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闘う言葉

片野坂知宏監督「これを打ち破っていかないと勝点3を取れない」

 

【記者会見】

非常に悔しい結果になった。まずこの結果は監督であるわたしの責任。本当に申し訳なく思う。これで5試合勝てていない。応援してくださる方々になかなか勝点3をプレゼントできず非常に残念。選手はわたしがゲームに向けてしてほしい戦術を最後までやりきってくれている。選手のその姿勢は評価してほしいと思う。ただ、得点という具体的な結果が出ないこと。これはわたしも含めて選手もしっかりと受け入れ、ピッチに出ている選手が日頃のトレーニングからの積み上げにチャレンジするしか解決方法はない。切れずにまた短い準備期間になるが、全員で切り替えて準備していく。

——アウェイ甲府戦後、3勝1分6敗。この低迷の最大の要因は。

いろいろあるとは思うが、まずは得点が取れていないこと。チャンスを作る回数は相手より上回っているが、最後のところでの落ち着きが足りない。点が取れていないことによる焦りがあるのかなと思う。状態を見極めなくてはならない。守備のほうでも失点が続く中、試合の入りは修正して集中できるようになってきたのだが、ワンチャンスを入れられてしまう。サッカーではリスクを負って攻撃すればそれだけピンチを迎えることもあると思うが、そのへんの粘り強さ我慢強さ、少し賢くやらなくてはならない部分もある。

悪いゲームをして勝点を取れていないというわけではないので、本当に悔しくて、勝ちきれないことを選手にも申し訳なく思う。トレーニングを積み上げて、ゲームの狙いは決して悪くないので、またそれを突き詰めて選手とやっていくしかない。ただ、まだ何も得ていないし失ってもいない。大事なのは42節終わったときに目標を達成できることなので、まだ試合が続く中で、残りのゲームでこういう思いをしないように。やはり大事なのは日頃のトレーニング。しっかりとそういうところに目を向けさせて、一丸となってやりきれるようにしたい。

——選手交代の意図は。

愛媛さんが5-4-1のブロックを作っている中ではこちらがリスクを負って攻撃的に行かなくてはならないので、三平を後半スタートから入れて前線に人数をかける形で3-5-2とした。3人から4人へと前線の人数を増やすことによって、愛媛さんが前に出てこれなくなりさらに押し込むことができる。また、中央に人数が多ければサイドを割ったときにゴール前に人数をかけられるので、ボランチを1枚にして攻撃的にすることで、さらに押し込める状況を作ろうと考えた。

福森を清本に代えたことについては、あれだけ愛媛さんが引いて守るのに対しては数的優位を作ってリスクを負って攻めるしかないので、数的優位を作れる選手を後ろに入れて関わらせることでチャンスを作る狙いでの交代で、運動量が多く後ろから走れて関われる選手をと、ああいうチャレンジをした。

愛媛さんはそれほどリスクを負って攻撃するわけではなく、相手陣地で失った瞬間に前に人数をかけてプレッシャーをかければ大きく蹴ってくれていたので、とにかく切り替わった瞬間の守備は前から行って蹴らせて回収し、そこからサイドへ中央へとボールを散らして攻撃し押し込んでいくしかなかった。そのための後ろからのパワーが、福森よりも星のほうがある。清本は最後のところからスペースがあれば仕掛けられるし、クロスでもチャンスを作れるのでそういう交代をした。

——愛媛は戦いの幅を広げているが、対策の準備は難しかったか。

はい、今日のゲームは難しかった。愛媛さんがミラーゲームでやってくるのか、前節の岡山戦のように4-3-3のような形で来るかというところ。こちらも一応プランは持っていたのだが、フタを開けてみたら前節のような形で来られて、狙いも分析どおりでわかっていた。選手たちは守備にしても攻撃にしても自分たちのやるべきことを理解してやれていたのではないかと思う。ただ、ワンチャンスを得点につなげられてしまった。

前回対戦よりはわれわれが上回ることができたし、いいゲームもできチャンスも作ることができた。前回とはまったく違う形を作れたことは狙いが的確だったということだと思う。これが勝点につながらず、いま自分たちが勝てていない中で、悪い流れを断ち切ることができなかった。逆に愛媛さんは3連勝していて勢いがあった。やはり勝点を1でも拾っていくことはすごく大事だと感じた。

——勝点を取るために修正が必要なのは選手起用なのか戦術面なのか。

ここ5試合は勝っていないのだが、戦術面に関して選手に提示しているところでは、狙いを合わせて90分間それを遂行してくれている。ただ、それを勝点につなげられていない。今日も最低でも1取らなくてはならないし、大宮戦でもあれだけ押し込んでいた中で、勝点1でも持って帰らなくてはならなかった。

狙いはあっているのになかなか得点できない状況については、メンバーを変えるのか。今日の前田や岩田のように調子のいい選手、フレッシュな選手、勢いのある選手、狙いの合う選手を選んで使っていくしかない。試合に出ていない中でも準備している選手がいるので、見極めて状態のいい選手を使わなくてはならない。得点が取れない、シュートが枠に行かないという点で、調子の悪い選手を使っているのではないかということを、自分の中で考え、コーチ陣とも話をして、日頃のトレーニングで見極めなくてはならないと思う。

——開幕の頃に比べて選手起用の選択肢は狭まっているのか。

いる選手でやるしかない。選択肢を増やすことができればいいのだが、われわれはお金のあるチームではなく、本当に補強できるところを見極めながらやるしかない。いまいる選手にしっかりと積み上げさせトライさせるしかないと思う。

開幕当時の戦い方といまの戦い方での違いは相手にあるのかなと思う。それまで勝点を積み上げて得点も挙げ、いいゲームをしていた中でいま勝ちきれていないのは、相手がいろんな対策を練ってくるし、本当に勝点1にこだわってくる。今日の愛媛さんも前節の栃木さんもアウェイで勝点1を持って帰ろうとする。こういう戦いが残りの試合も続いていくんだろうなと思うが、これを打ち破っていかないと勝点3を取れないし、このJ2で上位にいけないと思うので、逃げずに立ち向かって、選手に突き詰めて戦術を浸透させていくしかない。

その中でメンバー選考については日頃のトレーニングが大事になると思うので、それを見極める必要がある。結果が出ないのであれば他の選手にチャンスを与えるのもひとつの選択肢になると思う。


【囲み取材】

——小暮選手が立ち上がりにすごく上下動していたのでシステムが読みづらかったが、4-3-3と見ていたのか。

4-3-3でやっていたときに、近藤くんとか小暮くんとかがうちのワイドに引っ張られて6バックになったり5バックになったりという変化は、前節の岡山戦でもあったので、多分うちの(星)雄次と(松本)怜を近藤くんと小暮くんで張らせて抑え込もうという意図があったのかなと。そこからの長いボールは警戒していたにもかかわらず、まさしくそれでやられてしまった。あそこは近藤くんの個の能力に上回られてワンチャンスを決められた。

——先制しないと愛媛戦ではああいう展開になってしまう。PKの好機逸がもったいなかったのでは。

そうですね。CKでファウルをもらってラッキーだったかもしれないがPKをもらった中で、先制点を取れるビッグチャンスを決められなかったのは自分たちが招いた結果。まだ早い時間帯だったので粘り強く取り返すしかないという状況で、あのワンチャンスでやられてしまって、ビハインドになってしまった。ただ、選手たちはそういう中でも最後まで戦ってチャンスを作ってくれた。相手の攻撃はほとんどあれだけだったし、何もやらせなかったところでは、決して悪い内容ではなかった。

——カウンターへのリスクマネジメントは以前から修正されている。

相手はそれしかなかったところもあるし、ノリ(鈴木義宜)もフク(福森直也)も(岩田)智輝がしっかりやってくれたし、雄次や怜もカウンターの対応によくついていって粘り強くやってくれた。

——好調時には前線のコンビネーションや攻撃の形が明確だったが、最近はそれが見えづらい。相手に対策されているからか。

ワイドやシャドーが抑えられてきたこともあるし、いまはシャドーのコンビネーションがあまり上手くいっていない。栃木にしても愛媛にしても5-4のブロックで中央を固めてきたので、コンビネーションはタイミングと判断の質が合わないと難しいところ。とは言ってもサイドだけでなく中央のところも今節はチャレンジしてくれた。いままで攻めあぐねてきたところで中央の3人のコンビネーションを積み上げてきてもいるので、それだけじゃないところもやりながらでないと、相手に対策を練られたり抑えられたりしてしまうので。

そういう攻撃の幅を広げるためにもいまいろんな戦術を提示してチャレンジさせているのだが、それでもなかなか点が取れないのは、個人のところなのか最後の質なのか。これだけチャンスを作って押し込んでなかなか点が取れないとは…。

——前田選手と岩田選手を起用しての評価は。

よかったと思う。(前田)凌佑は初出場だったが臆したり緊張したりすることなく自分の持っているものを出し切ってくれた。アグレッシブにしっかりトレーニングしてくれていたので、ゲームでもしっかりやってくれた。(岩田)智輝も3枚の右からの関わりなどで自分のスピードを生かし、あれだけ攻め上がってくれれば相手にとっても脅威となれたし、悪くなかったと思う。これからも状況によってはああいう若く勢いのある選手、戦える、走れる選手が大事なので、様子を見ながら起用していきたい。

 

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