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闘う言葉

【記者会見】片野坂知宏監督「全体的にしっかりといいゲームをしてくれた」

 

雨の中、たくさんの方がホームに来てくださり、ひさしぶりのホームでの勝利をプレゼントできて本当によかった。やはりホームでは勝たなくてはならないし、見ている方々に勇気を与えるようなゲームをしなくてはならない。継続してホームでいいゲームができるよう準備していきたい。

まず仙台さんがどういう形で戦ってくるか。3-4-2-1のミラーゲームで来るのか、前節の鳥栖戦で3-5-2でいい成果を挙げたのでその形で来るのかがわからない部分だった。多分われわれに対してもおそらく3-5-2で来るだろうと読んでいた。はじまってみると、守備では5-4のブロックを作っているが、攻撃に関しては3-5-2でジャーメイン選手とハモン ロペス選手が残っている。それが嫌だなと思っていた。

こちらの攻撃を成立させないとカウンターでピンチになるという展開で、逆にこちらがチャンスを作るシーンもあった。われわれの攻撃は最後の判断、精度のところで合わず、仙台さんはいい守備からいい攻撃を繰り出し、富田選手をしっかりと使いながらわれわれの危険なところにボールを運び、危険なゾーンに入れてきて、非常に難しいゲームだった。

前半はピンチもあったし、勉強代になりかねない要らない失点になりかねない場面もありつつなんとか0-0で終えたことがよかった。後半もう一度しっかりとした守備、狙いを合わせた攻撃を選手に伝えた中で、選手が90分間最後まで戦って得点を挙げてくれた。後半早々の岩田の得点もわれわれにとっては大きく、勇気を与えてくれたし、オナイウも今季チームに加わって以来、得点という部分で非常に苦労していたが、結果を出したことがプラスになると思うので、継続してやっていってほしいと思う。

全体的にしっかりといいゲームをしてくれた。次はアウェイでガンバ戦があるし、またルヴァンカップもあって連戦になる。いい成果を挙げられるよう全員で継続して戦っていきたい。

——前半の終わり頃に2トップに変更していたが、意図は。

仙台さんが攻撃時は3-5-2で、われわれは5-4のブロックを作っている中で、仙台のアンカーの富田選手がボールを持てるし、いいところに出せるしで起点になっていたので、サイドと真ん中のどちらをケアするかというところで真ん中をケアし、しっかりと中を閉めなくてはならないと考えて配置転換した。前半は藤本と三平がそういうところをしっかり管理してくれたし、サイドの対応も粘り強くやってくれて、なんとか無失点で終えたことがよかった。後半も継続して守備のところで切らさずやってくれたので、クリーンシートで終えることができた。

攻撃面でも背後で起点を作れる選手が2人に増えたことで、前線でタメが作れ後ろからの関わりができるようになったと思う。仙台さんのボールの動かし方は上手かったのだが、いい形で奪うことができれば速い攻撃も狙えるかなというところで、選手がそれをしっかりと遂行してくれた。

——岩田選手が攻守にわたり活躍したが、評価を。

岩田は3バックの右で非常にアグレッシブにアップダウンできる運動量の多い選手。攻撃でも背後からの関わりを相手より上回ってトライしている。右サイドの攻撃の部分では戦力になっているが、得点という具体的な結果に関してはあまり期待していなかった(※ここで会場、笑)。よく駆け上がってくれるのだが、そこからの得点やアシストはまだまだ課題だと思っていた。上手いことボールがこぼれてくれたのでああいう形で得点できたと思う。結果が出たことはよかったと思うし、そこまで行かないとこぼれてこず得点にならないというところでは、そこまで行ける選手。それを相手よりもどれだけ行けるか、そして上がったら帰るかというところができるのが、(岩田)智輝の長所。今日もアグレッシブに右サイドを駆け上がってくれて、得点という結果を出してくれたことは非常によかった。

ただ、フィード、クロス、守備の対応を含め、まだまだ成長しなくてはならない課題もある。今日の得点はよかったが、それに満足せずにトレーニングからトライしてほしいと思う。

——2点目は自陣からパスをつないでの形。評価は。

2点目もいい守備からいい攻撃。特に前線に藤本とオナイウ、スピードがあって起点の作れる選手がいたので、仙台さんの3バックとのマッチアップのところで上回ってくれれば追加点が取れると思った。それに期待して投入したオナイウが起点や得点というところで結果を出してくれたことは非常によかった。藤本のアシストというか、あそこの抜けのところも非常に大事だった。

——島川選手を起用した意図は。

いつもはティティパンが先発して前田とボランチを組むことが多いのだが、今日の仙台戦に向けては島川のほうがティティパンよりも攻守にわたって上手くやれるのではないかと期待した。中盤のところでチームの勝利に貢献してくれたと思う。島川も今季加わって、少し状態が悪かったりもしたのだが、やっと戦える準備ができ、大きな戦力が帰ってきたことを頼もしく感じる。今後もボランチの組み合わせにおいて、状況によっていろんな選択肢が持てるようになった。今日は全体的に、仙台戦に向けての島川のパフォーマンスが非常に効いていたことにより、失点ゼロ、そして得点も生まれたと感じている。

——トリプルボランチに変更する可能性を見据えての起用だったのか。

島川はダブルボランチでもトリプルボランチでも、こちらのやってほしいことをしっかりと理解してやってくれたと思う。どちらもできるので、今後も状況によって、先発や途中出場なども含め、ああいう選手がボランチにいるといろんな組み合わせややり方ができる。そういう意味で非常に大きい戦力が加わってくれたと思っている。

——J1残留を目標にスタートした中で、7節終えて5勝2敗。どうとらえているか。

素晴らしい成果だと思う。誰も予想していなかったと思うし、わたし自身も正直、7戦終えた時点で5勝しているとは思っていなかった。ひとつひとつの試合を大事にしながら勝点を積み重ねることができているが、それは選手たちがチームで狙いを合わせていい準備をしてくれた結果だと思っている。

ただ、5勝2敗で勝点15取れてはいる中で、さきほどロッカールームで選手にも伝えたのだが、まだ何も得ていない。5勝しているから、順位が上にいるからといって、そういうところに目を向けないでくれと。われわれは今季、18位からのスタートで、チャレンジャーとしてJ1で戦っている中で、まだ今日のゲームも、勝ったからといってよかったわけではなく、まだ足りないところがたくさんある。それを今後も積み上げていかなくてはならないし、成長していかなくてはならない。そしてこの7試合、いろんな試合があり、苦しんだ試合や勝てなかった試合もあった中で学んだことを、今後の27試合で繰り返さずに、そういうところから成長していくシーズンになるようにと、選手に伝えた。またしっかりと気を引き締めて、次のG大阪戦に備えてくれると思う。まずはコンディションをしっかり整えてほしい。