TORITENトリテン

闘う言葉

MF 10 野村直輝「とにかく今日は前に行こうという話を試合前にしていた」

 

——3バックを基本形に攻撃時は3トップになっていた。今日の戦い方については。

これまでの自分だけのパフォーマンスを考えると、自分の役割が曖昧で力を出しきれずにという感じが結構続いていた中で、今日の3-2-4-1は徳島のときからやり慣れているフォーメーションだし、昨季のカタさん(片野坂知宏前監督)もこの形でやっていたので、結構なつかしい感じで「こうなったらこうなる」と自分の中である程度わかっている状態で、この状態のときにどこに顔を出せば相手が嫌がるだろうなというのを見ながらプレーできたので、自分の中でも余裕があった。

あとはサム(サムエル)に点を取らせたいというのと、フジ(藤本一輝)と(井上)健太を僕が生かしてあげないとなと。自分が点を取ったり結果を残したりというよりは、まずはチームの攻撃を引っ張るというところを、自分がやらなくてはならないことだと考えていた。

それと、前の選手が守備のところで頑張る姿勢を見せることで、後ろの選手たちも士気が上がる。サムもそういったところを献身的にやってくれるので、それに引っ張られるように僕もやらなきゃなと思ったし、ピッチの中で「みんなで戦おう」という一体感を感じられた試合だった。みんなに迷いがなかった。

——連戦の中でこれだけメンバーやシステムを変えても一体感を持って戦えるのは。

もともとみんなやり慣れている部分があるので、どうなったらどうなると流れがわかっている部分もあったと思う。その中でハネ(羽田健人)と(弓場)将輝と(渡邉)新太はピッチの中でよく話し合っていて、たまに4-1の形を作ったり、相手を見て外せるところ、ポケットはフジと健太が引っ張るので、ボランチの脇、シャドーの脇のところが空くのもわかっていた。そこを誰が使うか。マンツーでついてきたらサムに当てて、僕と新太が拾って前に行くというのが頭の中である程度わかってプレーできていた。みんななんとなくイメージはあったと思う。

とにかく今日は前に行こうという話を試合前にしていて、ミラーゲームだし目の前の相手に負けないということに重きを置いて、みんなでゲームに入った。

——前節から監督のアプローチも変わり、攻撃起点の位置が高くなった。その変化については。

それまでは、つなぐところで重心が低くなってしまうところがあって、前線からはもっとボールを前に欲しいという声も聞こえていたので、なんとか前の選手が生き生きするようにと考えていた。逆にJ2のサッカーはシンプルで、前に行ってガチャガチャしてバトルで勝ったほうが意外と優位になったりもするので、そこのバランスをいま、上手くやれているのではないかと思っている。つなぐことばかりに意識が行きすぎていない感じがする。前に前にというところは中でも声をかけているし、いますごく意識しているところ。バトルすれば勝てるというところも結構あるので、能力で行っちゃうみたいなのも大事かなと思う。

——そこで誰がどこを取るかとかどう三角形を作るかといったものは、チームとしての積み上げなのか。

そこはわからない。誰と誰が組むかというところでコンビネーションは全然変わってくるので。流れの中でという感じ。