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闘う言葉

【記者会見】片野坂知宏監督「前半リードするなり同点で終わる状況が出来ればよかった」

 

横浜FMさんは現在2位で、Jリーグの中でもスピードと強度、勢いのあるチーム。そう思っていろんな準備をしてこの試合に臨んだ。今日のスコアは1-5というところで完敗で、大敗という結果になってしまったことは、大分のファン、サポーターの方々や応援してくださる方々に対して、本当に申し訳ない。選手もそうだが非常に残念に思う。もちろん力の差はあると思っていたが、なんとか太刀打ちするための術を準備してきた。だが、90分のゲームの中で、なかなか簡単にはやらせていただけないゲームになってしまった。その差が順位や勝点、われわれの足りないところになっていると、今日の試合を終えて感じた。選手にもそういったところを今後高め、積み上げていけるよう、またチーム一丸となって、切り替えて立ち向かっていこうと伝えた。

強い横浜FMさん相手に、自陣に全員帰ってブロックを作るという方法もあった。ただ、われわれは勝点を取るために得点しなくてはならない。それではどういうふうに取るかということを考えた中で、戦術的にトライした。選手も思い切ってトライしてくれたと思うし、結果につながらなかったのは本当に残念だが、とにかく粘り強く戦っていくことを続けていきたい。

天皇杯が水曜日に予定されているが、群馬さんの状況がどのようになっているかわからないので、連戦になるのか延期になるのか。あとはリーグ戦の札幌戦と神戸戦、このホームゲーム2試合を、とにかくチーム一丸となって全力で戦っていきたい。

——香川選手が相手のSBと駆け引きする立ち位置だったが、基本のフォーメーションは4バックということでよかったか。

香川が左SHでスタートは4バックだった。

——序盤は決定機も多く、仕留めていれば違う展開になった可能性もある。結果的に点差が開いたが、構えて守っていたらここまで大敗しなかったと考えるか。

いや、多分「たられば」の話にはなるが…。守備の仕方はいろいろあると思うが、横浜FMさんは、構えられても前から来られても剥がす術を持っているチームだし、攻撃に関してもオーガナイズされて得点を狙うところは整理されているので、構えてもやられていたと思う。もちろん点差は2点差や1点差など少ない可能性はあったと思うが、おそらく構えれば構えるだけ自由に持たれてサンドバッグ状態になり、守備だけで疲弊して、自分たちのパワーが出せない状況になり得ると感じた。その中で思い切って前からチャレンジして奪いに行き、どういう形で奪えたら得点につながる可能性があるという準備をしてきた。

得点しなくては勝点3は取れないし、そのチャレンジは前半の立ち上がりに何度かしてくれて、得点こそなかったが、チャンスを作ることは出来た。ああいう時間帯に先に点を取れば、1-0でリードしている中で少しブロックを構えて、そのリードを保ちつつ相手に持たせながら粘り強く戦えば、もしかしたら勝点1くらいは取れた可能性はあるかもしれないと思う。

先に点が取れなかったこと。そして負けている状況でボールを取らなくてはならなくなった中で、勇敢に最後まで全員がボールに対して行ったのだが、そこはもう横浜FMさんのスピードに対して、自分たちが疲弊している中でやられてしまい、この点差になった。もちろん決定力もクオリティーもわれわれより数段上な横浜FMさんなので、こうなってしまったことは本当に残念だが、プラン的には、もう少し前半リードするなり同点で終わる状況が出来ればよかったなと。2点目の失点が非常にもったいなかった。ちょっと尾を引いたというか、残念だった。

——前半途中から5バック気味になって後半はまた4バックに戻した。あの流れはプランどおりだったのか。

プランどおりに最初は4枚でスタートしてしっかりと全員でプレッシャーをかけた中で、奪えればカウンターのチャンスは作れるというところは狙っていたし、そういうプランの中で先に点を取って、そのあとは相手がどういうふうに来るかわからない中でもしっかりと対応したかった。前半の飲水タイムのときにだいぶ押し込まれたり危ない状況を作られたりするようになっていたので、5バックにしてまずは前半を0-1でも1-1でも終えるというところを考えていた。その中で残念な失点をして1-2になったが、それでも1点差なら後半に自分たちがパワーを出せば同点に追いつけるし、前半作れていたチャンスをもう一回狙っていけば、違う展開にもつながっていたのかなという中で、ただ本当に横浜FMさんの上手さとスピードと、前田くんのクオリティーも素晴らしいものがあり、順位が表しているところにつながっていると感じた。

——ハーフタイムの指示が「集中しよう」「もっと走ろう」だった。昨季までは指示しなくても出来ていたのではと思うが、なにか意図しての指示だったのか。

前半の失点がもったいない失点だったので。折角CKで追いついてここからやっていこうというところの中で、1-1でハーフタイムを迎えるのと1-2で迎えるのとではまた違ってくる。そして取られ方も非常にもったいなかった。当事者である上夷とエンリケの関係だった。そこで取られたことはもうどうしようも出来ないが、後半の45分に前半出来たことのパワーを出せれば2-2に追いつくことは出来ると切り替えさせ、もう一度集中させてパワーを出せることが大事だと感じたからこそ、そういうことを伝えた。

やはり横浜FMさん相手には走らなくてはならないし、球際でも戦わなくてはならない。相手はとにかく止まらずにプレーしてくるところで、われわれがそれを止めてしまえば横浜FMさんのペースになるしこういう失点につながるところもある。そういったところを出来るだけ集中力高くパワーを出せるような形にしなくてはならないということで、話をした。

もちろん今季足りないところと言えばそういうところになるのかもしれないし、前半のような強度が最後まで続けば、もしかしたら勝点が取れたかもしれない。本当に細かいところかもしれないが、そういうところをどれだけ出し切って出来るか、粘り強く戦えるかというところは選手にも伝え、求めていきたい。