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闘う言葉

片野坂知宏監督【記者会見】「勝点3を積み上げることが大事だった」

 

われわれにとっては前節は福岡戦、今節は熊本戦と、同じ九州でしのぎを削るバトルオブ九州で、前節の福岡戦では悔しくも敗戦してしまい、今節はアウェイだが、熊本さん相手にいい戦いをして、なんとしても勝ちたい思いで臨んだ。その中で結果的に勝点3を取ることができた。いま勝点がなかなか取れていない中で、われわれにとって結果を出したことは非常に大事だった。

熊本さんがわれわれに対してどういう形で臨んでくるか、いろんな想定をして準備していたのだが、安柄俊選手が出場停止の中、前線には皆川選手を使ってくるのかなと思っていたところで、メンバーを見たときに、機動力のある選手を前線に並べていた。われわれに対して背後を狙ってくるのかなと思ったが、選手たちが切らさずに守備をやってくれた。

前半は危ない場面もあったのだが、なんとか失点ゼロに抑え、PKだが先制点を取れたことが大きかった。後半は相手も狙いを続けながらギアを上げてくるだろうというところで、またもったいない失点をして同点になったのだが、そこからも切らさずに、交代選手を含め全員で戦い続けたことが勝点3につながったのではないかと思う。少しラッキーなところもあったかもしれないが、いまのわれわれにとっては勝点3を積み上げることが非常に大事だった。

雨で足元の悪い中でも、前節の福岡戦同様、たくさんのサポーターが熊本までお越しくださり、最後まで応援してくださった。福岡戦では残念な思いをさせたが、今節は勝点3をプレゼントでき、僕としてもうれしく思っている。

今月はアウェイゲームが多く、次節の讃岐戦が唯一のホームになるが、また讃岐戦にもたくさんのファンやサポーターがいらっしゃっると思うので、ホームでも勝点3を取れるようにいい準備をして積み上げていきたい。

——試合展開の中でいろんな駆け引きがあったと思うが、勝利への分岐点は。

やはり2点目が取れたこと。バランスを重視しながら選手がしっかりと2点目を狙いに行ってくれたことだと思う。

——3試合無得点だったが、どのように立て直したか。

得点という結果が出ていなかったので、得点につながる判断やクオリティーを上げるよう練習からチャレンジしていた。東京V戦、徳島戦、福岡戦と3試合得点できず、今節は3点取れたが、取れなかった3試合の中でも自分たちの狙いを合わせてチャンスは作れていて、本当に最後の部分だけだった。そこは日頃のトレーニングからこだわってやるしかないと選手にも話したし、継続していく中でこうして得点できるようになる。

特効薬があればいいのだが、選手を信じ、トレーニングから積み上げることが、必ず公式戦で結果につながるということで、選手たちに突き詰めさせ、こだわらせたことが、こういう結果につながったと思う。

まだまだクロスやラストパス、フィニッシュ、コントロールといったアタッキングサードでのいろんな判断と質を上げていかないと、これから上位との直接対決もある中では本当に細かいところで勝敗が決まってしまう。今日の失点も本当になんでもないところで、ああいう形でPKを取られてしまう。攻守において集中を切らさずにこだわってやることが結果につながるということを、いままでも学んできたが、最後まで切らさずにやらせていきたい。

——熊本がどういうシステムで来るかという中で、大分も前節からシステムを変えたが、狙いは。

熊本さんはおそらく3枚でやってくるだろうと予想していて、前節の山形戦では3-4-2-1でやっていた。われわれも福岡戦では3-5-2でスタートして途中で少し変化したのだが、熊本さんもゲーム中にもいろいろと変えてくるだろうと想定はしていた。

ただ、安柄俊選手がいないということで、おそらく3-4-2-1だったら皆川選手が出てミラーゲームのような形になる。われわれもミラーゲームになったとしても、狙いを合わせられるように、そして熊本さんが3-5-2で来た場合の準備も、選手には伝えていた。熊本さんも流れの中でシステムやメンバーを変えてくるということを考えた中で、わたしも3-4-2-1だけでなく3-5-2もと、いろんなオプションを準備していた。

展開の中で状況に応じて、選手交代を含めてやっていく中で、今回はいいゲームができて勝点3につながったのではないかと思う。