TORITENトリテン

闘う言葉

【記者会見】下平隆宏監督「いまだからぶっちゃけるが、こっちも5枚で行こうと思っていた(笑)」

 

まずはホームで今季初のゲームで、選手たちもだいぶ気合が入っていたし、対戦相手が片野坂監督のG大阪ということで、力の入ったゲームだったと思う。

予想以上に90分通して前からプレスをかけられ続けたが、それに対して自分たちも一歩も引かずにつないでいこうということを今日は貫き通して、実際2失点目はそういった流れからだったが、途中で入った選手を含め、最後は少し盛り返せたり、少し自分たちの時間が出来たりと、収穫もあったと思う。

ただ、90分を通して苦しいゲームだったことは間違いない。先制して追いつかれ、PKで取ってまた追いつかれという苦しいゲーム展開だったが、選手たちが最後まで走りきって戦ってくれたことには感謝したい。サポーターの方々がすごく後押ししてくれたことが、選手たちが走りきれた要因。非常に感謝したい。

——メンバーを入れ替えて臨んだが、新たな収穫は。

収穫は多々ある。まずGKの西川のところ。最後まで果敢にトライしてくれた。よくやってくれたと思う。CBの2人、羽田と上夷も最後までビルドアップをし続けた。長沢はターゲットになる仕事から下りてきてポストプレーまで幅広くやってくれた。ウイングの選手たちもそれぞれキャラクターがある中で特長を出しながらやってくれたし、全体的にみんな役割をしっかりやりながらプレーできたと思う。

——相手が4-2-3-1でハメてくることは予想していたか。

まったく予想していなかった(苦笑)。5枚で来るものだと思っていて、短い期間だがそれを想定したトレーニングをしていた。いまだからぶっちゃけて言うが、こっちも5枚で行こうと思っていた。相手は特にワイドからの攻撃が鋭いので、それを封じるために、小林裕紀を最終ラインに落として5バックになる準備をしていたのだが、相手のシステムがわかった瞬間、落とさずに4バックで行こうと変更した。

「5枚にしていたらカタはびっくりするだろうなー」という狙いで行ったのだが、逆にこっちが「4枚で来たか!」と、やられた感があった(笑)。ただ、そういうこともあるかもしれないから4枚に戻すこともあるよと選手たちには話していたので、そう言っておいてよかったなと思った。

——終盤に4-4-2に変更して盛り返したあたりの駆け引きは。

まずウメ(梅崎司)と(中川)寛斗のところがちょっと疲弊していたのもあるし、ずっとG大阪のペースだったので、守備を安定させるためにダブルボランチにした。するとこちらのダブルボランチに相手のダブルボランチが出てくるので、こちらも2トップにした長沢と伊佐を少し縦関係にしながら、相手ダブルボランチの裏のスペースで起点を作れたらなと。それがハマって長沢のところで収まるなどした。守備の安定と攻撃の出口のところを考えて、4-4-2の形に変更した。

——J2第2節の甲府戦は風の影響でなかなかやりたいことを表現できなかったが、今日の初ホームゲームではどのくらいスタイルを体現できたか。

そうですね…本来ならしっかりボールを握ってゲームをコントロールし、相手を押し込むのが理想なのだが、思った以上に前からプレッシャーをかけられて、それを剥がす作業が多くなった。剥がした先にはスペースがあり、カウンター気味に何度かチャンスになりかけたシーンもあったが、あそこで仕留め切れればまた違った展開になったかもしれない。

でも、このスタジアムの雰囲気も含めて、芝の感覚などはすごくやりやすいのかなと。こういうスタイルで貫いていこうとあらためて感じた。

——2度リードしながら勝点1という結果については。

今日は正直、G大阪さんのゲームだったと思うので、先制もしたしリードもしたが、ゲーム内容を考えれば基本的には十分に価値のある勝点1だったのかなと。

——GKの西川選手の評価を。

彼はまだ19歳だし、その中では堂々とやったのかなと思っている。つなぐだけでなく背後に落とすようなボールにもトライしていた。ビルドアップすると言われたら目の前しか見えないというのではなく、ちゃんとその先まで見えるプレーも出来ていたので、そういう意味では期待の出来るGKだと感じた。

——正守護神の高木選手が負傷して不安もあったが、この2試合に吉田選手と西川選手を起用してみての感触は。

もちろん高木駿が入れば、ビルドアップはさらにスムーズになる。もしかしたら今日のような展開でももっと相手の足を止めるようなことが出来たのではないかと感じたところは、実際ある。ただ、高木駿がシーズン通して出られればいいが、出られなくなったときには次のGKということも当然、底上げとしては必要。そういう意味で、リーグ戦とルヴァンカップに出た2人が、少しでも自信を持ってくれればと思っている。