【記者会見】下平隆宏監督「自分というよりも選手たちが本当に頑張っていた」

 

ホームでやっと勝点3が取れてほっとしているし、サポーターのみなさんと一緒に喜び合えたことを、シンプルにうれしく思う。

今日はメンバーを少し変え、システムとやり方も変えて臨んだ中で、まず、出た選手が頑張ってくれた。いい形で先制して2点目も取れたところから、自分たちのミスが続いてちょっと相手のペースになったときに失点してしまったのは、いい前半の流れを相手に持っていかれることになってしまったので、そこは非常にもったいなかった。

後半からまた選手たちがしっかりと自分たちのやるべきことを遂行してくれて、3点目、4点目といい形で取れて、今日は終始落ち着いてゲームが出来たという印象。ただ、やっと1勝なので、ここからまた選手たちと一体感を持って、一緒に長いリーグ戦を戦っていければと思っている。とりあえず、勝って本当によかったと思っている。

——大分の監督として初勝利。感想は。

素直にうれしく思う。自分というよりも選手たちが本当に頑張っていたので、やっと勝点3を取らせてあげられた、勝利を彼らに届けさせることが出来たと、そういう思いのほうが強い。あとはやはりサポーター。戦績の悪いときもこうしてつねに応援していただき、本当に勝ちを届けたいという思いがずっとあったので。選手にも応援してくださる方々にも、まずは一息ついてもらうことが出来たかなと思う。

——選手たちの表情や雰囲気は。

前節から中3日での準備期間としては、山口戦の流れの中で選手が少しバラバラになっているシーンがあったので、チームが一体感を持ってやることにフォーカスしてトレーニングしてきた。今回は特別トレーニングとして岡山コーチの歌のレッスンがあり（笑）、その映像もあとで公開されると思うが、一体感を持とうとスタッフも入れてみんなで『大分よりの使者』を歌うといったトレーニングもして、その効果もあったかと思う（笑）。

おとなしい選手が多いので、キャプテンとして（下田）北斗がいるが、北斗だけに頼らずみんながチームを引っ張っていくというところが、ちょっとこのチームには希薄だった。ひとりひとりが責任感を持ってチームを引っ張っていくつもりでやって欲しかったと思うし、それがいいかたちで一体感につながれば、このチームは強いと思う。そういうところは今後も期待していきたい。

——システムが変わっても下平監督の哲学が反映されたサッカーだったと感じるが。

システムとか立ち位置が多少変わってもボール保持率を高めてしっかり動かし攻撃していくということはかわらない。今日は選手たちがそこを上手く表現できたと思っている。

特にいまCFが好調なので、1トップだけにしておくのはもったいないと考えて呉屋と伊佐を並べ、途中からの長沢も、頭から出ても脅威になる。そういった意味では2トップのほうがいまはいいのかなというところからスタートしてシステムを考えた。

——ビルドアップ時に変形していたが、町田選手が負傷して渡邉選手に代わってから、ニュアンス的に変えた部分はあったか。

それほど役割は変えていない。最初はもうちょっと前に関わるような仕事を也真人には要求していて、代わるタイミングで新太には少しビルドアップに関わるような仕事を課した。基本的にはあまり変わっていない。

——好調のFW陣への評価を。

今日は呉屋は点を取っていないが、呉屋の献身的な守備など。僕もあまり呉屋に対してはそういうイメージがなく、クールに点を取っていくというイメージだったのだが、彼と一緒にチームで過ごしてみて、本当に熱いハートを持っている。得点のところもそうだし守備も献身的。すごく評価している。

伊佐もメンバー外のときもあったが、トレーニングからずっと本当にチームを引っ張って頑張ってくれていたので、どこかでチャンスを与えたいなというところで。これまでの順番で行けば長沢と呉屋の2トップになったかもしれないのだが、まず伊佐をスタートで、彼の献身性と、こういうときこそ伊佐のパーソナリティーが必要かなと思って2トップで起用した。

長沢は後出しで、相手の嫌な時間帯に出したら効果的だろうなと思っていたので、今日はそういうプランで行った。

——長沢選手の得点はファーストタッチだった。

いやあ（笑）。駿に「ファーストタッチゴールはいままであるか」と訊いたらやはり初めてだと。あれは采配というよりは伊佐のアクシデントのタイミングだったが、見事だった。

——システムやメンバーを毎回変える中で苦労していそうだが、監督の中で最適解は見つかりそうか。

いや、どうか…過密なスケジュールはなかなかしんどいので次のルヴァンカップもどうやりくりしていこうかというのもある。とにかくこの日程にコンディションのいい選手が出て、それに合った、出場できる選手の特長を生かしたシステムになっていくのかなという気がしている。こちらが提示してやりたいものというよりは、現状元気な選手ありきのシステムになると思っている。

——負傷で途中交代した2人の状態は。

おそらく也真人は筋肉系なのか…もうちょっと調べてみなくてはわからない。伊佐に関しては打撲っぽいのでそれほど重傷ではないと思っている。