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闘う言葉

【記者会見】片野坂知宏監督「こういう崩しや攻撃が出来るチームだとあらためてわかった」

 

リーグ最終戦、そしてアウェイということで、今季われわれはアウェイで1勝しかできず、アウェイに来られるファン、サポーターの方々に残念な思いをさせていた中で、最後のアウェイの試合で勝点3を取り、勝利をプレゼントできた。今季は残念ながら降格という結果になったのだが、降格が決まった中でも、選手は本当に悔しい思いを打ち消して、とにかく目の前の試合に向け準備して、出し切ってやってくれたと思う。

降格が決まったあとの2試合で2連勝したことは今後にもつながると思うし、このあとある天皇杯準決勝にも、またいいかたちで入れるのではないかと思う。リーグ戦はこれで終わるが、天皇杯が残っている中で、リーグチャンピオン、昨季チャンピオンの川崎Fさん相手に、どれだけわれわれがチャレンジできるかというところを、また選手とともに最大値を出していきたい。

——結果的に残留圏と勝点2差。リーグ戦を終えてみて、あらためて降格の要因は。

これは最終節が終わっての順位と勝点だし、残留できなかった勝点差の「2」というのは、もしかしたら「1」や「2」やそれ以上であった可能性もある。「2」だから「どこかで勝点3を取っておけば」と後から言うのはいくらでも出来る。たらればはいろいろ言えて、得点していれば、失点を防いでいれば、ミスがなければといろんなことが言えるのだが、もうこの「降格する」という結果は変わらないので、とにかくわれわれがいま出来ることというのは、来季に向けていいかたちでしっかりとJ1のリーグを戦うことと、天皇杯でいいプレーをして、また応援してくださる方々に喜んでもらうこと。そちらのほうを、わたしは考えたい。

ただ、降格した原因というのは、これからまたしっかりと、自分を含めてクラブと話をし、なにが要因なのかはクラブに伝えながら今後に生かしてほしいし、そういうかたちを取っていきたい。すぐにその要因が何かというのは、もう、いろんなことがありすぎたので、ひとつとしては言えないのだが、シンプルに言えば、やはり得点力。リーグでも下位の得点数しか挙げていないが、得点を挙げていれば勝点0が1になったり3になったり出来た部分があるのではないかと思っている。

——今日は相手が前半は4バック、後半は3バック。その中でこれまで追求してきたボールの動かしにチャレンジし、ミラーゲームで苦戦した時間帯もあり、本当にいろんな意味で、この6年間の集大成のような一戦だったのでは。

はい。もう、なんか、うん…今日のゲームは、まず柏さんが4-4-2で来るということもあまり想定していなかったし、先発メンバーを見た中でも「あ、こういう形で来るのか」というところで、少し準備してきたことと違っていた。ただ、4枚の相手というのはわれわれもこれまで戦ってきて、その動かしや崩しの場面においては、ある程度やれる部分があった。もちろん最後の部分のクオリティーなどはまだまだだが、前半、4枚の相手に対してというところで上回って先制して、追加点も素晴らしい(下田)北斗のFKで。この2点というのは非常に大きかった。

後半はおそらく柏さんもマッチアップしてくるだろう、個のところでプレッシャーをかけて引っ掛けて得点を狙ってくるだろうと、ハーフタイムに選手たちにミラーで来るよ、プレッシャーに来るからねと伝えておいた。その動かしの部分、そして得点を狙う部分というところは準備してきたことがあったので、それをしっかりとやろうねという話をした。

ただ、入りからやはり押し込まれる状況、プレッシャーを受ける状況で、失点して2点目も取られた。この後半の現象は、僕も今季もミラーゲームにされて、よくリードを守れずというのがあった場面で、やはり自分たちにはまだそういうミラーゲームを跳ね返すだけの力がないのかな、またこういうゲームになってしまうのかなという悔しさを感じていた。でも、ゲームは進んでいるしやらなくてはならない。選手もしっかり戦っている。そういうところで、あきらめずになんとか3点目を取っていこうと。

そのためにも動かしのところでしっかり安定させないといけないと考え、選手にポジショニングを修正させ、少し落ち着くことが出来た。そういう中で、選手は本当にのびのびとプレーし、崩しのところでも3点目は今季でいちばんいい得点じゃないかというくらいきれいだった。やはりこういう崩しや攻撃が出来るチームなんだなとあらためてわかったし、僕が目指してきたサッカーの、リーグ戦最後の得点がこういう形で取れたのもすごくうれしかった。

大分を率いてのリーグ戦は今日で終わったのだが、このあとは天皇杯がある。大分の監督としてのリーグ最終節がこの日立台。柏さんでは僕も現役時代に長いことプレーさせていただいて、日立台のスタジアムはすごく好きだし、最後にこのスタジアムで、柏さんには申し訳ないが勝つことが出来たことも、すごく印象に残るゲームになった。本当にこの前半後半は、これまで大分でやってきた6年間の宿題を与えられるかなと思うようなゲームだったが、なんとか勝って払拭して、天皇杯の準決勝につながるのではないかと期待している。

——今季は選手が入れ替わり、得点機への伏線となるようなボールの動かしが出来ていなかったが、今日はそれが出来ていた。エンリケ選手を3バックの中央に配置するようになった時点で今季はそれを諦めたのかと思った時期もあったのだが、あるいはエンリケ選手を使わずにビルドアップする動かし方を、新たに編み出したのか。

うーん、そうですね。どちらかというとエンリケはあまりボールの動かしが得意なほうではないのだが、ではそうなったときに周りの選手がどういうふうに助けようかと。エンリケのよさは守備のところでの対人や跳ね返しで、そういったところですごく貢献してくれていて、一方ではボールを持つときに少し遅かったり、もう少し状況を見られればというところがあった。

そういう中でペレイラが、もともとはボランチの選手なのだが中断期間にCBとしてトライしたときにいいプレーをしていた。その動かしも、ボランチとの関係やシャドーとの関係、全体のバランスとしてもすごくよかったので、ここ何試合かはペレイラを真ん中でやっていた。

いまペレイラの状態が少しよくなかったので、今節はエンリケを配置したのだが、エンリケが入ったときに、彼は左利きなので、やはり北斗が下りるよりは右のほうに小林裕紀が下りたほうがいい。それは決して決まりではないのだが、ボランチとエンリケの3人でバランスを取るように話をしてあった。北斗と裕紀が上手くそういうところをカバーしてくれたり、立ち位置を取ってくれたりした。それがスムーズに行っていた部分になるのではないか。あとはシャドーが、ボランチが下りたときやボランチがボールを持っているときの立ち位置が3枚になっていても4枚になっていても、ちゃんといいポジションを取ってくれたこと。全体のバランスがよかったのではないかと思う。

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