【記者会見】下平隆宏監督「戦術というよりはトランジションの強度に持っていかれた」

 

まずはNACK5スタジアムの雰囲気が素晴らしく、声出し応援が可といういことで、両者のサポーターが本当に素晴らしい応援をしてくれたと思う。そんな最高の雰囲気の中でのゲームだった。

大宮さんは立ち上がりに得点する確率が高いということで、最初の5分10分で勢いを出してくるということは予想していたのだが、それでも失点してしまったことが非常に悔しい。ただ、失点した中からしっかりとCKで取り返して、さらに追加点も取ることが出来た。いい流れで行けていたのだが、追いつかれてしまった。

とはいえアウェイの地で難しい試合になることは予想していた中で、勝点1。中3日という体力的にも厳しい条件で、選手たちは最後までよく戦ってくれたと思う。またすぐに次の金沢戦が来るので、全員でしっかり準備したい。

——中3日だったが前節と同じスタメンだった理由は。

連勝しているのでその流れを継続するため。

——ゲームプランとしては思いどおりだったのか。

最初に失点したのでプランどおりではない。立ち上がりの失点は警戒していた。セットプレーとはいえ、そこまで持っていかれるシーンを作られた。大宮さんはゲームの入りがいいということはわかっていて、選手にも口酸っぱく言ってあったので、選手たちも非常に悔しいのではないかと思う。ゲームプランとしてはそのあとでしっかり逆転できて、そこから自分たちのペースで進められるようになったのだが、やはり大宮さんはトランジションが早いし、球際のところで後手に回るシーンがすごく多くなった。（弓場）将輝も肩を痛めていて万全のコンディションではなかった。

——前節と基本的に同じような戦い方だったと思うが、今節のほうが相手の守備が強度高く切り替えも早かった。その中で戦術的な練度の高まりについては。

攻撃のところの立ち位置は少し可変しながらだったが、システムよりはトランジションの強度に持っていかれた。いつもだったら奪えているところが奪えなかったり、そういうところで単純に上回られた。立ち位置や戦術とかというよりは、相馬監督がそういうところは強く要求しているのだろうなというところが窺えるようなゲーム展開だった。

——相手にアンカー脇を使われる中で、後半は固定の2トップにした。後半に向けての狙いは。

呉屋を入れたことで1トップから2トップにした。梅崎をトップ下に置いているのは相手のボランチがスライドしづらいようにというメリットもあるのだが、そこがあまり前半はメリットとして発揮できていなかった。相手のボランチはかなり機動力があり、スカウティングもしっかりされていたので、それなら前線にかけようかなというところで考えた。

だが、全体的に相手の守備の強度も前節の仙台戦より高かったし、奪ってからのカウンターを狙っているのだなと感じていた。あそこで自分たちが奪い返して攻撃を作っていけるのかカウンターを食らうのかでゲームの流れが決まるし、ゲーム中の疲弊度にも関わってくるので、リスク管理も含めたトランジションのところはトレーニングもしているし話もしている。ただ単純にファーストタッチのときに相手の速さにやられてしまう。頭では理解しているしバランスも取れていると思うのだが、その部分で上回られた印象だった。

——勝点1という結果をどう捉えるか。

本来であれば勝点3を取らなくてはならなかった。われわれが厳しいところにいることはわかっているので、当然勝点3が欲しかったが、アウェイでこの日程であることも考慮すれば、またこの勝点1を次につなげたいと思う。