TORITENトリテン

闘う言葉

GK 1 高木駿「新オプションではさらに相手を見ることが必要になる」

 

——攻撃的な狙いで入った前半に複数失点したが、守備の評価は。

最近は前半すぐに失点してしまっているので、もう少しどっしりと守りたいのだが、やはりFC東京はカウンターも速いので、簡単に失うとすぐに持っていかれてしまう。今日も最初の失点場面は後ろで下がって守っていたのだが、2列目を捕まえ切れなかった。体を張って守りたいが、川崎F戦でもそうだったように、前でボールを持たれるので、見てしまって出足が遅くなっていた。自分たちが後ろにいてももっとアグレッシブな守備をしていかなくてはならない。個人の能力の高い相手に対して、今日はちょっとやらせすぎだった。相手もどんどん人数をかけてくる中で、こちらも人数を合わせて守らなくてはならないので、もう少しアグレッシブにやりたい。

——相手のカウンターを警戒していた中で、それを封じるとディエゴ・オリヴェイラが組み立てた。

本当に相手は能力が高い。キープ力もあってなんでもできる。そういう能力の高い選手が何人もいるので、もっとじっくり攻めたほうがよかったなと思う。それと、前線のクオリティーをもっと上げて、クロスや縦パスに関してもっと合わせなくては、簡単にそこでロストしてカウンターを受けることが多かった。

ビハインドなのでこちらもどんどん行きたいのだが、そこで奪われてカウンターで押し込まれてもまたキツくなるので、最後の質の部分をもっと高めなくてはならない。もっとゴールに勢いをもっていくプレーも少し足りないと思う。そのあたりが今日は相手のほうが全然上だった。

——狙いは見えたが、なかなか上手く機能させられなかった理由は。

最初の時間帯を過ぎるとしっかり引いてくるので、またウチがちょっと立ち位置を変えてやっているのだが、ボール回しのクオリティーや真ん中での捌きだとかがひとつひとつ遅い。もっと相手のことを考えて、自分がボールを持っているときの回しの意識だけでは、相手は引き出せず崩せもしない。相手がどうやって食いついてくるかとか、相手の意識をもっと考えて回さなくては。それをやって、なおかつ正確にプレーしなくては、絶対に崩せない。いまは自分たちのことでいっぱいいっぱいな感じもするので、相手がどうしようとしているのかを見極めなくてはならない。久保くんなんかはそれが上手くて、相手の重心を見て逆を突き背後を取ろうとしてくる。

ウチもそういう部分をもっと考えてプレーしなくては、ウチは相手を食いつかせてやっているサッカーなので、いかに自分たちで食いつかせるかを考える必要がある。自陣では相手も簡単に食いついてくるが、ブロックを作った相手に関しては、もっと自分たちが上手くやらなくてはならない。そのへんが自分たちには全然足りないと感じた。

——最初のプランが上手く行かなかったので、4バックのプランに切り替えた。すぐに割り切れたか。

そうですね。前半はだいぶやられそうな感じがしたし、このままではちょっとどうしようもないなという感じもあったので、かなりリスクも高かったが、やっている側からしたら「仕方ないがこれでやるしかない」という感じでリスクを負った。

4バックはぶっつけ本番だったが、いつもボールを回しているときに4枚になっているので、最初からそういう配置という考え方でやれば、やっていることは同じで、スタートポジションやその後の守備のポジションが違う感じになる。そこから先は、それぞれの判断で、さらにサイドの選手が運動量を増やさなくてはならないと。

相手にボールを奪われた瞬間に確実にミスマッチが起きているので、なんとか戻らなくてはならないとかいった対応の部分は、みんな理解できていたと思う。

——4バックにシステム変更した直後に得点できたのは、相手がこちらを見極める隙があったのか。

ポジションが変わったからかどうかはわからないが、ノリ(鈴木義宜)からロングボールを入れて目先を変えようとしたのが上手く入ったと思う。ずっと下でつないでいた中で、ロングボールが入って相手を押し込め、(オナイウ)阿道がいい仕事をしてくれた。

——リーグ戦初の複数失点については。

いままで1失点しかしていなかった中で3失点するということは、必ずいつもとは違う問題がある。それは自分たちのミスでもあるし、川崎F戦でもそうだったように、技術のある相手に押し込まれたときに待っているだけの守備になっているというのもある。そこでもっとアグレッシブな守備をしなくてはならない。いままではゴール前で体を張ってやれていたが、クオリティーの高い相手には少ないチャンスで決められる。

最後のミスに関しては、まあそういうこともあるものだが、最後の最後でもう少し押し込みたかったので、ちょっともったいなかった。

1失点でも3失点でも負けは負け。しっかりと次につなげていかなくてはならない。反省して、まだまだやるべきことがあるので、切り替えて取り組みたい。

——戦術的に前に人数をかけたから失点が増えたということではなく。

失点場面を振り返ると、ミスから勢いよく持ってこられているので、戦術的な影響ではないと思う。でも、新しいことをやるにあたっては、まだまだクオリティーや判断、相手のことを考えるといったことが全然できていない。今日の新しいオプションでは、よりそういうものが大事になってくる。今後も構えてくる相手がいるだろうから、自分たちがさらに成長するためには、そういう部分が必要。