TORITENトリテン

闘う言葉

DF 3 三竿雄斗「もっと阿吽の呼吸を高めていかなくては」

 

——なかなか勝点3が取れないことについて。

前節、カウンターから3失点して、同じようなチームに対して絶対に同じような形で失点しないようにまずは意識した中で、何回かいい形でゴール前に行けて、あと一歩のところだった。本当に決めきるだけだったし、そこは練習からひとりひとりがもっと意識を高く持って続けるしかない。

——0-0で折り返したときに、前節のイメージが蘇ったりは。

プレー中はそんなことを考える余裕はなかったが、焦って前に行きすぎず、しっかり抑えることは、ペレイラも(高木)駿くんも意識してやっていた。

——前節が終わってからペレイラと話は。

お互いに声をかけあってカウンターからの失点はなくそうと、2人だけでなくチームとしてもミーティングで話した。今日は意識してやれたと思う。

——得点できないときに後ろの選手の思いは。

自分は集中していい形でボールを動かし、アタッカーの選手がいい状態で攻撃できるように意識してプレーするだけ。うちは質の高い選手が揃っているので、信じてボールを動かし続ければ、絶対に点を決めてくれると思う。アタッカーとCBとはいっても攻守で分かれているわけではなく、みんなつながっているので、みんなでもっとよくしていきたい。

——守備のバランスを整えてから得点ペースや攻撃の勢いが少し落ちているが。

いままではボランチ1枚が下りて3枚で回すことが多く、そうしたときは中盤のボランチが1枚になって、その前のスペースに人がいなくなってしまう状況があった。1枚が落ちることによってビルドアップは安定するのだが、ボールが前に入ったあとのセカンドボールやFWに当てたあとのサポートのところでは人数が足りなくなってしまうので、ビルドアップの安定も大事だが、なるべく僕とペレと駿くんの3人でビルドアップできればいいかなと思う。そうすれば(下田)北斗や(小林)裕紀くんがもっと嫌な位置でボールを受けられる。もちろん相手や試合の状況にもよるが、決めすぎずにもっと流動的にやるのもありかなと思う。

——昨季までは細かく約束事が決まっていたが、今季のほうが選手判断が多くなっているように見える。

そうですね。結構、カタさん(片野坂知宏前監督)のときに比べると、決まりごとは今季ももちろんあるのだが、そういう原則の中で自分たちで上手く判断してやれている部分も多々ある。でも、そうやって自由が与えられているぶん、前節のようにカウンターで失点してしまうのはもったいないし、もっとそういうところで質を高めていかなくてはならない。やっぱり下手ではサッカーは勝てないし、戦術の決まりごとやしっかりした技術の下でサッカーをすることは大事だと思う。

——個々のクオリティーでは相手チームより上回っている部分も多いと感じるのに勝ちきれないことについては。

ビルドアップはスムーズにやれていて、ダイレクトプレーから裏を取るシーンも増えているし、いいかたちで奪ってもいるのだが、やっぱりアタッキングサードというか前のところ、最後の質はまだ足りないと思う。いま自分はCB なので最後に関わることはなかなか出来ないが、質の高い選手が多いし、ノム(野村直輝)が帰ってきてからはノムのところでも違いを出せている。ゴール前はスペースがないので、お互いに見ていなくてもここにいるだろうという感じで阿吽の呼吸でのコンビネーションを高めていかなくてはならないし、もうちょっとゴール前での攻撃の練習は、トレーニングの中でやってもいいかなと思っている。怪我人が帰ってくればきっともっとよくなる。

——最終ラインでプレーしていて攻め上がりたい気持ちは。

何回か行きそうになってしまうというか(笑)、前に行きたいなと思うときもあるが、自分に与えられた役割の中でやっている。CBはCBなりの深さがあるポジションなので、もっと自分はそういうところで突き詰めていきたい。

——CBの面白さとは。

やっぱり世界中のどのリーグでも強いチームはCBがいい。失点も少なく攻撃も出来る。特にうちは攻撃がCBからはじまるというか、ビルドアップでCBが持つことが多く、最初のパスの出しどころによって展開が変わる。重要なポジションで、よくも悪くも自分たちの結果を左右する。責任を感じている。後ろからいい位置で全体を見渡せる面白さもある。

——サイドより中から全体が見えることで戦術眼が生きるとか。

最初のビルドアップのときに、自分が左に出すのか右に出すのかによって相手がどこで奪いたいのか、プレッシャーのベクトルを見ることが出来る。自分がどこに出すかによってその後のビルドアップの方向も左右される。自分が直接FWやSHにいいクサビを差し込めればと思っている。

——他にも本職CBがいる中で三竿選手が起用され続けていることに対しては。

僕はそんなに競り合いも強くないし、守備のところで当たり負けないかというとそうでもないので、CBで起用してもらっている理由は、やっぱりそういうところを期待してもらっているのだと思う。それを意識してプレーし、貢献しなくてはならないと思っている。

——弟さん(鹿島の三竿健斗)がCBでプレーするようになったらお兄ちゃんも。つくづくシンクロする。

そうですね、確かに、同じCBとして(笑)。特にそれについて話はしていないが。