TORITENトリテン

闘う言葉

MF 23 中川寛斗「11人のひとりひとりが理解し整理して試合に臨めている」

 

——得点シーンを振り返って。

うちにはターゲットとなる選手がいるので、自分がDFならサムエルのマークにつく。だから自分は裏を狙うということを、練習からつねに意識している。(増山)朝陽が狙ったかどうかは僕にはわからない。

——2戦連続1-0で勝利。今後につながる結果なのでは。

相手がどうこうとか順位がどうこうというよりは、今日の試合に集中した。それが1-0での勝利につながった。1-0で勝てるのはいちばん強いチームだと思う。攻撃がハマったあと、しのいでしのいで、それでも結果がついてくる。これは絶対に次につながる。課題を挙げるとしたら、今日はもっと点を取るチャンスがあったことと、もっと自分たちがビルドアップする時間帯を作れたのではないかということ。2試合連続での1-0勝利は、いいサイクルになっている流れが来ているのかなと。それを大事にしながらやっていきたい。

——とりたてて特別なことをやっているわけではなく、全員が自分のタスクをきっちりやっている印象を受けた。

秋田戦をクローズアップすると、ピッチに立っている選手は責任を持ってプレーしていたし、特別すごい選手がスタメンで出ているというわけではない。いまスタメンに並んでいる選手は、監督、スタッフ、チームが重んじるタスクを全うできる選手。それが一体感に変わっていて、途中から出る選手は個人技を駆使したりしながらチームに流れを引き込める選手が並んでいる。いま勝っている要因はそこに尽きるかなと思う。

僕らも紅白戦をやっていて、相手チームのメンバーを見て「これで1チーム出来るじゃん」「これがJ2のトップクラスとして遜色ないな」と思う。ただ、僕らいま選ばれている11人が何故出来ているかというと、11人のひとりひとりが理解して整理して試合に臨めているから、点が取れたりしっかり守れたりしている。だからそこは勘違いせず慢心せずにやっていくことが大事。

——チーム状況がコロナ感染などでバタバタした中で、代わりに出た選手が活躍して無失点で2連勝。次につながる結果では。

コロナでメンバーが急に変わったことに対するストレスは、スタッフ陣がどう思っているかはわからないが、僕からするとそれはやっぱりチャンス。怪我人が1人出たら、それに控えている選手がいるわけで、その選手からしたらチャンス。バタバタしてピンチになる雰囲気は全くなくて、それをチャンスだと思ってチャンスを掴める選手が試合に出ているしベンチに入っている。そうやってメンバーに入った選手が100%タスクを全うしている。

今回また2人(屋敷優成と保田堅心)が代表でチームを離れる。あの2人には代表でも頑張ってほしいが、僕からしたらそれは彼らにとって、チーム内競争においてはピンチでもあるのかなと思う。彼らが抜けたぶんチャンスが巡ってくる選手がいるわけだから。僕もベンチ外が続いてそういう立場だったので。そのときはベンチ外のマインドとして、やっぱりチャンスを探していて。それは怪我だったり代表だったりコロナだったり。怪我したりコロナにかかったりした人以外は、ピンチ、緊張、プレッシャーではなくやってやろうという気持ちがある中で、それをいま、言えるような波を作れている。それが追い風になっているのかなと思う。

——シーズン折り返しの頃には下平監督が一体感を持とうと求めなくてはならないような状態だったが、当時と比べていま、チームは変わったということか。

結果が出ているということは、大きく変わっているのではないか。ひとりひとりがフットボールの本質をあらためて認識した後半戦になっている。でも、それをいちばん感じているのはサポーターなのかなと思う。前半戦の戦い方を見ていて「どうなのか」と思った人は間違いなくいて、後半戦の戦い方を見て「これだよね」と思ったサポーターもいるわけで。僕らが肌で感じて変わっているというよりも、第3者のファンやサポーターの方々が、いちばん感じることだと思う。

——次節・仙台戦に向けて。

次節からは若手2人が代表で抜けるので、さらに総力戦になる。J1昇格という目標に向けて進むのみ。ホームアドバンテージもあるので、前節の秋田戦や今日のような責任あるプレーを見せたい。