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闘う言葉

【記者会見】片野坂知宏監督「神戸さんが3-5-2で来ることは予想外だった」

 

夏休みで、お盆休みのスタートの日、たくさんの家族連れ、ファンやサポーターの方に昭和電工ドーム大分に、今日の神戸戦を楽しみにお越しいただいたと思う。われわれとしてはホームに神戸さんを迎えるにあたり、出来れば勝点3を取りたかったが1-1の勝点1に終わった。残念な面もあるが、神戸さん相手というところでは、決して悪い結果ではなかったのではないかと思う。

先制されて苦しい状況になったが、選手は我慢強く粘り強く、最後まで切らさずに戦ってくれた。非常に暑く、神戸さんの動かしの上手い中でも粘り強く対応して、なんとか1点こじ開けた。その後も個の能力の高い選手に対してチャレンジし、われわれも勇気を持って攻撃のところで動かしながら、シュート数こそ少なかったが決定機を作るべくチャンスをうかがった。

まだまだ課題は最後の精度とか、フィニッシュで具体的に終わるというところでは、やらせていただけなかったところがあるが、今日のようにゲームの狙いを切らさず合わせていくことは非常に大事だと思うので、今後も選手とともに継続し、勝点を1でも必ず積み上げていくことが、われわれの目標につながるのではないかと思う。

天皇杯を挟み、今日を含めてホームでの3連戦。天皇杯も次に進出できるようしっかり準備し、次のホームでも強い鹿島さん相手に勝点を挙げられるようにしていきたい。

——藤本選手が抜けた後、オナイウ選手の評価は。また、彼の成長については。

われわれのチームの得点源になっているし、今日で2桁得点。非常に貢献してくれている。得点という具体的な結果もそうだが、守備のところでも前線からハードワークしてくれる。90分戦える選手なので貴重な戦力だし、今後も貢献してほしい。

成長に関しては、1点目を取ってから少しプレーに余裕が出てきた。取るまでに焦りが見えた。昨季J2で24得点、得点ランキング2位という結果を出してきたので、今季チームに加わって、得点したいという意欲が強すぎて焦っていた。いまは得点できている中で、相手や周囲を見る余裕が少し出てきた。だからこそ得点できたり、味方もそういうところで阿道を使うようになってきた。そういう成果が得点につながっている。まだまだ本人も満足していないと思うし、フィニッシュの部分やつなぎの部分、前線の起点になるところの課題についても、より厳しい相手との対戦の中で、チャレンジしながら、このチームの核となってやってもらいたい。

ただ、藤本がいなくなった中で、阿道にかかるプレッシャーや負担もあると思う。今後、怪我や出場停止などの可能性もある中で、次に出てくる選手も、選手層というところで必要になってくる。他の選手にも期待したいし、トレーニングからアピールしてほしいと思っている。天皇杯、鹿島戦とのこの3連戦はスケジュールがタイトで対戦相手も難しい。そういう中で出てきてほしい。

——ビルドアップを研究対策される中で、今後はどのように。

まず神戸さんが今回の3-5-2で来ることは、少し予想外だった。ダンクレー選手、フェルマーレン選手、大崎選手とCBを主に務める選手が3人入っていたが、大崎選手はMF登録になっていたので、おそらくこれまでと同じ4枚で来るのかなと読んでいたが、はじまってみたら3枚だった。また、これまでは前線はウェリントン選手の1トップで来ることが多かったのだが、今日は古橋選手との2トップ。

選手にも「どういうふうに来るかわからないよ」とは伝えてあったのだが、プレスの掛け方や相手のシステムについて、選手はビルドアップのところでも準備してきたことをトライしてくれた。ただ、わたし自身の準備として、相手が4枚でやってくると想定していたので、若干のバタバタ感があったと思う。

そこを後半は落ち着いて修正してくれたし、勇気を持ってビルドアップのところもチャレンジしてくれた。高木も前節の鳥栖戦で本当に悔しいミスをしてしまい、今日もまたそういうことが起こりうるようなシーンもあったのだが、そこも粘り強く勇気を持って受けにいき、出してくれた。また安定してくればどういう相手が来ても剥がすことは出来ると思う。そのへんのポジショニングを後半は修正した中で、選手もトライしてくれたと思う。

前節の鳥栖戦、今節の神戸戦と同様、今後も相手がこれまでやってきたのとは違うことをやってくると思う。どういう相手でもその変化を見て、戦術を合わせて出来るよう準備していくしかない。こうして試合をやりながら経験を積み重ね、ピッチの中にいる11人が「こういうときはこうだよね」という共通認識を持ち、外から指示しなくても自然に身についたものでプレーできるような形になるのが理想。そういうふうにトレーニングでも、選手とともに共有していきたい。

——後半に修正できるという点では成長しているということか。

そうですね、もちろん前半の神戸さんのプレッシングの圧が少し弱まったところもあるかもしれない。やはりどこにどういうスペースが空いてくるかというのを、前半の給水のときやハーフタイムに伝えたりしたのだが、ハーフタイムではビハインドの状況だったので、マイボールにしなくてはならないし、ボールを取りにいかなくてはならないと話をした。

同点になったあとも動かしのところを修正してやってくれた。そのへんの成長は感じる部分があるが、またその後で神戸さんがどういう仕掛けをしてくるか。もしかしたら大崎選手に代えて4枚にして、フジ(藤本憲明)とウェリントン選手の2トップ、イニエスタ選手をボランチに下げて、より後ろからのフィードで攻めてくるのではないかとも考え、もしそうなったらどうしようかというのをベンチで話し合いながら戦況を見ていた。選手もよく切らさずに最後までやってくれたと思う。

 

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