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闘う言葉

GK 31 高木駿「“わかる人が見たら忙しい試合”だった」

 

——非常に高度な難しい試合になった。

どちらも相手の変化を見ながらプレーするチーム同士、お互いがお互いを探り合いながら組み立て、テクニカルな感じで進んでいく難しい試合になった。

——決定機を仕留められないうちに相手がペースをつかんだ感じだった。

相手が幅を取っていろんな形でボールを回しながら攻めてくる中でも、特に前半はよく縦パスを潰しに行けていた。守備でリズムをつかんでボールを持てていたのだが、相手の中盤が斜めに長い距離を走ってスペースを使われ、決定機を作られていた。後半はそういう場面が多くなり、相手が長い距離を走って勢いを増したので、もう少し中盤でマークを受け渡す必要がある。でもみんなかなり集中して戦ってくれていたと思う。

——双方とも立ち位置をめまぐるしく変えていたが、後ろではどう見ていたか。

相手が幅を取るのでそれだけこちらのディフェンスも広がらなくてはならない。1対1で見る場面が多くなる中で相手の中盤が斜めにどんどん走ってくる。それでも割とつかまえることはできていたと思う。梶川くんとか泉澤くんとかは機動力があるのでだいぶ気を使った。

——たとえば前田選手が相手ボランチ脇を使っている背後を相手が突いてきて逆に攻められるなど、全体に駆け引きが多かった。

(前田)凌佑のところだけではなく、後半になって相手が修正してきた感がかなりあった。立ち上がりから勢いを出してきたし、斜めにも走ってきたし。ただ、ガンガン行けるのが凌佑のストロングポイントで、そこで行けないと他に皺寄せがくるので、その背後は後ろがスライドしてカバーすればいい。ボランチは3枚の中でどんどん行ってもらいたい。運動量が多くなってボランチは大変だが、いまは守備でも結構行けていて、ここ数試合はチームとしていい守備ができている。

——お互いGKを使って組み立てる同士、もっと落ち着いた展開になるかと思ったが、中盤でがっつりと入り乱れる試合になった。

お互いに後ろでは取れないので中盤でどう変化するか。相手が動くからこちらも動いたという感じ。梶川くん泉澤くんがだいぶ動きがいいのだが、リアクションでだいぶ潰せていた。ノリ(鈴木義宜)もフク(福森直也)も(岩田)智輝も入ってきたところを1対1でガンと潰せていたので、それでいいと思っていた。

——試合後にはちょっと船酔いしたような気分になる試合だった。

ずっと緊迫した状況で、前半はあまりボールが来なかったが、「わー、どうなる、どうなる」という感じで、見ていてドキドキしていた。普通に見たら点が入らず、放り込みもなく、ワーッと行く場面がないから面白くないかもしれないが、わかる人が見たら忙しい試合だろうという感じがした。

——上福元選手とのGK対決も大きな見どころだった。

お互い決定機もあった中で、先に(大学時代からのGKのライバルである)カミ(上福元直人)が止めたので、これは負けていられないと思った。

——いいのか悪いのかわからないが、こちらのほうがビッグセーブは多かった。

前半の2本は本当に危なかったが、ぎりぎりのところで守れた。今日は勝てなかったが、あれが入っていたら負けていた。セーブして勝点1を拾えたので、自分としてはよかったと思う。

——上福元選手と話はしたか。

試合前と終わったあとに普通にちょっとだけ。語らずともなんとなく分かり合える。試合中にお互いセーブし合いながら。

——セーブで会話(笑)。

そう、セーブで会話(笑)。カミとは前回対戦も白熱したゲームになったし、今回もいい対戦だったので、なにかいいものがあるのかなと。燃えるものがあるのかもしれない。

——次節、徳島戦に向けては。

勝点3は取れなかったがしっかり1は取って、試合内容もよかったし、いい流れは続いている。徳島には前回対戦で負けているので、リベンジしたい。前回対戦とはうちのフォーメーションも試合運びも変わっている。ホームでいい結果を出せるように準備したい。

 

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