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闘う言葉

【記者会見】片野坂知宏監督「今日のゲームはやはり勝たなければいけなかった」

 

ひさしぶりにホームゲームで約5000人のファン、サポーターに入っていただき、これまでのリモートマッチと違い、やはりサポーターがいる中で試合が出来るのはすごくうれしいし、パワーをいただける。大事なんだなと感じた。声を出して応援するなどが出来ない難しい状況での観戦だったと思うが、その中でも足を運んで応援していただき、また、大雨の中でもたくさんの人に来ていただいたことに感謝いたします。

勝利をプレゼントすることが出来ればよかったのだが、勝点1に終わってしまった。その勝点1も負けなかったことがよかったという印象。いま九州豪雨災害で大変な思いをされている方が、大分県内にもたくさんいらっしゃるし、こういう状況でも足を運んでいただいた、あるいは画面を通して応援してくださっている方々に対して、今日のゲームはやはり勝たなければいけなかったと思う。

立ち上がり早々にああいう形で失点して、われわれにとっては非常に厳しい、と言っても自分たちで招いたことなのだが、難しいスタートになった。選手には前半、しっかり集中して入るようにと言ってあったのだが、出鼻をくじかれて非常に難しくなった。ただ、前半はその中でも自分たちの狙いの形でチャンスを作ることが出来、それをしっかりと決めることが出来れば、もしかしたら前半をリードして終えていた可能性はあったかなと。後半に入って相手に持たれることもあり、なかなか攻撃の狙いのところも上手くいかず、メンバー交代を含めてなんとかこじ開けようと思ったのだが、逆に相手も速い攻撃を仕掛けてきた中で、個の能力のところでピンチを招いてしまい、体を張る守備と相手のフィニッシュの精度に助けられて、なんとか勝点1に終わった。本当にどっちに転ぶかわからない、すごく難しいゲームだったと思う。

なんとかこれで3連戦を終えて、負けなかったことは、選手がいい準備をして、ピッチに出た選手が狙いを合わせてやってくれたからだと思うし、これからの3連戦もメンバーを厳選しながら準備して、勝点につながる、勝てるゲームをしていきたい。

——8日間で3試合という厳しい日程で、選手たちの疲労はどのように見ていたか。

疲労はあると思っていたが、試合に入ってみると思った以上に重さを感じた。失点の仕方が悪かったぶん少しトーンダウンしたというか。でもそこからよく盛り返してくれたとは思う。何人かの選手は疲労がある中でも鞭打ってやってくれた部分もある。もう少し疲労の度合いを見た中でフレッシュな選手の起用を考えてもよかったかなと、終わってからだが感じる。

——広島戦、神戸戦と先発メンバーを入れ替える中で後方のメンバーを固定していたのは。

後ろの動かしに関しては安定させたいのもあるし、中2日で3連戦の3戦目になるので疲労も考慮した中で選ぶようにした。岩田と鈴木は使ったが、三竿は広島戦でも疲労が見えていたのでサブに回し、フレッシュな刀根を起用した。相手もどういうメンバーで来るかわからなかったのだが、刀根はボールの運び、守備のところでも中断明けからすごくいい準備をしていたので、ここはちょっと刀根をスタートにして、三竿の左足の攻撃力は試合展開次第のオプションとして取っておこうかなという判断にした。ボランチも小林裕紀をメンバーから外したのだが、前節の広島戦で90分間使い切って、少し疲労も見えていたので、中2日の今日はフレッシュな島川を使った。島川にしても前田にしてもいい準備をしていたので。島川も自分らしさを出してくれたし、途中から入った前田も古巣相手で気合が入って、切らさずに集中してやってくれていたと思う。

——今日も5枚カードを使い切ったが、3試合を通して交代枠については。

いい面もあるし悪い面もあるかもしれないが、僕はポジティブ。ただ、5枚代えられることによってのいろんな戦術や選手によるタスクを考えながら使えるのはいいことだと思うが、逆に5枚使えるからといって、ちょっと迷うところもある。いまチームが上手く行っているところを代えることによってもしかしたらバランスが悪くなるんじゃないかとか、使い方が果たしてこれでよかったかどうかという悩みがあったりとか。3枚だったら3枚の中で工夫してやる中で、5枚になればいろいろなことが出来るので、いろいろなことをして選手を迷わせてもよくないし。そういう面では本当に交代5枚の使い方はすごく大事。今日のゲームに関しては3戦目ということがあり、選手の疲労があったり香川の怪我があったりで、そういうところで使うような形にはなったのだが。

——相手の4枚替えはどう影響したか。

まず神戸さんがどういうメンバーで今日乗り込んでくるのか。鳥栖戦から中2日でイニエスタ選手、サンペール選手、ダンクレー選手、ドウグラス選手と外国籍選手が中心となっているが、彼らが果たして来るのかどうか。それによってまるきり変わるゲームになると予想していた中で、神戸さんも変えてこられた。

あとは相手が3枚なのか4枚なのか。どういう戦術をこの短い期間で準備されるかなというところで。前半は山口くんをアンカーに置いた4-3-3で3トップ。後半は山口くんが後ろに下がって3-4-2-1のミラーにして5-4のブロックを作ってきた。やはり前半のうちに出来れば取りたかったという中で、また相手が4枚替えをして、これがどういうふうに変わるのかなというところは見ていた。形としては同じ感じでやっていた中で、古橋くんのスピードと攻撃、ドウグラス選手のゴール前での収まりや落ち着き。ドウグラス選手はいつか出てくるだろうなと予想していた中で、やはりちょっと違いを感じた部分。負けなくてよかったと思う。