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闘う言葉

片野坂知宏監督「前から来て奪われて失点する怖さがあったのか」

 

【記者会見】

われわれは3連敗、栃木さんは2連勝している中でのホームゲームで、違うチーム状況でのゲームになった。われわれとしてはホームでなんとか勝点3を取って連敗を止めたい。そのチャレンジを選手たちは試合を通してしっかりとやってくれたと思う。ただ、栃木さんもわれわれから勝点を持って帰るつもりで、いま好調な守備を切らさず、非常に厳しい試合になった。

簡単なゲームではないと覚悟していたが、崩す形や準備してきたことがなかなか出せなかった。これはわれわれの課題でもあり、力の足りないところ。そこをしっかり受け止めたい。またすぐに水曜日に、同じようなミラーゲームになると予想される愛媛さんとの試合がある。どうにかここで切り替えて勝点3取れるよう準備し、選手たちと一体となってやっていきたい。

——引いた相手を崩すのに手こずったが、次節の愛媛戦に向けて中3日での準備は。

愛媛さんがブロックを構えてくるか前から奪いにくるかはわからないが、愛媛さんにかぎらずどのチームでも、これまでにも引いてくる相手はいたし今後もあると思う。そういう相手をこじ開けるためには、まず動かなくてはならない。判断やクオリティーももちろん上げていかなくてはならないが、きれいに崩そうとは思ってなくて、今日も選手たちには「泥臭くてもいいから1点取って勝とう」と言って臨み、選手たちも打てるチャンスには打ってくれたと思う。ただ、判断やクオリティーがまだまだ足りないからこういう結果になった。短い期間でも、選手にはそういうところを継続して求めながらやっていくしかない。あとはわれわれの選手29人の中からベストな11人、18人を選んで、愛媛さんに対していい試合ができるよう準備したい。

——後藤選手が復帰したが評価は。

うーん…シュートは2本くらい打ったか。実戦も練習試合くらいしかしていない中で、トライはしてくれたと思う。まだ本調子ではないかもしれないが、後藤に対してもしっかりと継続して求めていきたい。まだ課題があるから得点できていないということ。特に前線の選手に関しては得点という結果を求めていきたい。


【囲み取材】

——栃木が前から来る守備と引いて消す守備を使い分けてきたが。

「引いてくるだろうが前から来ることもあるかもね」と選手たちには話していた。前半は相手も我慢強くやっていて、こちらもフレッシュなので剥がすことができたりもしたが、後半は相手が前から来て、特にゴールキックなどもやらせないようにしていた中で、上手く動かすことができなかった。

いろんな要因があると思うが、周りの選手も動かないとボールは回らないし、距離がちょっと遠かったかなというところもある。あとは選手のメンタル的な問題。いま連敗している中で、前から来て奪われて失点する怖さがあったのかなと。連敗を止めないといけないという思いが強すぎたところもあるかと思う。

——シュートシーンでは焦りがあったのか。

うーん…それもあるかもしれない。焦りとか判断の悪さとか。ただ、選手には「堅いチームなのできれいに崩すことはできないと思う。打てるチャンスには打ったほうがいい」と言ってあった。その「打てるチャンス」というところでの最後の質や集中といったところはまだまだかなと思う。

——前半は相手が完全に構えたところをじっくり攻略しようという姿勢かと思ったのだが。

あれだけ構えて自陣にブロックを作られると、焦っても相手の思うツボ。テンポよくボールを動かして、相手のスライドが間に合わずスペースが出来る変化を見た中で、チャレンジするところはチャレンジしようと。じっくりでもあるし、じっくりしながらも隙やスペース、相手の背後を突いて先手の取れる攻撃ができるときには中央やサイドに入れていかないと、こじ開けることはできない。ただ後ろで回していても怖くないので。

その際には慌てることなく、しっかりと判断してテンポよく動かさないといけない。そういうことは試合前に一応話してはいたのだが、栃木さんがあそこまでガッツリ引いてくるとは思わなかった。

後半に入ると相手が結構前から来たところで、勝てていない中でリスクを負いたくない、ミスしたくない、失点につながりたくないという思いが出過ぎたかな…。あとは距離感。ボランチとCB、シャドーのつながりが、ちょっと距離があった。攻め疲れていたぶん、受ける怖さをみんな感じていたのか…。まだまだ90分通して上回ることができない。そのへんのチーム力が、まだないかなと思う。

——前半を見ていて、これまでの引いてきた相手に対しての試合と比べてもだいぶ縦パスなどが入っていた感じがしたが。

いや、うん。狙って入れたりとかもあったし、もうちょっとというところまでは行ったと思うのだが、その「もうちょっと」のところが足りていないからゴールを割ることができなかった。ラストパスの質や判断、クロスの質や中の入りなどいろいろあると思うが、連敗したときでもだいぶチャンスを作ったりはしているので、本当にそういう部分のクオリティーとか判断を上げていかないと、引いている相手から得点することはできない。

あとは人で解決するか。調子のいい選手、点の取れそうな選手をトレーニングからしっかりと見極めてやらないといけない。(國分)伸太郎もずっと使っているが、得点という結果を出していないので…。(馬場)賢治もなかなか得点が取れなくなっている。フジ(藤本憲明)もPKでは得点しているが、シュートが枠に飛んでいないとか。まあ前線だけの原因ではないのだが。いまいるメンバーの中でベストな11人を選ばなくてはならないと感じる。

——愛媛戦に向けていちばん重点的に準備したいところは。

自信を持たせないといけないかなと。ビルドアップや動かしのところでチャレンジさせないと、やはりこじ開けられないので。ボールを持つことを怖がると、それが伝染して相手も勢いづいたりする。あとはテンポを上げたい。距離感も徹底させたい。