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闘う言葉

【記者会見】片野坂知宏監督「これを来季は勝点1、勝点3につながるゲームにしていかなくては」

 

ホーム最終戦、今季集大成のゲームで、たくさんの方が寒い中で応援に来てくださった中で、本当に勝ちたかったし、勝利をプレゼントして一緒に喜び合いたかった。出来れば引退する丸谷をピッチに送り出して、いい形で選手生活を終わらせられるようなゲームになればという思いがあった。

しかし残念ながら0-2という完敗だった。このゲームは、われわれが負けた中でも非常に得たものが大きかったと思う。C大阪さんは本当に素晴らしいチーム。個の能力、チームの規律、戦術。やはりJ1トップレベル。そのチームに対し0-2という敗戦。これがわれわれのいまの現実、そして実力。このゲームを来季、こういう中でも勝点1、勝点3につながるゲームにしていかなくては、おそらく来季J1も厳しいシーズンになると、今日、ゲームを終えて感じた。

われわれが目指すべきチーム、目指すべきスタイル、目指すべき強度。今季最後のゲームで学ばせていただいた。これを経験値にしていかなくてはならないと感じた。

今季は開幕戦からいいスタートをし、前半戦で勝点を積み上げ、後半戦は厳しくしんどい試合、苦しい状況もあったが、選手は目の前の試合に対して素晴らしい姿勢で臨んでくれた。そしてわたしを支えるスタッフ、クラブ、何よりもトリニータを応援してくださるファン・サポーターの方々の後押しがあったからこそ、今季の勝点47でJ1残留という成果を上げることが出来たのだと感じている。本当に感謝しています。

素晴らしいシーズンを過ごさせていただいた中で、また来季に向けて今日の戦いで出た課題を修正したい。さきほど聞いたのだが一桁順位の目標は9位というギリギリのところで達成できたのは素晴らしいことだが、今季の新たな目標であった勝点50は達成できなかったことは、来季への課題とする。気持ちの上では今季と同じくまた18位からのスタートとして、まずはしっかりと残留を決め、さらに高みを目指して、いいシーズンになるようにやっていきたい。

もちろん補強もする。選手の入れ替えもあると思う。さらにいい成績、いいシーズンになるように、クラブと話し合いながら5年目のシーズンを迎えたい。

1年間、メディアのみなさんにはトリニータのために、いろんな記事でいろんなところでサポートしていただき、本当にありがとうございました。みなさんのひとつひとつのコメントや見方によって、トリニータがJ1で素晴らしいサッカーをしているという評価を得られたと思う。来季もみなさんと一緒に、トリニータが素晴らしい成果を挙げられるように、わたしも協力できるところは協力し、言えないことは言えず(※会場笑)、そのへんはご了承いただきながら、一緒にトリニータを盛り上げ、大分県、そして全国のファン・サポーターに喜んでいただけるようなチームになるよう、協力していただきたいと思う。

——補強に関して、クラブに重点的にと依頼したことはあるか。

クラブとわたし自身が契約を更新して続投が決まった時点から、また補強について少しずつ話し合いながら進めている。前線から藤本が抜け、それによって後半戦に得点を決めきれなかったので、まずは得点を決める選手。特に前線の補強を考えている。もちろん中盤、サイド、CBを含めて後ろも。GKについても今季は高木がフル出場したが、可能性があれば高木との競争もあると思う。ポイントごとにバランスよく進めるが、今季一緒に戦ってくれた既存選手がどれだけ残留してくれるかにもよる。これだけ注目されたりいい成績を挙げたりすれば他からの話も少なからずあるだろうし、特にレギュラーとして活躍してくれた選手には違うチームからオファーがあると思うので、そこでどれだけ残ってくれるのかによっても補強ポイントは変わってくることになる。

——この試合で得たものとは具体的に何だったのか。

まずC大阪さんの4-4-2の非常に強固な守備。J1でいちばん失点の少ないチームから得点を挙げることが出来なかった。守備には規律と予測と強度が大事。相手にやらせないよう、ひとりひとりが気を抜かず、隙を作らず、強度をもって行く。その非常に強固なところは参考にしたい。もちろん、システムやいろいろなところは違うが、基準としては高いレベルにあると思うので、そのレベルを目指していく。個人のところも非常に質と判断とバランスと、狙うべきところ・やるべきことがよく整理されていた。それもロティーナさんが戦術として攻守両面で落とし込まれている部分だと思う。

われわれも個人で行けるわけではなく、ポジションによって、役割によって、やるべきことを整理してトライしていた。C大阪さんは個のタレントとしての力もあり、うちはそのタレント力が足りないぶんを、ポジションや質や強度で上回るしかない。そういうところをまた学んだと感じている。

——今季を通じて節目になった試合は。

うーん、なんでしょうかね…やはりアウェイ浦和戦のアディショナルタイムで勝点3を取れたこと。これが勝点45を越えるためにはすごく大事だったし、大きかったと思う。どちらに転ぶかわからないゲームだったが、最後の最後に得点して勝点3を得たことで、その先のゲームも勇気を持てた。あの勝ちがあったからこそ勝点を47まで積んで残留を確定させることが出来たと感じている。

——続投の決め手になったものは。

まずクラブとの話し合いの中で、わたしに対する高い信頼と高い評価をいただいた。わたしが指揮をとる上では、クラブの協力がなければ、いいチームを作るのは難しい。その協力を得られる状況を作っていただいた。そして、わたし自身が2016年J3で監督就任した当初の目標として、大分トリニータをもう一度J1に上げ、J1に定着するチームを作るということを、将来的なヴィジョンとして考えた。4年目にJ1に上げることが出来たが、来季もJ1に定着するため、さらに上位を目指すために、やるべきことが出来ると思った。そのための協力も得られる。これまで積み上げてきたサッカーに自信もあるし、手応えを感じたシーズンでもあったので、さらにレベルを高めれば素晴らしいチーム作りになるという期待が、やりたいという意欲に変わり、決断した。

——今季、選手たちに求めたことは。

ゲームでは、まず自分の持っているものを出し切ってチャレンジすること。そして90分間、最後まで強度を落とさずに戦うことを求めた。普段のトレーニングでやれていることがゲームで出る。トレーニングでどれだけ集中していい準備をしているか、それをすごく大事にするよという話をいつもしていた。トレーニングのひとつひとつのプレーを、こだわって積み上げてやることだと。それは必ず公式戦で出るし、そういうところが大事になってくると求めた。

——チームとして伸びたところと、まだ足りないところは。

伸びたのはボール保持率、攻撃の構築のところで、そこまで困らず、失うことも少なくなった点。まったくないわけではないが、構築については選手たちの中でだいぶ整理されてきていると思う。

足りないところは、まあ…得点。狙ったわけではないのだが、今日の結果をもって得点35、失点35でプラスマイナスゼロ。そして一桁順位のいちばん下の9位。ここから来季、どれだけプラスに持っていけるか。得点力が上がることによって、この9がひっくり返れば6になる。Aクラスの6位を目指したいし、それが出来るチームだと感じている。

そこを目指して選手とともにやっていきたい。既存の選手、補強した選手を含め、またチーム作りをしっかりとやっていかなくてはならない。わたし自身がレベルアップしていかなくてはならないと感じている。

 

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