片野坂知宏監督【記者会見】「しっかりと自分たちのチャレンジをしていかないと」

 

アウェイ町田までファン、サポーターの方が本当にたくさんお越しくださって、最後までわれわれと一緒に戦ってくださった。まずは感謝したい。ただ、そういった方々に勝点3をプレゼントできず残念で申し訳ない。僕の責任でもある。

上位争いということで見ごたえのあるゲームではあったかもしれないが、町田さんの最後まで粘り強い戦いに対して、われわれはまだ甘さや隙がある。そこを町田さんはしっかりと仕留め、われわれはチャンスをものにできなかった。その差がこの結果につながったと感じている。

決めるべきところを決めないとこういうことになるし、守るべきところで体を張らないと失点する。町田さんはそういうところをしっかりと決め、しっかりと守ってこういう順位にいる。われわれはその力が不足していると思う。

ただ、こういうゲームをものにできないことはこれまでもあったし、今後も上位対決はどちらに転ぶかわからない拮抗した展開になると思うので、敗戦は非常に悔しいが、同じようにタフな厳しい試合となるであろう残りの5試合に向けて、しっかりと戦い勝点を取れるように、全員で準備していきたい。

——前半からロメロ・フランク選手にかなりシュートを打たれるなどしていた。ひさしぶりの出場だったが予想していたか。また、彼への対策は。

まったく予想していなかった。セカンドボールがすごく大事になると思っていた中で、町田さんのセカンドボールへの反応やアクションはやはり鋭いものがあった。そういう部分はロメロ選手だけでなく平戸くんもそう。町田さんのストロングなところはセカンドボールの対応、そういうところからまた押し込んでいくところ。そこでわれわれは少し後手に回ったり中途半端になったりというところが、拾われてシュートまで持っていかれるということにつながっていたのかなと。

自分たちがセカンドボールをマイボールにできればよかったのだが、その部分でも町田さんのプレッシャーがあったのではないか。前半は自分たちが動かすことができたのだが、後半になって町田さんがよりパワーをもってきた中で、受けてしまったり後手に回ったりしたところでああいう形になったと思う。やはり強い気持ちを持つだとか、もう少し全体が体を張って守るだとかいった細かいところでどちらに転ぶかわからない部分を、こだわってやらないとこういうゲームになってしまう、落としてしまうと感じた。

——1失点目はCKを戻されたところからブロックができなかった。そのあとの2失点のスローインのところで体を張れなかった。セカンドボールもそうだが、共通する課題なのでは。

はい、そう感じている。セットプレーに関しても、今週はずっとスローインのやり方などについて選手に言っていた。CKのロメロ選手のシュートに関しては、いい準備をしていいシュートが入ったのだと思うが、スローインはひとつのセットプレーで、つねに切らさずに、ゴール前にクロスが上がってくるよという話はした。そこはとにかく枚数を合わせることと、体を張って守るしかないというところで、トレーニングやミーティングで対応できるように言っていた。

だが、そこのところで町田さんのパワーに押されてしまった。本当にもったいない。2点目、3点目は崩された失点ではないと思うので、そういうところはとにかく選手が体を張って粘り強くやるしかないと思う。ここは今後の課題でもあるし、そこを守れるかやられるかによって上位に行けるかが、残り5試合で決まってくる。今日のゲームからしっかりと学んで、全員でまたしっかりとやるしかない。

——後半は前半とは違って攻撃の形が作れなくなった。どういう状態だったのか。

少し後半はボールを持てなくなった。その持ち方のところでも、町田さんが切り替えのところでアクションが早くなったし、前からプレッシャーを受けることによって、こちらがボールを前に運ぶのを少し急ぎすぎたところもあるかと感じている。もう少しGKを使ったりして、しっかりと後ろでつなぎながら、前に蹴るべきところでは判断して蹴る。

ただ、後ろから蹴るボールに関しても少しクオリティーが悪くて通らなかったりして、そういうところから相手にボールを渡したり相手のスローインになったりした。前半はまだフレッシュな状態だったのでよかったのだが、後半になってわれわれの動かす中でも疲労によりクオリティーが落ちてしまったところがあるかなと思う。そのへんももう少しクオリティーを上げ、慌てずにつなぐということをやりたかった。

選手の中でメンタル的に、上位対決ということでのプレッシャーを受けたり、つなぐことによって町田さんのプレッシャーでミスをしカウンターを受けるリスクを怖がって蹴ってしまったりしたところもあったのかなと思う。今後も上位対決が残っている中で、そういうところも選手たちに思い切ってやらせるような形をとりたい。それがわれわれトリニータのサッカーだと思っているので。

今日の町田戦に関しては、戦術的狙いがあった中でそういう流れもあったと思うが、いろんなゲームでプレッシャーを受けることがある。しっかりと自分たちのチャレンジをしていかないと、たとえこのJ2を勝ち上がったとしても、J1でよりプレッシャーのある、クオリティーの高いチームがたくさんある中で、上がってまた何もできないというのではいけない。

今日のゲームでも選手に伝えたのだが、町田さんのように守備が堅くプレスも早い、セカンドボール反応も早い相手に対してどれだけトライできるかというのは、今後につながる。ここでしっかり勝つことができれば自信を持てるし、そういうゲームをして上位に行かなくてはならないよと話した。