【記者会見】下平隆宏監督「攻撃も守備もとバランスを取って勝ちを拾えるように」
90分間通して苦しいゲームだった。選手を入れ替えず、リーグ戦に出ているメンバーが出てきた鹿島に、かなり押し込まれる時間も長かったが、最後に追いついて勝点1取れたことは非常によかった。最後まで選手たちが走ってくれたし、サポーターの方々の後押しも、この同点ゴールにつながったと思っている。
——今日はフォーメーションが4-4-2だったが、狙いは。
負傷やコンディションの問題で、プレーできるメンバーをやりくりした中でのシステムだった。今日は2トップをチョイスしたので、後ろでの作り方、ビルドアップの形も少し変えて戦った。あくまでもオプションというか、そのときどきのチーム状況。今日の形については(連戦なので)実際にトレーニングはしておらず、ミーティングだけで臨んだ中で、完成度はまだまだでミスも多かったが、あれだけのことを選手は出来るのだなと、選択肢が増えた印象を受けた。
——FWの面々が好調そうだが。
伊佐も呉屋も(長沢)駿も調子がよさそうで、トレーニングからいいアピールをしている。ここにまた外国籍選手も入ってくるというところを考えると、今日のシステムは数あるオプションの中でも優先順位が高くなってくるのかなともちょっと考えている。
——この試合が11連戦折り返し地点だったが、戦力のやりくりはフォーメーションを変えなくてはならないほどなのか。
正直、大変。トレーニングはほぼ出来ない状態。ゲームに出たメンバーは休ませてリカバーしなくてはならないし、プレーできるメンバーだけではゲーム形式で確認することが、ほぼ出来ない。シャドー(想定した相手)がいない中で確認したりといったトレーニングがどうしても増えてしまうので、この日程は本当に厳しいと感じるが、その中でもなんとかやらなくてはならないという感じ。
——鹿島も連戦で、しかも新監督初陣。出方やメンバーもわからなかったと思うが、どういう準備をしたのか。
おそらく鹿島さんも中3日なので、監督が替わったからといってガラッと大きく変えることはなく、岩政コーチがやっていたとおりのプランで来るだろうなと予測していた。
——4-4-2でのマッチアップの中で、あまりリーグ戦に出場していない選手たちの評価は。
みんなよく本当に頑張ってくれたと思う。鹿島さんはやはりハードだし、2トップにダイレクトプレーをしてきてセカンドボールを拾うスタイルは、非常に洗練されている。球際も強く、予想していた以上に苦しめられたという感じがあったが、若い選手も含めてこのタフなゲームを戦えて勝点1をしっかり取れたことは、まずは選手たちの自信になると思う。
——リーグ長崎戦に続き微妙なジャッジが続いているのでは。
おそらくあれも完全に押されていたのでVARがあればとは思うが、ノーファウルにされてしまった。確かにジャッジに泣かされている部分もあるが、それは言っても仕方がなく、それを乗り越えて今日は選手たちが勝点1をよく取ってくれたと思っている。
——今季初勝利が待ち遠しいと思うがあと一歩、足りないものは。
今日は相手にボールを持たれ守備をする厳しい時間があるだろうというところでスタートして、実際にそういう展開になった。リーグ戦でも失点が多かったので、得点できている中で失点をゼロにすれば勝利も近づいてくる。ただ守備的にやるということではなく、守備も出来る攻撃も出来る、そういうところで勝ちを拾っていけるようにしていかなくてはならない。今季はまだなかなか勝つところをお見せできていない。内容云々、ジャッジ云々といろいろあるが、文句なく勝つところをお見せして、サポーターと一緒に喜び合いたいと思っている。
——システムはあくまでオプションということだったが、今日の収穫からリーグ次節の山口戦につながるものは。
一回これをやったのでゲーム中のシステム変更がやりやすくなるという感じと、守備のところの強度やブロックを作ったときの我慢強さ。いままで攻撃的に攻撃的にと自分が言い続けてチームを作ってきた中で、やはり選手たちのマインドの7割が攻撃的になってしまって、あっさり失点してしまうシーンも多かったので、もちろん攻撃もある守備もあるというところでしっかりバランスを取らないと、もったいない失点が多かったと。そういう意味でこういう守備がやれたことに関しては、選手ももちろんだが僕自身も少し自信を持とうと思っている。