MF 38 馬場賢治「今日は負けたがまだ自分たちでつかめる位置にいる」

 

——前半から厳しい試合展開で、後半はいい時間帯もありチャンスも作れたが。

相手のスペースをうまく見ることができず、奪ったあとに相手に切り替えで上回られてまた守備をしなくてはならなくなり、ボールを持っても厳しい状況で前線でなかなかキープできない状態が続いた。相手にうまく守られたというのもあるし、自分たちで招いた部分もある。

後半頭からタイプの違う伊佐が入ったことによって、そこが使えるようになった。先発したさんぺー（三平和司）も狙いをもってプレーしていたのだが、相手の変化によるスペースをうまく使えたのが前半と後半の違いかと思う。

——その中で先制点が取れた。

こういう展開で僕らのほうが先制点を取るというのはすごくいいイメージなのだが、それ以上に相手には個人技で上回る選手がいて、そこをうまく出された。能力の高い選手を擁する相手に対し、自分たちがチームとして戦い続けられなかった。それは自分たちの力不足な部分もあるし、相手の能力が素晴らしかったということでもある。

——瀬沼選手があの位置で出てきたことでマッチアップは。

予想はしていた。ハードワークできるし圧力もかけられる選手なので、結果的に僕たちはそこをうまく使えていなかった。特に左サイドでもう少しいい崩しができればと、やりながら思っていたし、いまでも思っている。相手も怪我人や出場停止の選手がいる中で、うまくハメ込まれたなという感じ。

——相手の出方が予想しづらいことでの準備の難しさもあったのでは。

僕らもおそらく相手がこう来るだろうという予想の中で準備をしたのだが、今週準備したことをうまく出せなかった部分もある。それは相手があってのことなので難しい部分もあった。それに対応できる力はあると思う一方で、対応できなかったのも事実なので悔しい。

先制するまでは劣勢だったので、1点取れたときには、そのときは感じなかったのだが、ちょっとほっとした雰囲気もあった。試合が終わってから振り返ると、もう1点取りにいくのか、もう少しボールを回しながら相手を疲弊させてミスを誘い突いていくのかという方向性が、少し曖昧なままやってしまったかなというのもある。それに失点が重なって、どうしようという感じになっていたのかなと思う。

——残り2試合に向けては。

今日は負けたが、まだ僕たちは自分たちでつかめる位置にいる。負けて下を向いて帰りたくない。いままでチーム全員で取り組んで積み重ねてきた結果がこの順位だし、今日は確かに相手の力に上回られたけど、変わらずにいままで積み重ねてきたことを出そうとすればいい。次に向けて反省するところは反省し、また明日からチームとして一体感を持ってやっていきたい。

——金沢も山形も、かなり難しい相手だが。

金沢はややこしいし、山形も難しい。僕も昨季までは追う側にいたが、追う側の「上を食ってやる」という思いはプラスに働くことが多い。それでも上位チームがしっかり勝つというやられ方を、僕は何回もしてきた。だから、ややこしい相手ではあるが、いい意味で大丈夫だと僕は思っている。あとはしっかり準備するしかない。

——敗れたが、勝点70に続き、今節で6位以内という当初の目標は達成した。

難しいですね。当初の目標を達成するのはどのチームも大変だと思うが、目標とは達成すればさらにその上に行きたいと思うのが自然なこと。だからよかったというわけでもないが、僕たちがこれまで積み上げてきた結果でもある。誰もこれで喜んではいないと思うが、自分たちがやってきたことは間違っていないし積み重ねてこれているということに対して、今日の敗戦で揺らぐ必要はない。その事実をしっかり受け止め、過信ではなく自信にすればいいと思う。

——次節はホーム最終戦。

僕は今季から大分に来たが、ホームでもアウェイでも毎試合素晴らしい後押しをしてもらっている。やはりホーム最終戦で、支えてくれたみなさんと、1年を笑顔で終われるようにすることが僕らのひとつの恩返しだと思っていて、そのために準備している。みなさんのためにまた全力で頑張りたい。