【記者会見】片野坂知宏監督「今日の勝利は金星にあたるのではないか」

 

ルヴァンカップでわれわれはここまで1勝1分2敗で、今日負けてしまうと予選突破は非常に厳しい状況になる。その中でもとにかく神戸さん相手でもチャレンジしようということで、選手を送り出した。神戸さんの今日のメンバーを考えたら、本当に今日の勝利は金星にあたるのではないか。選手にとっても非常に自信になると思うし、このような相手に対しても、自分たちが積み上げてきたことを90分切らさずにトライして戦うことによって、勝点3をつかみ取ったと感じている。内容的にも勝利に値するプレーをしていたと思うし、神戸さんのこのメンバーに対しても、勇気をもってチャレンジしてくれたと思う。非常に大きく、またリーグ戦にもつながる勝利になった。

ただ、すぐにリーグ戦があるし、ルヴァンカップもグループステージ突破が決まったわけではない。まずは選手がしっかりと回復し、週末の湘南戦に向けて全体がいい状態で迎えられるようにいい準備をし、継続して切らさずにやっていきたい。

——試合を重ねるごとにルヴァンカップに出ているメンバーも連係が深まっているのでは。

ルヴァンカップはリーグ戦の合間ということで、ターンオーバーしてリーグ戦に出ていないメンバーを使うことが多いが、トレーニングからしっかりとコミュニケーションをとりながら、攻守に連動できるよう合わせてやっている。非常に成長を感じているし、一人ひとりがそのゲームに対しての狙いをしっかりと理解した中でチャレンジしているのがいいと思う。ルヴァンカップはホームで勝っているが、ホームにたくさん来ていただいた方々にそういうプレーを見せていることが大事。ただ、まだ足りていないところもあるし、精度を上げなくてはならないところ、粘り強くやらなくてはならないところはトレーニングから積み上げ、今後もチーム力を上げるためのルヴァンカップのチャレンジ、そしてそれをリーグ戦に生かせるような形を作っていきたい。

——ハーフタイムに「得点を必ず取れる」とコメントしているが、そう感じた理由は。

前半、選手が勇気をもってチャレンジし、チャンスを作れていたと感じた。0-1でハーフタイムを迎えた中で、後半の45分はしっかりと攻め急がず、前半にできていた狙いの部分を継続してやり続けることで、また決定機を作ることができると。もう一度集中して、後半の入りからいいプレーができるようにと話して送り出した。

——ティティパン投入の狙いは。

ボランチで使うか今日のようにシャドーで使うかというところで、ティティパンも運動量多くボックス内まで入っていけるし、前への推進力もある。セカンドボールも拾え、あのポジションでも攻守両面で長所を出せると思える。2点目のシーンのああいうプレッシャーも、非常に迫力をもってやってくれるので、攻撃の部分に期待して投入した。慣れていないポジションだと思うが、実戦で経験しながらチャレンジしている。ボランチでの役割、シャドーでの役割を、自分の中でトライしながらやっているところで、整理させながら、今後もいろんなオプションとして考えられる。ティティパンがシャドーでいい手応えを見せれば、またチャレンジして使っていきたい。

いまの戦力の中でいろいろチャレンジしなくてはならないし、こういうタイミングでトライして結果が出たことも非常にいいこと。シャドーに関してはティティパンだけでなく、今日は三平と伊藤でスタートしたが、われわれには他にもまだ馬場をはじめ、他の選手も何人かいる。組み合わせに関して、自チームの事情や対戦相手に合わせていろんなオプションができるのはいいことだと思う。その都度考えながら狙いをもってやっていきたい。

——今日はいつもとは異なるポジションでの選手起用が多かったが、意図と収穫を。

本当に、そういうところもわれわれにとってのチャレンジだったと思う。完璧ではないが、選手はそのポジションでの役割にトライしてくれていた。福森は左利きというところで、WBのポジションを今後もできるようになれば、オプションも増えるし、丸谷もボランチだけでなく最終ラインは昨季もやっていた。いろんなポジションをしっかりとこなせる選手なので、アクシデントや対戦相手の状況によって、今後もいろんなプランを立てられるのは、こちらとしても非常にありがたいこと。選手もチャレンジしてくれている。

メンバーを選ぶのが難しい状況になっていくのもすごくありがたいことだと思うが、選手がそういう中でしっかりチャレンジしてくれていたなと。慣れないポジションは本当に難しさがあると思うが、今日、神戸さんを相手にしても勇敢に戦ってくれた。ただ、今後もどういうふうになるかわからない中で、起用するメンバーは、そのときの状況によって変えていきたい。

——実戦を経験すると伸びしろは大きくなるものか。

なると思う。今日の神戸さんのメンバーはリーグ戦に出ていてもおかしくないメンバーだった。そういう相手に対して勝点3を取れたことは自信になるし、その中で出来たこと／出来なかったことが見えてきたと思う。それはまたトレーニングで積み上げていかなくてはならないし、またそういうポジションをやったときには、さらにその経験が成長と自信につながる。その個人の力がチームの力に変わっていくことを信じてトライさせたい。

——自力でグループステージ突破を決められるところまで来ているが。

やはり戦う上では予選突破したい。選手に伝えている予選突破の目標は3勝1分2敗で勝点10。それを達成できれば、もしかしたら2位以内で突破できる可能性がある。まずはそれを目標としてやっていこうと、ルヴァンカップがはじまるときに選手たちに話した。開幕のホームC大阪戦で勝つことができたが、そのあとアウェイで2敗して、ホームの名古屋戦も引き分けてしまい、勝点で最下位になっていた。だが、今日勝ったことでまた自力でのチャンスが出てきた。最後はアウェイC大阪戦だが、勝てば目標達成できて、おそらく予選突破できる。

これは間違いなく、選手がリーグ戦とルヴァンカップとを並行して、つねに目の前の試合に向けいい準備をしてくれたからこそ、掴み取ることができた結果。最後のC大阪戦でも、出場する選手が予選突破のために狙いを合わせ、最大値を出して勝点3を奪い取ってほしい。