【記者会見】片野坂知宏監督「一人でも欠けたり下を向いたりすると悪循環になる」
われわれは2週間の準備期間があり、川崎Fさんはチェルシーとの戦い、そしてこの後も連戦を迎える中で、今日、選手は2週間で準備してきたことをトライしてくれたと思う。なんとか前半をしのぎ、後半も先制されたが追いつくことができて、粘り強く戦っていたと思う。ただ、一瞬のところで自分たちの緩みが出たところで相手のクオリティーに上回られて仕留められ、非常に難しい展開になった。これからのゲームに関しても、夏場の暑い中でやらなくてはならないし、川崎Fさんのような強い相手に対して、強度という面でも90分維持して戦わなければ、勝点を取るのは非常に難しい。
決して選手が戦っていないわけではないと思う。選手の持っているものを出してやってくれた。ただ、われわれとしての、もう少し戦えた部分が、90分を通して最後まで出来なかったことが、やはりこの差になったのかなと感じる。
とにかく、われわれの目標に向かって、選手には切らさずに、もう一度コンティションを含め、気持ちを奮い立たせて立ち向かっていけるように、また1週間準備したい。次節は九州ダービーで、残留争いをしている鳥栖さんとの戦い。またタフなゲームになると思う。なんとかアウェイでも勝点を取れるよう、そして目標を達成できるように、全員で頑張っていきたい。
——90分通して戦えなかった理由は、クオリティーの差なのか、選手層の差なのか、それとも。
川崎Fさんとの差は、クオリティーも、交代メンバーの選手層の厚さも、われわれは比べものにならないと思う。ただ、このチームは組織で粘り強く戦ってきたからこそ、この勝点を取れている。ピッチに出ている11人が自分の持っているものを出し切らなくては、このような結果になると思う。1-2のビハインドになったときのメンタル面だとか、もう一度気持ちを整えた中で奮い立たせてサッカーに集中できるか。しんどい中でもパワーを出せるか。そういうところが一人でも欠けたり下を向いたりすると、隙を突かれる。またやられてしまう。上手くいかない。そうやって悪循環になるので、常日頃のトレーニングから集中して意識高く強度を持ってやろうと言っているのだが、今節はそれが90分間できなかった。そのようなところが見えたのは少し残念。
もちろん、選手層の厚さやクオリティーでも、川崎Fさんはトップで、われわれはいちばん下の18位。立ち向かうためには、戦術として、チームとして11人が、個の能力よりチーム力としてやるべきことをやっていかなくては、太刀打ちできない。そこをしっかりと、どういう相手に対しても狙いをもってトライさせ、勝点を積み上げていかなくてはならない。
——新加入の田中達也選手を左WBで先発起用した狙いと評価を。
達也はワイドで右も左もできる。今日にかぎっては左が適しているかと思い配置した。仕掛け、スピード、クロス、最後のところでトライしてやり切ってくれ、新しい戦力として加わってパワーを出してくれた。
——いろいろな選択肢があったと思うが、それぞれの交代の意図は。
前半も足が止まるときはあったが、なんとか粘り強くしのいでいたし、やはり川崎Fさんは上手いので簡単にボールは取れないけれど、やはり強度をもってチャレンジしなくてはならないのでトライさせた。前半をとにかく0-0で折り返せればいいなと思っていて、たとえ0-1になったとしてもサブのメンバーを入れて取り返すプランも持っていた中で、状況によって判断させようと。
藤本を入れるタイミングではまだ0-0だったのだが失点してしまった。藤本は得点も取っているし、途中出場でも流れを変えパワーをもってやってくれるので、ハーフタイムに代えるか後半途中で代えるかというところは悩んだ。前半しのぐことができ、後半も少し修正した中で、どこかのタイミングで藤本を入れようとは考えていた。点を取りにいくときに藤本の良さが出るタイミングがあると思ったので。失点したのだが、そのあとの同点ゴールも藤本の良さが出て、よく折り返してくれたと思う。
1-1になったところで前線、中盤がボールを持たれて守備の時間が長くなれば疲弊してくるかなというところで、様子を見て、状況によってティティパンや島川などボランチの選手投入を考えていた。ただ、ああいう失点をしてしまって、少しボランチのところの動きが落ちたところでティティパンを入れ、少し押し返せればと。そして最後に点を取らなくてはならない状況になった中で、星をああいう形で使うように、つねに状況によって、また選手の疲労によって選択するようにした。