【記者会見】下平隆宏監督「このチームに思いがある選手、勝たせたいと本気で思える選手がピッチに立つべき」

 

アディショナルタイムで最後に追加点を挙げて、なんとか2-1で勝てたことをうれしく思う。他会場の結果も含め、またここ2試合で引き分けていることも含めて、何が何でも勝点3を取らなくてはならないという状況の中で、先制はしたものの追いつかれてしまって、その後もなかなか自分たちのいい形が作れず苦しいゲーム展開だった。最後は本当に気持ちだけで、みんなが「絶対に勝ちたい」「勝点3を取りたい」という気持ちが前面に出て、この苦しいゲームをものに出来たと思う。今日は1万人以上のファン、サポーターの方が来られてスタジアムの雰囲気が最高だったし、長沢が点を取った瞬間は、僕の監督経験の中でも本当に心に残る場面だった。本当に大きな一勝だったと思う。

——立ち上がりからポジションの取り合いになったが、相手のほうがボールを握る時間が増えた要因は。

まず、甲府さんの立ち位置が非常によくて、われわれが用意したプレスがあまりハマらなかったというのもあるし、逆に予想していた相手のプレッシャーの掛け方がちょっと変わっていて、われわれがボールを持つ時間も少なくなった。そういったところでボールの握り合いでは甲府さんのほうに分があったのかなと思う。

——今後に勢いがつくような勝ち方だったのでは。

前半戦は逆にいいゲームをしながら結果が出なかった試合も多かったし、こういう苦しいゲームを最後にこういう形で仕留めて勝ちきれたことは、チームにとって大きな自信になる。まさしく勢いのつくような勝利だったと思う。この勢いを残り4試合、プラス3試合につなげていきたい。

——選手層が厚くなっていることについて。

途中で交代した選手がパワーを出せるので、今日も相手に流れが傾きかけたタイミングで、長沢や金崎を出したり、また次には野村や（増山）朝陽を出せるというのは、選手層が厚く切れるカードが多いので、監督としてはありがたい。選手はポジション争いが大変だと思うし、その中でモチベーションを保つのはすごく難しいと思うが、みんな本当にいいモチベーションでそれぞれにいい準備をしてくれている。それがこうやっていい結果につながったのかなと思う。

残りも痺れる試合が続くと思うが、選手層の厚さはアドバンテージになってくる。チーム力というところで考えると、今日勝ったからといってメンバーを固定するつもりはないし、このチームに思いがある選手、勝たせたいと本気で思える選手がピッチに立つべきだと思っている。また1週間競争しながら次の準備をして、4プラス3に向かっていければと思う。

——長沢選手をピッチに送り出すときどういう指示をしたか。

サムエルのところであまり守備のプレッシャーがかからなかったり、今日はちょっと収まりもよくなかったので、まずは守備のタスクとしてプレスをかけるところと、攻撃のところではチャンスが来るから最後に仕留めてくれと言って送り出した。

——次節から上位直接対決が続くが、そこに向けて。

多分、次の長崎戦と横浜FC戦がJ1昇格争いに大きく関わってくる2試合だと思っている。本当にこの2試合はいい準備をしなくてはならない。逆にここをしっかり勝ち切っていければ、プレーオフに向けてもいい弾みになると思う。まずは次の長崎戦に向けて準備したい。