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闘う言葉

片野坂知宏監督【記者会見】「非常に引き締まったゲームになった」

 

(かすれ声で)すみません、聞き取りにくくて…。

今日のゲームは上位対決で、東京Vさんとの対戦は、前回ホームでもそうだったのだが、本当に難しいゲームになる。その覚悟をもって準備して臨んだ。前半の入りはわれわれがしっかりと狙いをあわせて主導権を持って進めたのだが、なかなか先制点が奪えず、逆に東京Vさんが落ち着いてプレーできるようになり、われわれが焦ったところを逆にひっくり返されてピンチになる展開だった。

後半、落ち着いて我慢強くやっていこうと選手たちに言いながら進める中で、主導権の奪い合いとなり、どちらに勝点3が転ぶかわからない拮抗したゲームだった。お互いに狙いを合わせた中で、非常に引き締まったゲームになったと思う。勝点3を取りたかったが、アウェイで東京Vさんを相手に勝点1は悪い結果ではない。この勝点1を今後の残り13試合に生かせるように、まずは次節ホーム徳島戦に向けて準備し、勝点3を積み上げて目標達成できるように、一体感を持ってやっていきたい。

——まずその声について。

前半5分に叫んだらこういう声になってしまって、自分でもなんでかわからない。そこから声が出ず、スタッフにのど飴やのどスプレーを届けてもらったのだが治らず、選手にもなかなか指示が通らなかった。

——お互いボールを大事にする狙いでトランジションの少ないチーム同士の対戦だった。どういう準備を。また、相手のフォーメーションがわからない中では。

ヴェルディさんは畠中選手、渡辺選手がいない。われわれに対してシステムや戦術がどういう形で入ってくるかをまずは見ようということで、相手が4バックでも3バックでも対応できるよう準備しておいた。僕が見るかぎりでは5-3-2で、田村選手が中にいて、藤本選手がワイドのような形で、泉澤選手とドウグラス(・ヴィエイラ)選手が2トップ。われわれに合わせた形でやってきたのは想定内ではあった。

そうなったときにどちらが我慢強く攻撃も守備もやれるかというところで、われわれは相手が構えてきたときの崩し方の狙いにチャレンジできたと思う。ヴェルディさんも、われわれの守備のスイッチに関しての変化をうまく使って、お互いその狙いが合っているゲームになった。

トランジションがないところでは、カウンター時の切り替えで帰陣が早かったり、失った瞬間の局面でもお互いに切らさずにやっていた。どちらもボールを持ちたいチームだったので、それがそういう現象につながったかと。

やはりヴェルディさんは攻撃でわれわれの守備の変化を突いてくる準備をしてきた。ただ、見ているだけではボールは取れないので、少しリスクはあったかもしれないがわれわれもチャレンジしてボールを取りにいき、攻撃の部分でもこちらがボールを持つことを優先的に考えながら動かすことを選手に求めた。なのでそういう展開になったのではないかと思う。

——50得点はリーグ1位だが、あらためてどういう要因で。

僕も監督3年目。J3と、今年がJ2で2年目。積み上げてきた攻撃の形があり、4バックや3バックでやる中で、状況によって選手たちに「このときは中央が空いている」とか「このときはサイドが空いている」とかいった判断をさせながら、対戦相手によって、われわれのメンバーのもとに狙いを合わせてやってくれているからこそ、得点できているのではないか。

準備してきたことに対し、ゲーム中に変えてくる相手もいるが、そうなったとしても攻撃のバリエーションが増えているというところで、得点力につながっていると思う。

——コンセプトがはっきりしていて狙いが見えたゲームだったが、クロスが直接GKに行くのが残念だった。クロスに関しては片野坂さんは専門だが(笑)、あのへんはなんとかならないのか。

はい。おっしゃるとおりだと思う。相手をひっくり返してサイドを割っても、シュートまでつながらないクロスの精度は、トレーニングからしっかりと選手にも求めたい。ただ、上げる側だけではなく入る側に関しても、動いて入るなど、狙いを合わせてトレーニングしている。そこが今後も課題。上げるクロスの質、入るタイミング。どういう状況になったとしても、インスイングやアウトスイング、いろんな上げ方があると思うが、合わせてそこから得点できるような形を作り上げていきたい。それによってまた中央が空いてくると思うので、バリエーションのある攻撃を繰り出せるようにチャレンジしたい。