言われていた。起点になることとゴールを奪えということを言われていたので、それを意識しながら試合に入った。途中出場のときはチームの流れを壊さないよう、また雰囲気を上げるように意識している。自分の献身的な前からのプレスを続けていけば後ろもついてくるので、それを意識していた。今日は開幕戦ということもあって自分がピッチに入るときにはみんな疲れていた状態だったので、後ろの選手の疲れを見ながら行くところと行かないところを判断していたが、ノムくん(野村直輝)が交代して全員がフレッシュな状態になってからはどんどん行くようにした。

——決勝点のシーンを振り返って。

実はCKを蹴る瞬間にボールが来そうだなと思ってあそこに立っていて、相手のマークもついていなくてフリーの状態で入れたのだが、デルランがヒールパスを出したときにも来るなと思った。なのですごく冷静に蹴ることが出来た。ゴールが近くピッチが少しスリッピーでバウンドして難しかったのだが、ちょっと体を倒しながらボールをしっかり押さえようと思って蹴った。右隅を狙おうと思ったのが上手く行った。練習の成果。デルランは多分僕を見ていなくてゴールを狙ったと思うのだが、それが上手く自分のところに転がってきた。

——昨季はサイドのエリアでプレーすることが多かったが、今季はど真ん中の1トップ。プロ1年目はもどかしいシーズンだったと思うが、今季は。

昨季はいろんなポジションをやった中で葛藤やもどかしさがあったのだが、今季はシモさん(下平隆宏監督)から1トップで使うと言われていたので、1トップとしての仕事を全うしようとストレートな気持ちで入れている。得点を決めて、ストライカーとしての気質は忘れていなかったと思った。逆に昨季の悔しさを今季ぶつけたいと思っている。自分としてもFWとしての仕事がいちばんのストロングポイントで、自信があるのでやっていても楽しい。今季はFWとして活躍できるようにしたい。今季はコンディションもよく、開幕にいい状態で入れた。

——ポジション争いも踏まえ、今季のサッカーで自ら最もアピールしたいFWらしさはどういうところか。

チームとしてハイプレスを重要視していてFWは守備のスイッチ役が大事になるので、守備の強度をもっと上げる部分を自分の中で強めていかないといけないと考えている。

——大学での実績をこれでようやくプロとしても繋げられる自信が出てきたのでは。

そうですね。大学での得点王やアシスト王という記録は、プロになる時点で過去の記録は超えられないと覚悟していたが、今季は2桁得点を目標としている。開幕戦でJ初ゴールが取れて、あと41試合あり、まだまだ得点チャンスはあるのでしっかり達成したい。